あいちFG、2027年3月期第1四半期決算、経常利益2.7倍で純利益も急伸
あいちFGの2027年3月期第1四半期決算は、貸出金利息や株式売却益の増加に加え、退職給付信託返還益を計上し、大幅な増益となりました。経常収益は前年同期比49.3%増、経常利益は173.1%増、純利益は280.8%増です。地域企業の支援を広げるコンサルティング会社の子会社化も実施し、金利上昇を追い風にした収益拡大と、地域向けサービスの強化が焦点です。

決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 399億円 | +49.3% | — | — |
| 営業利益 | 144億円 | +173.1% | 280億円 | 52% |
| 純利益 | 145億円 | +280.8% | 230億円 | 63% |
| 営業利益率 | 36.2% | |||
この決算のポイント
- 1銀行業の経常収益は前年同期比46.8%増、セグメント利益は135.9%増。
- 2株式等関係損益の増加が経常利益を押し上げ、増加額は69億63百万円。
- 3純利益には退職給付信託返還益65億56百万円を計上。
- 4通期経常利益予想は280億円、純利益予想は230億円で、5月公表値から変更なし。
- 5豊田エンジニアリングなど2社を子会社化し、製造業向けコンサルティングを強化。
業績のポイント
あいちFG(あいちフィナンシャルグループ)の第1四半期は、経常収益が前年同期比49.3%増の399億11百万円、経常利益が173.1%増の144億37百万円、親会社株主に帰属する純利益が280.8%増の144億85百万円でした。金利収益と株式売却益が利益を押し上げ、純利益には退職給付信託返還益も寄与しました。
経常利益の前年同期からの主な増減要因は次の通りです。
| 要因 | 増減額(億円) |
|---|---|
| 連結粗利益の増加 | +30.32 |
| 営業経費の増加 | -9.95 |
| 貸倒引当関連費用の減少など | +1.96 |
| 株式等関係損益の増加 | +69.63 |
| その他 | -0.45 |
資金利益は前年同期比26億52百万円増の157億95百万円となり、貸出金利息などの増加が収益の土台を広げました。一方、預金利息も増えており、預金などの資金調達費用は29億40百万円増です。純利益には一時的な信託返還益が含まれるため、基礎的な収益力を見る際は、資金利益やコア業務純益の伸びと分けて考える必要があります。
- 前年同期52.9億円
- 粗利益増+30.3億円
- 経費増-10億円
- 貸倒関連+2億円
- 株式等損益+69.6億円
- その他-0.5億円
- 当期144億円
セグメント別動向
銀行業は経常収益が前年同期比46.8%増、セグメント利益が135.9%増となりました。貸出金利息など資金利益が伸びたほか、株式等関係損益の増加も利益を押し上げています。愛知県では自動車関連やAI関連の需要を背景に生産・輸出や設備投資が堅調で、地域企業の資金需要を取り込めるかが今後の焦点です。
リース業は経常収益が前年同期比39.4%増の22億82百万円、セグメント利益は4億35百万円でした。前年同期は15百万円の損失で、増収と黒字転換となっています。
その他は経常収益が前年同期比107.3%増の28億52百万円、セグメント利益は15億25百万円でした。コンサルティング業務などを含む事業区分ですが、今回子会社化した2社の損益は取得日を6月30日とみなしたため、この四半期の連結損益には含まれていません。
| セグメント | 経常収益の増減率 | 利益の前年同期比 |
|---|---|---|
| 銀行業 | +46.8% | +135.9% |
| リース業 | +39.4% | 前年赤字から黒字 |
| その他 | +107.3% | 前年赤字から黒字 |
- 銀行業+46.8%
- リース業+39.4%
- その他+107.3%
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 銀行業 | 348億円 | 87% | 125億円 | 35.8% |
| リース業 | 23億円 | 6% | 4億円 | 19.1% |
| その他 | 29億円 | 7% | 15億円 | 53.5% |
通期見通し
あいちFGは2027年3月期の連結業績予想を据え置きました。通期の経常利益は280億円、親会社株主に帰属する当期純利益は230億円を見込み、いずれも2026年5月15日の公表値から変更ありません。
| 指標 | 前回予想 | 今回予想 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 経常利益 | 280億円 | 280億円 | -9.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 230億円 | 230億円 | +5.5% |
第1四半期の経常利益は通期予想の約51.6%に達しています。ただし、株式売却益や退職給付信託返還益が当期利益を押し上げているため、単純に四半期実績を年換算するのではなく、下期の資金利益や株式等関係損益の動きも見る必要があります。会社は見通しの修正理由を示しておらず、現時点では期初計画を維持する判断です。
財務状況と資本政策
2026年6月末の総資産は前期末比1,354億円減の7兆328億円、純資産は320億円増の4,630億円でした。自己資本比率は6.6%で、前期末の6.0%から上昇しています。四半期キャッシュ・フロー計算書は作成されていないため、期間中の営業・投資・財務キャッシュフローは短信から確認できません。
| 項目 | 2026年6月末 | 前期末比・前年差 |
|---|---|---|
| 総資産 | 7兆328億円 | -1,354億円 |
| 純資産 | 4,630億円 | +320億円 |
| 自己資本比率 | 6.6% | +0.6ポイント |
| 貸出金 | 4兆9,422億円 | +10億円 |
| 預金 | 5兆9,749億円 | -144億円 |
| 有価証券 | 1兆3,558億円 | +860億円 |
2027年3月期の年間配当予想は、株式分割後の基準で1株30円です。2026年3月期の株式分割考慮後の年間配当27円に比べると、3円増配の計画で、内訳は中間15円、期末15円です。自社株買いの記載はありません。なお、自己資本比率は短信注記の算定方法による比率であり、銀行法上の国内基準自己資本比率とは異なります。
戦略トピック
あいちFGは、連結子会社の栄町リサーチ&コンサルティングを通じ、豊田エンジニアリングと豊田マネージメント研究所の全株式を取得しました。取得日は2026年5月1日で、取得対価は1億70百万円、のれんは50百万円です。
両社は製造業向けに業務改善や経営管理のコンサルティングを手がけます。あいちFGは地域顧客の課題に対応する「コンサルティング・ソリューション型」のビジネスモデルを目指しており、銀行取引にとどまらない支援を広げる狙いです。取得先の業績は今四半期の連結損益に含まれていないため、今後は顧客基盤との連携や収益貢献が具体化するかが注目されます。
リスクと課題
地域経済は緩やかに回復している一方、外部環境や金利・市場変動によって収益が振れる可能性があります。今期は株式売却益や信託返還益も利益を押し上げており、継続的な収益力の確認が重要です。
- 預金金利の上昇: 預金利息など資金調達費用が前年同期比で増えており、貸出金利息の伸びを上回れば資金利益を圧迫します。
- 株式市場の変動: 株式等関係損益の増加が経常利益を押し上げました。株価や政策保有株式の売却状況が変われば、利益の振れにつながります。
- 物流・エネルギーコスト: 中東情勢による物流停滞やエネルギー・原材料価格の上昇が、取引先の業績や資金需要に影響する可能性があります。
- 地域産業の変化: 愛知県の自動車関連産業やAI関連需要は追い風ですが、産業構造の転換や住宅投資の弱さが地域企業・個人向け融資の需要に及ぼす影響を見極める必要があります。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/7/14)
1,495円
最新終値(2026/10/23)
1,652円+10.5%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#あいちFG#決算#決算分析#四半期決算#銀行業#金利上昇#増益#配当#コンサルティング
この記事はいかがでしたか?
クリックで反応を送信(登録不要)
コメント
今回の増益は、貸出金利息などの資金利益が伸びた点に加え、株式等関係損益と退職給付信託返還益が大きく寄与しています。したがって、純利益の大幅増だけで基礎収益が同じペースで拡大したと判断するのは早計です。
地域企業へのコンサルティング機能を強める買収は、銀行の資金仲介にサービス収益を重ねる方向性として注目できます。今後は買収先の専門知識を顧客支援に生かし、継続的な利益につなげられるかが評価の分かれ目になりそうです。
Googleで業界ダイジェストを優先表示
Google検索の「トップニュース」やAIによる概要で、当サイトの記事が見つけやすくなります。
この記事を引用・シェアする
転載・引用は無料・許可不要(出典明記のみでOK)
https://www.gyokaidigest.com/companies/aichi-financial-group/report/2027-Q1
関連記事
東海の地方銀行の最新記事
掲載企業
株式会社あいちフィナンシャルグループ
東証 7389
これが最新の決算解説です








