カプコン、2027年3月期第2四半期決算、デジタル販売伸長で営業利益54%増

カプコンの2027年3月期第2四半期決算は、売上高が前年同期比49.0%増の1,208億円、営業利益が54.5%増の607億円となり、増収増益でした。新作『プラグマタ』などに加え、『バイオハザード』シリーズを中心とするリピート販売が伸び、販売本数は3,686万本に拡大。通期予想は据え置き、主力ゲームの新作と過去作がそろって成長をけん引しました。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,209億円 | +49.0% | 2,100億円 | 58% |
| 営業利益 | 608億円 | +54.5% | 830億円 | 73% |
| 純利益 | 431億円 | +56.6% | 580億円 | 74% |
| 営業利益率 | 50.3% | |||
この決算のポイント
- 1デジタルコンテンツ事業の売上高は前年同期比70.8%増。新作とリピート販売がともに伸長
- 2ゲーム販売本数は3,686万本で、前年同期の2,385万本から増加。リピートは3,218万本
- 3アミューズメント施設事業は店舗運営と新業態が寄与し、売上高が前年同期比26.2%増
- 4通期予想は売上高2,100億円、営業利益830億円で据え置き。中間配当は前年の20円から23円に増額
業績のポイント
カプコン(株式会社カプコン)の2027年3月期中間期は、売上高が前年同期比49.0%増の1,208億87百万円、営業利益が54.5%増の607億69百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が56.6%増の430億83百万円でした。営業利益率は前年同期の48.5%から50.3%に上昇し、増収を上回る利益の伸びとなりました。
- 売上高の増加額: 前年同期から397億35百万円増加しました。デジタルコンテンツ事業の新作・リピート販売が大きく寄与しています。
- 営業利益の増加額: 前年同期から214億36百万円増加しました。売上拡大に伴い、営業利益も大幅に伸びました。
- 経常利益: 前年同期比67.5%増の612億12百万円でした。前年同期に計上した社会貢献関連費用が大きく減ったことも、前年との比較に影響しています。
中核のデジタルコンテンツ事業では、完全新規IP『プラグマタ』や『鬼武者 Way of the Sword』を投入し、主力シリーズのリピート販売も伸ばしました。新作の販売に加えて、既存タイトルを継続的に販売する収益モデルが業績を押し上げており、世界各地でデジタル販売を強化する方針が数字に表れています。
- 売上高+49.0%
- 営業利益+54.5%
- 経常利益+67.5%
- 純利益+56.6%
セグメント別動向
デジタルコンテンツ事業は、新作とリピート販売の双方が伸び、売上高・営業利益ともに拡大しました。『プラグマタ』は全世界で270万本、『鬼武者 Way of the Sword』は170万本を販売。リピートタイトルでは『バイオハザード レクイエム』が累計800万本を超え、『バイオハザード RE:4』『バイオハザード RE:2』なども販売を伸ばしました。
アミューズメント施設事業は、既存店の堅実な運営や新業態の出店、天候による屋内施設需要が寄与し、売上高は前年同期比26.2%増、営業利益は32.8%増でした。店舗でイベントを実施し、ゲームやキャラクターなど他事業との連携も進めています。
アミューズメント機器事業は、スマートパチスロの新機種が販売を支え、売上高は前年同期比8.9%増、営業利益は2.2%増でした。『バイオハザード RE:3』『ストリートファイター6』に加え、9月には『モンスターハンターライズ:サンブレイク』を出荷しました。
- その他事業: Netflixアニメ『Devil May Cry』のシーズン2配信などを展開しましたが、売上高は前年同期比4.7%減、営業利益は5.1%減でした。
主力のデジタルコンテンツ事業が全社の成長を引っ張る構図です。一方、施設と機器も増収増益となり、ゲームIPを店舗や遊技機、映像、eスポーツへ広げる取り組みが収益機会を補っています。
- デジタル+66.7%
- 施設+32.8%
- 機器+2.2%
- その他-5.1%
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| デジタルコンテンツ事業 | 851億円 | 70% | 523億円 | 61.4% |
| アミューズメント施設事業 | 157億円 | 13% | 27億円 | 17.1% |
| アミューズメント機器事業 | 165億円 | 14% | 93億円 | 56.0% |
| その他 | 35億円 | 3% | 20億円 | 56.7% |
財務状況と資本政策
中間期末の総資産は前期末比260億91百万円増の3,653億99百万円、自己資本比率は78.8%から81.8%へ上昇しました。営業キャッシュ・フローは前年同期の45億25百万円から367億69百万円に増えています。
| 項目 | 2027年3月期中間期 | 前年同期・前期末との比較 |
|---|---|---|
| 総資産(百万円) | 365,399 | 前期末比 +26,091 |
| 自己資本比率 | 81.8% | 前期末比 +3.0ポイント |
| 営業キャッシュ・フロー(百万円) | 36,769 | 前年同期は4,525 |
| 投資キャッシュ・フロー(百万円) | 8,484 | 前年同期は-35,061 |
| 財務キャッシュ・フロー(百万円) | -11,450 | 配当金支払などを反映 |
中間配当は1株23円で、前年同期の20円から3円増えました。通期の年間配当予想は46円で、前期実績の45円を1円上回ります。自己株式の取得による支出は中間期のキャッシュ・フロー上ほぼゼロで、新たな大規模な自社株買いは示されていません。
現金及び現金同等物は中間期末に1,357億23百万円となり、前年同期末の1,037億26百万円を上回りました。投資活動によるキャッシュ・フローがプラスに転じた一方、投資有価証券の取得や固定資産の取得も続けています。財務の余力を保ちながら、開発環境や人材への投資と株主還元を並行する姿勢がうかがえます。
通期見通し
カプコンは2027年3月期の連結業績予想を据え置きました。中間期までの好調な進捗を受けても、5月13日に公表した予想を変更していません。
| 項目 | 前回予想 | 今回予想 | 前期実績 |
|---|---|---|---|
| 売上高(百万円) | 5月公表値から変更なし | 210,000 | 抜粋に数値記載なし |
| 営業利益(百万円) | 5月公表値から変更なし | 83,000 | 抜粋に数値記載なし |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) | 5月公表値から変更なし | 58,000 | 抜粋に数値記載なし |
今回予想は売上高が前期比7.5%増、営業利益が10.2%増、純利益が6.3%増です。中間期の売上高は通期計画の約57.6%、営業利益は約73.2%に達していますが、会社は予想を修正せず、下期の販売や開発スケジュールなどを踏まえて慎重に見極める構えです。会社は、実際の業績がさまざまな要因で予想と異なる可能性があるとも説明しています。
研究開発・成長投資
カプコンは、デジタル販売の強化に加え、AIの活用、自社開発エンジンなどの最先端技術の研究開発、開発環境の整備を進めています。これらの成長投資について、短信では個別の投資額を示していません。
- 開発力の強化: 自社開発エンジンや開発環境への投資を進め、継続的なタイトル投入を支える基盤を整えます。
- 人材の確保と育成: 将来の成長を支える人材を確保・育成し、従業員が力を発揮できる職場環境の再整備を続けます。
- IPの多面的な活用: ゲームを起点に、映像、eスポーツ、キャラクター商品、店舗などへ展開し、ブランド認知とユーザー層の拡大を狙います。
ゲームは開発に時間と人材を要するため、現在の利益成長だけでなく、次の有力タイトルを継続して生み出せるかが中長期の競争力を左右します。『モンスターハンターワイルズ』の大型拡張コンテンツやNintendo Switch 2向け展開の発表も、既存IPを長く活用する戦略の一環です。
リスクと課題
中間期は主力タイトルの販売が好調でしたが、ゲーム事業はタイトルごとの販売動向や発売時期に業績が左右されます。会社も、業績予想は一定の前提に基づくもので、実績が大きく異なる可能性があるとしています。
- タイトル販売の変動: 新作の評価や販売本数、リピート販売の持続性が想定を下回れば、売上高や利益の伸びが鈍る可能性があります。
- 開発・発売スケジュール: 大型タイトルの開発遅延や発売時期の変更は、売上計上の時期や通期計画に影響します。
- 海外市場と為替: 世界各地での販売を広げるほど、各地域の市場環境や為替変動が業績に影響します。中間期には為替換算調整勘定が減少しました。
- 消費行動の変化: アミューズメント施設では利用者の消費行動や天候が来店需要に影響し、店舗運営の収益を左右します。
リピート販売による収益基盤は強みですが、新作の継続的な投入と既存IPの魅力維持が欠かせません。通期予想が据え置かれたため、下期の販売動向とタイトル展開が計画達成の焦点になります。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/27)
4,380円
最新終値(2026/10/27)
4,380円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/27更新
エンターテインメント業界の今
掲載26社カプコンはエンターテインメント業界の掲載26社中、売上高で15位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +0.4%全業界 +16.1%
- 今期計画 営業利益
- −3.5%全業界 +10.8%
- 予想の上方修正
- 3社下方 2社
- 営業利益率(業界)
- 13.5%
- カプコン+1.1%
- エンターテインメント(業界平均)+0.4%
- 全業界+16.1%
- 足元の業績今期第1四半期累計は14社合計で売上高+10.0%・営業利益+9.5%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は7社、下回る企業は4社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは3社、下方修正は2社。修正幅が最も大きいのは円谷フィールズ(営業利益+18.4%)。






タグ#カプコン#決算#決算分析#四半期決算#増収増益#デジタルコンテンツ#ゲーム販売#配当
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主力IPの新作だけでなく、過去作の値付けや継続販売でも利益を伸ばしている点が、カプコンの収益モデルの強さです。ゲームを発売して終わりにせず、長期にわたって販売し、映像や店舗へ展開する力が数字に結び付いています。
一方で、中間期の好調さだけで通期上方修正を期待するのは早計です。会社が予想を据え置いた背景を踏まえ、下期の新作・リピート販売の持続性と、開発投資が次のヒットにつながるかを見たい決算です。
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掲載企業

株式会社カプコン
東証 9697
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- 2026年3月期 通期
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