コメリ、2027年3月期第2四半期決算、営業利益12.6%増で増収増益

コメリの2027年3月期第2四半期決算は、営業収益が前年同期比3.8%増の2,088億円、営業利益は12.6%増の173億円、純利益は9.2%増の113億円となり、増収増益でした。工具・金物やリフォーム資材、エアコンなどが販売を押し上げ、粗利益の増加が人件費などの上昇を吸収しました。熊本地震の損失や営業キャッシュフローの減少もありましたが、通期予想は据え置き、年間配当は前期比2円増の58円を見込みます。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 2,088億円 | +3.8% | 4,008億円 | 52% |
| 営業利益 | 173億円 | +12.6% | 240億円 | 72% |
| 純利益 | 113億円 | +9.2% | 150億円 | 75% |
| 営業利益率 | 8.3% | |||
この決算のポイント
- 1工具・金物・作業用品の売上高は前年同期比7.6%増、商品部門で最も高い伸び。
- 2住急番サービスの売上高は前年同期比28.6%増、リフォーム関連の需要を取り込む。
- 3PB商品の売上高は前年同期比2.2%増、売上高構成比は48.9%で前年同期を0.8ポイント下回る。
- 4通期予想は営業収益4,008億円、営業利益240億円で据え置き。年間配当予想は58円。
- 5営業活動によるキャッシュフローは前年同期比53.5%減の78億円。自己株式取得に30億円を支出。
業績のポイント
コメリ(コメリ)の2027年3月期中間期は、営業収益が前年同期比3.8%増、営業利益が12.6%増、親会社株主に帰属する中間純利益が9.2%増となりました。営業利益の増加額は19億円で、営業収益の伸びを上回る増益です。
主な背景は次の通りです。
- 商品販売: 工具・金物、リフォーム資材、日用品・家電などが前年同期を上回りました。中東情勢を受けた塗料用シンナーや接着剤の需要、建築資材の価格上昇を見込んだ販売が追い風となりました。
- 季節商品: 2027年のエアコン需要を背景にエアコン販売が増え、春先には紙類や洗剤などのまとめ買いも伸びました。
- 利益率: 売上総利益は前年同期比34億円増となり、販売費及び一般管理費の16億円増を上回りました。人件費や物流費などの上昇が続くなか、増収が営業利益の伸びにつながりました。
- 特別損失: 熊本地震による損失を3億88百万円計上しました。災害損失の増加があったものの、営業利益と純利益はいずれも前年同期を上回りました。
増収を上回る営業増益となり、商品力と販売の伸びがコスト上昇を吸収した形です。一方、営業活動によるキャッシュフローは運転資金の変動などから減少しており、利益の伸びが現金収支にもつながるかは今後の確認点です。
セグメント別動向
決算短信では報告セグメントはホームセンター事業のみとされ、セグメント別利益の開示はありません。商品部門別では、工具・金物・作業用品やリフォーム資材が伸び、園芸・農業用品は農業資材の一部に反動減がありながら増収を確保しました。
| 商品部門 | 売上高(百万円) | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 工具・金物・作業用品 | 36,135 | +7.6% |
| リフォーム資材・エクステリア用品 | 29,561 | +5.4% |
| 園芸・農業用品 | 63,314 | +1.7% |
| 日用品・家電・カー・レジャー用品 | 40,174 | +4.7% |
| インテリア・家庭・オフィス用品 | 16,769 | +2.1% |
| ペット用品・燃料他 | 13,200 | -0.1% |
工具・金物・作業用品は、塗料用シンナーや接着剤の需要拡大に加え、エアコン用配管材が堅調でした。リフォーム資材・エクステリア用品は、価格上昇への懸念から建築資材の販売が好調でした。
売上構成の大きい園芸・農業用品は、出荷用ポリ袋や農業用フィルムの需要が増えた一方、前期に販売が伸びた玄米保冷庫などに反動が出ました。リフォーム事業全体は前年同期比7.9%増、取付・害虫駆除などの住急番サービスは28.6%増で、店舗網を生かしたサービス需要も伸びています。
通期見通し
コメリは2027年3月期の連結業績予想を変更せず、営業収益4,008億円、営業利益240億円、親会社株主に帰属する当期純利益150億円を見込みます。中間期の進捗率は営業収益52.1%、営業利益72.1%、純利益75.4%です。
| 指標 | 前回予想 | 今回予想 | 前期実績 |
|---|---|---|---|
| 営業収益(百万円) | 400,800 | 400,800 | 記載なし |
| 営業利益(百万円) | 24,000 | 24,000 | 記載なし |
| 経常利益(百万円) | 23,900 | 23,900 | 記載なし |
| 当期純利益(百万円) | 15,000 | 15,000 | 記載なし |
会社は今回、直近の予想を修正していません。短信に前期の通期実績は掲載されていないため、表では「記載なし」としています。中間期の利益進捗は売上高より先行していますが、秋冬の天候や消費動向、物流費・人件費の上昇が下期の達成度を左右します。
財務状況と資本政策
9月末の総資産は前期末比77億円増の4,019億円、自己資本比率は65.8%と前期末から0.6ポイント上昇しました。年間配当予想は前期の56円から58円へ増配し、自己株式の取得も実施しています。
| 項目 | 2027年3月期中間期・9月末 | 前年同期・前期末との比較 |
|---|---|---|
| 総資産 | 401,928百万円 | 前期末比 +7,733百万円 |
| 自己資本比率 | 65.8% | 前期末比 +0.6ポイント |
| 営業キャッシュフロー | 7,803百万円 | 前年同期比 -53.5% |
| 投資キャッシュフロー | -8,414百万円 | 支出額は前年同期比 +29.6% |
| 財務キャッシュフロー | 2,078百万円 | 前年同期は9,569百万円の支出 |
| 配当 | 2026年3月期 | 2027年3月期予想 |
|---|---|---|
| 中間配当 | 28円 | 29円 |
| 期末配当 | 28円 | 29円 |
| 年間配当 | 56円 | 58円 |
営業キャッシュフローの減少には、預け金の増加や仕入債務の減少、法人税の支払いが影響しました。投資活動では有形固定資産の取得に加え、投資有価証券の取得もありました。自己株式取得に29億91百万円を投じながら年間増配を予定しており、財務の安定性を保ちつつ株主還元を強める方針がうかがえます。
戦略トピック
コメリは店舗網と物流網を生かした効率化を進めています。中間期末の店舗数は1,234店で、新店は5店、退店も5店でした。うち3店はハード&グリーンからパワーへの業態転換または移転で、単純な店舗数の拡大より、店舗の大型化・機能強化を進めています。
- 物流の省力化: 2026年2月に稼働した新・コメリ関西流通センターのシステムで構内作業や店舗作業の負担を軽減し、既存センターへの展開を進めます。
- プライベートブランド: カー用品の「CRUZARD」やアウトドア用品の「Natural Season」を展開し、PB売上高は前年同期比2.2%増でした。商品入れ替えの影響で売上構成比は48.9%となり、前年同期から0.8ポイント低下しました。
- ネットと店舗の連携: コメリドットコムの注文商品を店舗で受け取るBOPISを推進し、ネット注文の店頭受け取り比率は80%超です。
- 店舗運営のDX: セルフレジは188店、清掃ロボットは49店に導入し、生成AIを使った接客支援ツールは全店で運用を始めました。
- 農業者との協業: JAとの協業は8件、JAの商品を扱う店舗は47店となり、品ぞろえや売場の見直しを進めています。
人手不足や店舗運営コストの上昇を踏まえ、物流・店頭の省力化と専門性の強化を同時に進める取り組みです。PBやリフォーム、農業者向けサービスを伸ばし、価格競争だけに頼らない来店理由を増やせるかが注目されます。
リスクと課題
会社は物価上昇による生活防衛意識の高まりや、店舗運営費の上昇などを経営環境の課題に挙げています。中間期には熊本地震による店舗・商品の被害も発生しており、外部環境の変化が販売や費用に及ぼす影響に注意が必要です。
- 消費者の節約志向: 物価上昇が続けば、生活必需品以外の購入が抑えられ、販売数量や商品構成に影響する可能性があります。
- 人件費・物流費・建設費の上昇: 店舗運営や出店のコストが増え、売上の伸びが費用増を下回れば利益率を押し下げます。
- 資源価格と物流の不確実性: 中東情勢を背景とした資源価格や物流への影響は、商品の仕入れや調達コストに波及するおそれがあります。
- 災害による営業への影響: 熊本地震では一時9店が営業を見合わせ、建物・商品への被害と災害損失が発生しました。復旧の遅れや新たな災害は、営業機会と費用の双方に影響します。
- 営業キャッシュフローの減少: 利益は増えた一方、営業活動による資金獲得額は前年同期を下回りました。運転資金の変動が続く場合、投資や還元に使える資金の動きも注視が必要です。
商品販売の伸びだけでなく、コスト上昇を価格や生産性改善でどこまで吸収できるかが課題です。通期予想は据え置かれており、下期の需要、災害影響、キャッシュフローの回復が業績を判断するポイントとなります。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/27)
3,900円
最新終値(2026/10/27)
3,900円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/27更新
小売業界の今
掲載56社コメリは小売業界の掲載56社中、売上高で34位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +2.4%全業界 +16.1%
- 今期計画 営業利益
- +10.9%全業界 +10.8%
- 予想の上方修正
- 5社下方 1社
- 営業利益率(業界)
- 6.3%
- コメリ+26.0%
- 小売(業界平均)+2.4%
- 全業界+16.1%
- 足元の業績今期第1四半期累計は25社合計で売上高+10.4%・営業利益+18.8%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は15社、下回る企業は8社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは5社、下方修正は1社。修正幅が最も大きいのは4℃HD(営業利益+19.4%)。






タグ#コメリ#決算#決算分析#四半期決算#ホームセンター#増収増益#PB商品#配当#営業キャッシュフロー
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営業利益の伸びが営業収益の伸びを上回り、商品販売の好調がコスト増を吸収した点は評価できます。工具・金物やリフォーム関連、季節家電など複数の商品群に需要の広がりが見られるのも強みです。
一方、営業キャッシュフローは大きく減少し、利益の伸びと資金創出には差が出ました。自己株式取得と増配を続けながら、運転資金の変動を抑えられるかが投資家の確認点です。就職活動中の学生にとっては、店舗・物流の省力化や生成AI導入など、現場の生産性を高める取り組みも注目材料です。
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