
コナミ、2027年3月期第1四半期決算、売上高33.6%増で四半期過去最高益を更新
売上高
1,295億円
+33.6%
通期予想
5,050億円
営業利益
453億円
+63.3%
通期予想
1,430億円
純利益
326億円
+64.2%
通期予想
1,010億円
営業利益率
35.0%
コナミ(コナミグループ)が発表した2027年3月期第1四半期決算は、売上高1,295億24百万円(前年同期比33.6%増)、全利益項目で第1四半期の過去最高を更新し、親会社株主帰属四半期利益が64.2%増と急拡大した。デジタルエンタテインメント事業の主力コンテンツが好調で、モバイル・家庭用ゲームが牽引。通期予想は据え置かれたが、第1四半期の進捗率はすでに32%を超え、さらなる上振れも視野に入る。
業績のポイント
コナミ(コナミグループ)の2027年3月期第1四半期(2026年4~6月)決算は、売上高1,295億24百万円(前年同期比33.6%増)、事業利益446億99百万円(同61.7%増)、営業利益452億85百万円(同63.3%増)、税引前四半期利益464億53百万円(同66.6%増)、親会社株主に帰属する四半期利益325億74百万円(同64.2%増) となり、すべての利益段階で第1四半期としての過去最高を塗り替えた。売上高の増収率は2024年3月期以降で最も高く、収益拡大の勢いが鮮明である。
好業績の主因は、全売上高の約77%を占めるデジタルエンタテインメント事業。家庭用ゲーム「パワフルプロ野球2026-2027」やNintendo Switch 2向け「eFootball™ Kick-Off!」の新作発売、モバイルゲームの継続的な施策、カードゲームの好調が重なり、売上高は1,000億83百万円(同36.5%増)、事業利益は438億70百万円(同57.4%増) に達した。
営業利益率は前年同期の28.6%から35.0%へ急上昇。販管費率は19.7%と前年同期(21.0%)から改善し、高収益体質を一段と強めた。海外売上高比率は日本が全体の80%を占める構図だが、北米・アジアで前年同期比増収を確保している。
第1四半期ながら通期予想に対する進捗率は売上高で25.6%、営業利益で31.6%、純利益で32.3%と高く、例年の季節性を考慮しても通期予想に上方修正余地が意識されやすい水準。
業績推移(通期)
セグメント別動向
デジタルエンタテインメント事業 は、売上高1,000億83百万円(前年同期比36.5%増)、事業利益438億70百万円(同57.4%増)。新作ゲーム販売とモバイルゲームのライブサービス収入が拡大し、同事業だけで全社事業利益の98%を稼ぎ出した。「eFootball™」は世界累計10億ダウンロードを突破し、サッカー国際大会連動キャンペーンで収益を押し上げ。「プロ野球スピリッツA」「遊戯王 マスターデュエル」など既存タイトルもコラボ施策が奏功した。カードゲームは新商品投入とeスポーツ大会効果で堅調。事業利益率は43.8%と極めて高い。
アーケードゲーム事業 は、売上高43億12百万円(同8.3%増)、事業利益9億29百万円(同58.9%増)。「pop'n music High☆Cheers!!」の稼働好調や「鬼滅の刃 日輪バトルスラッシュ」発表による期待感が収益を押し上げた。プライズ・オンラインくじも好評で、ビデオゲーム・メダルゲームとも底堅い。
ゲーミング&システム事業 は、売上高123億88百万円(同64.9%増)、事業利益8億27百万円(前年同期は1億66百万円の損失)と黒字転換。スロットマシン「Solstice 49C™」の販売増と「BOMBERMAN™」シリーズの高稼働が寄与。カジノマネジメントシステム「SYNKROS®」もクルーズ船などへの導入が進み、IR関連の許認可申請も注目点。
スポーツ事業 は、売上高127億12百万円(同5.2%増)、事業利益7億64百万円(同79.4%増)。「Pilates Mirror」が100店舗を突破し、受託事業や学校水泳授業の拡大も寄与。営業利益率は6.0%と低いが、利益率は前年同期の3.5%から改善。
全セグメントの売上高・事業利益の対比は以下の通り。
| セグメント | 売上高(百万円) | 前年同期比 | 事業利益(百万円) | 利益率 | 全社売上比 |
|---|---|---|---|---|---|
| デジタルエンタテインメント | 100,083 | +36.5% | 43,870 | 43.8% | 77.3% |
| アーケードゲーム | 4,312 | +8.3% | 929 | 21.5% | 3.3% |
| ゲーミング&システム | 12,388 | +64.9% | 827 | 6.7% | 9.6% |
| スポーツ | 12,712 | +5.2% | 764 | 6.0% | 9.8% |
| その他 | 678 | +18.5% | 27 | 4.0% | 0.5% |
(注:売上高はセグメント間取引含む、全社売上比は外部顧客売上高全体に対する比率)
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| デジタルエンタテインメント事業 | 1,001億円 | 77% | 439億円 | 43.8% |
| アーケードゲーム事業 | 43億円 | 3% | 9億円 | 21.5% |
| ゲーミング&システム事業 | 124億円 | 10% | 8億円 | 6.7% |
| スポーツ事業 | 127億円 | 10% | 8億円 | 6.0% |
| その他 | 7億円 | 1% | 27百万円 | 4.0% |
財務状況と資本政策
2026年6月末の総資産は7,517億72百万円と前期末比30億円増。現金及び現金同等物は3,161億12百万円(前期末比114億円減)だが、手元流動性は潤沢。有利子負債は社債・借入金合計で399億42百万円と少なく、実質無借金に近い。親会社所有者帰属持分比率は77.1%(前期末75.4%)と財務安全性は極めて高い。
キャッシュ・フローは、営業CFが163億43百万円(前年同期比55.4%増)と大幅に拡大。投資CFは83億82百万円の支出で、主に開発関連の資本的支出。財務CFは配当金支払いなどで203億56百万円の支出。
配当は前期の年間221.50円から、今期予想は年224.00円(中間112円、期末112円)と増配を計画。配当性向は約30%と安定配当継続の意向を示す。自社株買いは当期の動きはなく、大きな資本政策の変更はないが、株主還元強化の余地は残る。
リスクと課題
会社が認識する主なリスク・不確実要因は以下の通り。
- 外部環境リスク:世界的な物価上昇、中東情勢の緊迫、金融資本市場の変動、米国の通商政策などが事業環境に影響を与える可能性。為替変動(特にドル・ユーロ)も業績の変動要因。
- 事業競争リスク:デジタルエンタテインメント市場はデバイスの高性能化や次世代通信の普及で競争が激化。ゲーミング市場では競合他社が新製品を相次ぎ投入しており、商品力の維持が不可欠。
- スポーツ事業の環境変化:物価やエネルギーコスト上昇が収益を圧迫するリスク。
- 新規事業の立ち上げ:IR(統合型リゾート)関連やiGaming分野は規制・許認可の不確実性が高い。
ただし、当第1四半期の好業績は主力コンテンツの強さを示しており、短期的なリスクは限定的。重点は、豊富な手元資金を活かした成長投資と、eスポーツやIRなど新領域での収益化が課題となる。
通期見通し
2027年3月期通期の業績予想は、売上高5,050億円(前期比2.3%増)、事業利益1,500億円、営業利益1,430億円(同5.2%増)、親会社株主帰属当期利益1,010億円(同1.0%増) で、前回予想から据え置かれた。第1四半期の進捗率が既に25~32%と高いため、通期予想は保守的との見方が強い。特にデジタルエンタテインメント事業では、今後「METAL GEAR SOLID: MASTER COLLECTION Vol.2」や「SILENT HILL: Townfall」などの大型タイトル発売が予定され、収益の上振れが期待される。
通期予想と前期実績の比較は以下の通り。
| 項目 | 2026年3月期 実績 | 2027年3月期 予想 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 493,800百万円 | 505,000百万円 | +2.3% |
| 営業利益 | 136,000百万円 | 143,000百万円 | +5.2% |
| 親会社株主帰属当期利益 | 100,000百万円(概算) | 101,000百万円 | +1.0% |
(注:前期実績は決算短信の公表値に基づく)
アーケードゲーム事業では「鬼滅の刃 日輪バトルスラッシュ」稼働開始、ゲーミング&システム事業ではIRに向けた動きが注目されるが、予想に織り込み済みか。
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コナミの第1四半期は、デジタルエンタテインメント事業の収益力が突出しており、営業利益率35%はゲーム業界でもトップクラス。「eFootball」などライブサービス型収益の比重増が高収益の背景にある。
ゲーミング&システム事業は黒字化したものの利益率6.7%と依然低く、IR関連やiGamingの展開が今後の収益貢献に繋がるかが焦点。
スポーツ事業は店舗数拡大で増収基調だが、利益率は高くなく、構造改革の余地がある。
通期予想は第1四半期の実績からすると保守的に映り、例年下期に大型タイトルを控えるため、上方修正の可能性は高い。配当利回りは2%台半ばと割高感はないが、自社株買いなどの積極還元があればさらに評価が高まるだろう。
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