2026年3月期 第3四半期
中部電力・2026年3月期Q3、純利益21%増の2,025億円——JERAの貢献で増益も、浜岡原発の審査停止が影
中部電力
増益
JERA
増配
浜岡原発
インフラ
エネルギー
自己資本比率
第3四半期累計期初から9ヶ月間の累計値(前年同期比)
売上高
2.6兆円
-3.2%
通期予想
3.5兆円
進捗率72%
営業利益
1,686億円
-8.4%
純利益
2,026億円
+21.2%
通期予想
1.9兆円
進捗率11%
営業利益率
6.6%
中部電力の2026年3月期第3四半期決算は、売上高が前年比 3.2%減 となりました。燃料価格の下落で料金収入が減った一方、持分法適用会社である JERAの利益貢献 により、最終的な純利益は前年比 21.2%増 の 2,025億円 を確保しました。一方で、浜岡原発の審査停止 に伴う損失計上など、将来への課題も残る内容です。
業績のポイント
全体の業績は、売上と営業利益が減り、最終利益が増える結果でした。
- 売上高は 2兆5,663億円 で、前年より 3.2% 減りました。
- 営業利益は 1,685億円 となり、前年比 8.4% の減少です。
- 燃料費調整制度の影響で、電気を売る単価が下がったことが響きました。
- しかし、純利益は 2,025億円 と、前年から 21.2% も大きく増えています。
- 発電事業を担う JERAの業績が好調 だったことが、利益を押し上げました。
業績推移(通期)
売上高営業利益|当期累計通期予想残
セグメント別動向
各部門の動きは以下の通りです。
- ミライズ(販売): 利益は 1,113億円(前年比 27億円減)でした。競争激化や燃料価格変動の影響をわずかに受けました。
- パワーグリッド(送配電): 利益は 303億円(前年比 95億円増)です。設備に関わる費用の管理を徹底し、増益を守りました。
- JERA(発電): 利益は 987億円(前年比 386億円増)と大幅増です。燃料の調達コストが安定したことがプラスに働きました。
- その他: 利益は 1,139億円(前年比 512億円増)となりました。不動産事業など、電力以外の分野が順調に伸びています。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| ミライズ | 2.1兆円 | 82% | 1,113億円 | 5.3% |
| パワーグリッド | 6,752億円 | 26% | 304億円 | 4.5% |
| JERA(持分法利益のみ) | — | — | 987億円 | — |
財務状況と資本政策
お金の面では、安定感が増しています。
- 総資産は 7兆4,994億円 となり、前期末から 3,746億円 増えました。
- 自己資本比率は 40.1% まで上がり、経営の土台が強まっています。
- 年間の配当予想は 1株70円 とし、前の年から 10円の増配 を維持する計画です。
- 利益が増えた分を、しっかりと株主へ還元する姿勢を示しています。
リスクと課題
会社側は、以下のリスクを挙げ、注意を促しています。
- 浜岡原子力発電所の審査停止: 基準地震動の策定に不適切な点があり、審査が止まりました。
- この審査停止に伴う委託契約の解約などで、117億円 の損失を出しています。
- 原発の再稼働がさらに遅れると、将来の収益を圧迫する恐れがあります。
- 燃料価格や為替の動き次第で、収益が大きく変動するリスクも依然として残っています。
通期見通し
2026年3月期の通期予想は、前回の発表から据え置いています。
- 売上高は 3兆5,500億円(前期比 3.2%減)を見込みます。
- 純利益は 1,850億円(前期比 8.5%減)となる見通しです。
- 第3四半期までの進捗は順調ですが、原発関連の不透明感から慎重な見方を変えていません。
AIアナリストの視点
中部電力の今回の決算は、本業の電力販売(ミライズ)が伸び悩む中で、関連会社のJERAや非電力事業が利益を支える「多角化の成果」が見えた内容です。
特に、自己資本比率が40%の大台に乗ったことは、電力会社として非常に強固な財務体質を築いていると言えます。就活生の視点では、単なる「地元の電力会社」から、JERAを通じたグローバルな燃料調達や不動産・新事業へ軸足を広げている点に注目すべきでしょう。
一方で、浜岡原発の審査停止は経営上の大きな痛手です。117億円の損失そのものよりも、再稼働のスケジュールが「白紙」に戻ったことによる長期的な不透明感が、投資家にとっては最大の懸念材料となります。このリスクを他部門の成長でどうカバーするかが今後の焦点です。
