百五銀行、2027年3月期第1四半期決算、経常利益2.2倍で純利益も倍増

百五銀行の2027年3月期第1四半期決算を分析すると、経常収益は前年同期比47.8%増の504億円、経常利益は120.9%増の113億円、純利益は113.1%増の80億円となり、大幅な増収増益でした。貸出金利息や有価証券利息配当金の増加に加え、株式等売却益が収益を押し上げました。一方、国債等債券の売却損も膨らんでおり、今後は金利環境と有価証券運用が焦点です。

決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 504億円 | +47.8% | — | — |
| 営業利益 | 113億円 | +120.9% | 412億円 | 27% |
| 純利益 | 81億円 | +113.1% | 289億円 | 28% |
| 営業利益率 | 22.4% | |||
この決算のポイント
- 1銀行業のセグメント利益は前年同期比約2.1倍。貸出金利息や有価証券利息配当金が伸びた
- 2その他経常収益の増加には株式等売却益が寄与し、経常収益は前年同期比47.8%増
- 3国債等債券売却損が増加し、単体のコア業務純益は前年同期比で減少
- 4年間配当予想は42円で、前期実績の34円から8円増。四半期中に自己株式も取得
- 5通期の経常利益予想は412億円、純利益予想は289億円で、会社は予想を据え置いた
業績のポイント
百五銀行(株式会社百五銀行)の2027年3月期第1四半期は、経常収益が前年同期比47.8%増の504億43百万円、経常利益が120.9%増の113億6百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が113.1%増の80億77百万円でした。利息収入と株式売却益が利益を押し上げた決算です。
- 収益の増加: 経常収益は前年同期から163億2百万円増加。貸出金利息や有価証券利息配当金の増加に加え、株式等売却益を含むその他経常収益が伸びました。
- 費用の増加: 経常費用は前年同期から101億13百万円増加。国債等債券売却損の増加を受け、その他業務費用が膨らみました。
- 利益の伸び: 経常利益は前年同期から61億88百万円増加。収益の増加が費用増を上回り、純利益も前年同期から42億86百万円増加しました。
利息収入の伸びは、銀行本来の資金運用収益が改善していることを示す一方、株式等売却益も収益拡大に寄与しています。単体では国債等債券損益の悪化がコア業務純益を押し下げており、連結利益の強さが継続的な本業の収益力だけによるものではない点には注意が必要です。
セグメント別動向
銀行業は経常収益が前年同期比56.9%増の450億86百万円、セグメント利益が約2.1倍の109億33百万円でした。貸出金利息や有価証券利息配当金の増加が収益を支え、株式等売却益を含むその他経常収益の伸びも加わりました。銀行業が連結利益の増加をけん引しています。
リース業は経常収益が前年同期比0.5%減の42億78百万円、セグメント利益は49.5%減の1億7百万円でした。収益がほぼ横ばいの一方で利益が減っており、連結全体の増益とは対照的な動きです。
その他事業はクレジットカード業務や金融商品取引業務などを含み、経常収益は前年同期比3.7%減の15億78百万円、セグメント利益は30.8%減の2億65百万円でした。銀行業の好調がグループ業績を押し上げる一方、リース業とその他事業では利益が減少しています。
- 銀行業+110.0%
- リース業-49.5%
- その他-30.8%
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 銀行業 | 449億円 | 89% | 109億円 | 24.3% |
| リース業 | 42億円 | 8% | 1億円 | 2.5% |
| その他 | 13億円 | 3% | 3億円 | 20.9% |
通期見通し
百五銀行は2027年3月期の連結業績予想を据え置き、通期の経常利益を412億円、親会社株主に帰属する当期純利益を289億円としました。会社予想の前年比はそれぞれ11.3%増、7.7%増です。前期実績は公表された前年比からの概算で、予想値にも修正はありません。
| 指標(億円) | 前回予想 | 今回予想 | 前期実績(概算) |
|---|---|---|---|
| 経常利益 | 412 | 412 | 約370 |
| 純利益 | 289 | 289 | 約268 |
第2四半期累計の会社予想は経常利益187億円、純利益132億円です。補足資料によると、単体の第1四半期経常利益は第2四半期累計予想に対して60.0%、純利益は61.2%まで進み、会社は概ね計画通りと説明しています。ただし、四半期の株式売却益や債券損益の変動も大きく、上期の進捗だけで通期達成を判断するのではなく、金利収入と有価証券運用の動きを見極める必要があります。
財務状況と資本政策
2026年6月末の総資産は前期末比2,602億円増の7兆8,908億円でした。預金等と貸出金も前期末から増えており、資金調達と融資の規模がともに拡大しています。
| 項目 | 2026年6月末 | 2026年3月末 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 総資産(億円) | 78,908 | 76,306 | +2,602 |
| 純資産(億円) | 5,237 | 5,166 | +71 |
| 自己資本比率(短信定義) | 6.6% | 6.8% | -0.2ポイント |
| 預金等(億円) | 64,389 | 62,654 | +1,735 |
| 貸出金(億円) | 51,637 | 51,410 | +227 |
| 配当・自己株式取得 | 内容 |
|---|---|
| 年間配当予想 | 42円、前期実績34円から8円増 |
| 中間・期末配当予想 | 中間21円、期末21円 |
| 自己株式取得 | 四半期中に127万7千株を取得、取得額などを含む自己株式の増加は25億円 |
自己資本比率は短信独自の定義で、銀行の規制上の自己資本比率とは異なります。預金の増加には公金預金や個人預金、貸出金の増加には住宅ローンなどの個人向け融資が寄与しました。第1四半期のキャッシュ・フロー計算書は作成されていないため、現金収支の全体像はこの短信だけでは確認できません。
リスクと課題
大幅増益の一方で、債券売却損の増加や金利上昇に伴う調達費用の増加が見られます。銀行業の利益が全体をけん引する構造や、有価証券の価格変動にも目配りが必要です。
- 金利・債券価格の変動: 有価証券運用の損益は市場金利や価格の影響を受けます。単体の国債等債券損益は前年同期より悪化しており、債券売却損が続けば利益を圧迫する可能性があります。
- 預金金利と調達費用: 貸出金利息や有価証券利息配当金が増える一方、預金利息も増加しました。調達コストの上昇が運用収益の伸びを上回る場合、利ざやの改善が鈍るおそれがあります。
- 株式売却益への依存: 株式等売却益が経常収益の増加に寄与しましたが、売却益は市場環境や保有資産の売却判断で変動します。利益の再現性を確認するには、資金利益や役務取引等利益の推移も重要です。
- 信用リスク: 2026年6月末の開示債権は683億円で、総与信に占める割合は1.30%でした。比率は2026年3月末から横ばいで、景気悪化などによる貸倒費用の増加には引き続き注意が必要です。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/7/27)
2,123円
最新終値(2026/10/23)
2,014円-5.1%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#百五銀行#決算#決算分析#四半期決算#銀行業#経常利益#金利上昇#配当#自己株式取得
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コメント
百五銀行の決算は、貸出金利息や有価証券利息配当金の伸びが確認できる点で、金利環境の変化を収益に取り込む動きが表れています。一方、株式売却益が増益を支え、国債等債券売却損も膨らんでいるため、単純に本業の利益が一様に強まったとは言い切れません。
通期予想は据え置きですが、年間配当予想の増額と自己株式取得は株主還元を意識した動きです。今後は利息収入の増加が預金金利などのコストをどれだけ上回るか、また市場売買に左右される損益を除いた収益力が維持できるかに注目したいところです。
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