大垣共立、2027年3月期第1四半期決算、経常利益45%増で金利収益拡大

大垣共立の2027年3月期第1四半期決算は、経常収益が前年同期比24.8%増、経常利益が45.1%増、純利益が38.7%増となりました。貸出金利息や有価証券利息配当金などの資金運用収益が伸び、預金利息や債券売却損の増加を吸収しました。金利収益の拡大が増益をけん引した一方、通期予想は据え置きで、株式分割と配当計画も発表しています。

決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 427億円 | +24.8% | — | — |
| 営業利益 | 85億円 | +45.1% | 305億円 | 28% |
| 純利益 | 57億円 | +38.7% | 206億円 | 28% |
| 営業利益率 | 19.9% | |||
この決算のポイント
- 1貸出金利息は前年同期比24.7%増、有価証券利息配当金は54.4%増
- 2銀行業のセグメント利益は、前年同期比で増加し、グループ全体の利益をけん引
- 3連結自己資本比率は10.02%で、前年同期の10.01%から小幅に上昇
- 42026年10月に1株を5株に分割予定、2027年3月期の配当予想は変更なし
業績のポイント
大垣共立(大垣共立銀行)の2027年3月期第1四半期は、経常収益が427億30百万円(前年同期比24.8%増)、経常利益が84億87百万円(45.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益が57億20百万円(38.7%増)でした。1株当たり四半期純利益も139円22銭と、前年同期の98円99銭から増加しています。
- 資金運用収益: 貸出金利息や有価証券利息配当金の増加などで、前年同期比58億87百万円増
- 資金調達費用: 預金利息の増加などにより、前年同期比25億70百万円増
- その他業務費用: 国債等債券売却損の増加などで、前年同期比31億64百万円増
収益の伸びを支えたのは、貸出金利息と有価証券利息配当金の増加です。一方、預金金利の上昇に伴う調達費用や債券売却損も膨らみましたが、経常収益の増加が費用の増加を上回り、経常利益を押し上げました。銀行の利ざや改善が続くかに加え、債券運用の損益が今後の焦点です。
セグメント別動向
銀行業が増益をけん引し、信用保証業とその他も前年同期から増収となりました。リース業は収益・利益ともに前年同期を下回っています。
銀行業は、外部顧客向け経常収益が前年同期比37.6%増、セグメント利益が前年同期比35.2%増でした。貸出金利息や有価証券利息配当金の伸びが収益を押し上げましたが、預金利息や債券売却損の増加もあり、金利上昇のプラス効果がそのまま利益に残るわけではありません。
リース業は、外部顧客向け経常収益が前年同期比2.9%減、セグメント利益が前年同期比12.5%減でした。グループ内で銀行業が大きく伸びる一方、リース業は減益となり、事業ごとに業績の差が出ています。
信用保証業は、外部顧客向け経常収益が前年同期比73.3%増、セグメント利益も増加しました。その他にはコンピューター関連、証券、クレジットカード業務などが含まれ、外部顧客向け経常収益は前年同期比23.8%増でした。利益の伸び率を比較すると、信用保証業の改善が目立ちます。
- 銀行業+35.2%
- リース業-12.5%
- 信用保証業+74.1%
- その他+23.2%
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 銀行業 | 302億円 | 71% | 86億円 | 28.3% |
| リース業 | 103億円 | 24% | 3億円 | 3.3% |
| 信用保証業 | 5億円 | 1% | 7億円 | 144.9% |
| その他 | 18億円 | 4% | 1億円 | 7.7% |
財務状況と資本政策
6月末の総資産は前期末比588億円増の6兆7,958億円、純資産は同535億円増の4,180億円でした。連結自己資本比率は10.02%で、前年同期の10.01%から小幅に上昇しています。
| 項目 | 2026年6月末 | 前期末比・前年同期比 |
|---|---|---|
| 総資産 | 6兆7,958億円 | 前期末比 +588億円 |
| 純資産 | 4,180億円 | 前期末比 +535億円 |
| 自己資本比率(連結) | 10.02% | 前年同期比 +0.01ポイント |
| 貸出金(連結) | 4兆5,813億円 | 前期末比 -101億円 |
| 有価証券(連結) | 1兆1,398億円 | 前期末比 +782億円 |
短信に四半期キャッシュ・フロー計算書の記載はなく、現金収支の詳細は確認できません。配当予想は変更しておらず、株式分割を考慮しない場合の年間配当は1株150円です。2026年10月1日を効力発生日として1株を5株に分割する予定で、分割後の期末配当予想は1株15円となります。自社株買いの発表は短信に記載されていません。
自己資本比率は純資産と総資産をもとにした開示値で、銀行法上の自己資本比率とは別の指標です。株式分割後は1株当たり配当額が変わるため、前年との比較では分割を考慮した年間配当の見方が重要になります。
通期見通し
2027年3月期の連結業績予想は、2026年5月15日に公表した内容から変更していません。通期の経常利益は305億円、親会社株主に帰属する当期純利益は206億円を見込みます。
| 指標(百万円) | 前回予想 | 今回予想 | 前期実績(概算) |
|---|---|---|---|
| 上期経常利益 | 13,300 | 13,300 | 約11,176 |
| 上期純利益 | 9,000 | 9,000 | 約7,752 |
| 通期経常利益 | 30,500 | 30,500 | 約22,133 |
| 通期純利益 | 20,600 | 20,600 | 約19,397 |
前期実績は、短信に記載された予想の前年比から逆算した概算です。会社予想では通期経常利益が前期比37.8%増となる一方、純利益の伸びは6.2%増にとどまります。第1四半期は好調な滑り出しですが、通期予想の修正はなく、金利収益の伸びと預金利息・債券損失の増加が続くかを見極める段階です。
リスクと課題
金利上昇は貸出金利息や有価証券利息配当金を増やす一方、預金利息や債券運用の損失も膨らませます。第1四半期の利益成長が続くかは、収益増と費用増のバランスに左右されます。
- 預金金利の上昇: 預金利息などの資金調達費用が増え、貸出金利息の伸びを上回れば利ざやや利益を圧迫します。
- 債券価格の変動: 国債等債券売却損が増えており、金利変動や運用判断によって業務損益が振れる可能性があります。
- 貸出金と預金の動向: 連結貸出金と預金等は前期末から減少しました。資金需要や預金の流出入が変化すれば、収益基盤や資金調達に影響します。
- 有価証券評価の変動: その他有価証券の評価差額は純資産に影響します。市場価格の変化によって、評価損益や自己資本の見え方が変わる可能性があります。
単体の開示債権比率は1.18%で、前年同期の1.27%を下回りました。ただし、銀行業では地域経済や取引先の信用状況も貸倒費用に影響するため、金利環境だけでなく債権の質も継続して確認したいところです。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/8/5)
1,496円
最新終値(2026/10/23)
1,478円-1.2%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#大垣共立#決算#決算分析#四半期決算#銀行業#金利収益#配当#株式分割#経常利益
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コメント
銀行の本業収益が伸び、経常利益の増加率が純利益を上回った点は、金利環境の変化を収益に取り込めていることを示します。一方で預金利息や債券売却損も増えており、金利上昇が一方的に追い風とは言い切れません。
次の注目点は、通期予想を据え置いたまま、上期以降も資金運用収益の伸びを維持できるかです。信用保証業の利益改善も目立ちますが、グループ全体への影響は銀行業の収益力と債券運用の安定性が大きく左右しそうです。
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