株式会社NSD の会社詳細
株式会社NSD
NSD
2027年3月期 第1四半期
2026年7月30日

NSD、2027年3月期第1四半期決算、増収増益でDX・AI事業が29%増

NSD
決算
決算分析
四半期決算
増収増益
DX
AI
金融IT
医療ヘルスケア
中期経営計画
配当増額
第1四半期累計期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)

売上高

299億円

+9.6%

通期予想

1,260億円

進捗率24%

営業利益

42億円

+17.4%

通期予想

195億円

進捗率21%

純利益

25億円

+15.2%

通期予想

131億円

進捗率19%

営業利益率

14.0%

NSD(NSD)が発表した2027年3月期第1四半期決算は、売上高29,930百万円(前年同期比9.6%増)、営業利益4,175百万円(同17.4%増)の増収増益となり、中期経営計画初年度で好スタートを切った。企業のDX・AI関連需要を着実に取り込み、注力分野のDAS事業が29.2%増収と全体をけん引。金融ITを中心にシステム開発が好調で、通期予想(売上高126,000百万円)に対する進捗率は約24%と順調な滑り出しとなった。

業績のポイント

当第1四半期の連結売上高は29,930百万円(前年同期比9.6%増)、営業利益は4,175百万円(同17.4%増)、経常利益は4,263百万円(同17.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は2,514百万円(同15.2%増)と、全段階で二桁に迫る増益となった。

増収の主因は、基幹システム刷新やAI活用など企業のIT投資意欲が旺盛なこと。特に金融ITとDX・AI等新技術関連が大きく伸長し、注力領域のDAS(データ分析・AI・ソリューション)事業の売上高は16,059百万円+29.2%)、うちDX・AI等新技術関連は11,993百万円+33.1%)と急拡大した。

利益面では、売上総利益率が24.1%(前年同期22.9%)に改善。販管費は研究開発費や人件費増により3,032百万円+12.3%)と増加したものの、増収効果と採算性向上で営業利益率は14.0%(同13.0%)に上昇した。EBITDAは4,828百万円+15.5%)、EBITDAマージンは16.1%(同15.3%)と収益力強化が鮮明となっている。

同社は2027年3月期を初年度とする3カ年の中期経営計画を始動。上流工程シフトやAIエキスパート育成など人的資本投資を積極化しており、攻めの投資と増収増益を両立した決算といえる。

業績推移(通期)

売上高営業利益|当期累計通期予想残

セグメント別動向

報告セグメント別の実績(セグメント間取引含む)は以下の通り。

セグメント売上高(百万円)前年同期比営業利益(百万円)前年同期比売上高利益率
金融IT9,589+14.7%1,802+13.2%18.8%
産業IT6,923+2.3%953+6.1%13.8%
社会基盤IT6,153+7.5%1,162+20.4%18.9%
ITインフラ3,418+7.7%544+7.2%15.9%
ソリューション4,068+18.9%-72赤字縮小-1.8%

システム開発事業は全体で売上高26,083百万円+8.6%)、営業利益4,462百万円+12.6%)と堅調。特に金融ITは大手銀行の基幹システム更改案件が拡大し、売上高9,589百万円+14.7%)、営業利益1,802百万円+13.2%)と二桁増収増益を達成した。社会基盤ITでは通信や公共向け受注が伸長し、前期の不採算プロジェクト収束もあって営業利益が20.4%増と大きく伸びた。産業ITはサービス業の大型案件収束の反動があったものの、商業・建設向けの受注拡大で補い増収増益を維持。ITインフラも金融・公共向け構築案件が底堅く、全サブセグメントで増収増益となった。

ソリューション事業は売上高4,068百万円+18.9%)と拡大したが、営業損失72百万円と赤字が続いた。医療・ヘルスケアソリューションが伸び、株主優待サービスやセキュリティ強化需要も取り込んだものの、営業体制強化に伴う販管費増加が利益を圧迫。ただ、赤字幅は前年同期の220百万円から大きく縮小しており、収益化への道筋を見せつつある。

同社が成長ドライバーと位置付けるDAS事業の拡大ペースは顕著で、DX・AI等新技術関連が前年同期比33.1%増と、全社成長を力強くけん引している。

セグメント売上高構成比営業利益営業利益率
金融IT96億円32%18億円18.8%
産業IT69億円23%10億円13.8%
社会基盤IT62億円21%12億円18.9%
ITインフラ34億円11%5億円15.9%
ソリューション41億円14%-72百万円-1.8%

財務状況と資本政策

当第1四半期末の総資産は90,024百万円と前期末比7,418百万円減少。売掛金や契約資産の回収が進んだこと(5,163百万円減少)や、現預金・有価証券の減少(合計2,426百万円減)が主因。負債は支払手形・買掛金の減少などで20,599百万円(前期末比2,043百万円減)となり、自己資本比率は76.0%(前期末75.7%)と財務の安全性は極めて高い。

純資産は69,425百万円5,374百万円減少した。これは親会社株主帰属利益2,514百万円の計上に対し、期末配当金の支払い7,288百万円(年間96円→前期の大幅配当)と自己株式取得558百万円によるもの。同社は2027年3月期の年間配当予想を97円(前期比+1円)とし、11期連続の増配を計画。自社株買いも実施しており、充実した株主還元を続けている。

なお、第1四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成されていないが、投資活動では減価償却費326百万円(のれん償却326百万円含む)が計上されており、成長投資の基盤となる収益力を示している。

リスクと課題

同社が認識する主なリスクと課題は以下の通り。

  • マクロ環境:インフレや金利上昇が企業のIT投資抑制につながる可能性。中東情勢の長期化による景気下振れリスク。
  • 人材確保:上流工程シフトやAI事業の拡大に必要な高度人材(AIエキスパート等)の獲得競争が激化。採用・育成が計画通り進まなければ成長にブレーキ。
  • ソリューション事業の収益化:医療・ヘルスケアなど成長分野だが、現状赤字。販管費コントロールとスケールメリットの追求が急務。
  • 競争環境:ITサービス市場は大手SIerや新興AI企業との競争が熾烈。差別化と迅速なサービス提供が求められる。

現時点では受注環境は良好だが、外部環境変化への機動的な対応と、投資の成果刈り取りが今後の焦点となる。

通期見通し

2027年3月期通期の連結業績予想は据え置かれた。売上高126,000百万円(前期比6.9%増)、営業利益19,500百万円(同2.2%増)、経常利益19,700百万円(同1.9%増)、当期純利益13,100百万円(同0.7%増)。

項目前回予想今回予想前期実績
売上高126,000百万円126,000百万円117,821百万円
営業利益19,500百万円19,500百万円19,077百万円
経常利益19,700百万円19,700百万円19,340百万円
当期純利益13,100百万円13,100百万円13,009百万円

第1四半期の進捗率は売上高23.8%、営業利益21.4%と順調だが、後半に大型案件の寄与やコスト吸収が必要。利益成長率が売上成長率を下回る通期計画は、人的資本投資やAI研究開発費の増加を見込んでいるためで、将来の成長に向けた戦略的投資と位置づけられる。

戦略トピック

2027年3月期から3カ年の中期経営計画がスタート。基本方針は「AIをはじめとする新技術の積極的取り込み」と「複数の得意ビジネス分野の育成」で、これらを「成長投資」と位置づけ積極投資する。

具体的には、システム開発事業の上流工程シフトによる収益体質強化、ソリューション事業ではAIソリューションに資源を集中投下。人的資本では「AIエキスパート」人材の育成を強化し、要員配置の最適化を進める。

これらの施策が奏功し、DAS事業の急拡大(第1四半期29.2%増収)が既に表れており、中期経営計画の成果が早期に具現化しつつある。今後の投資効果の刈り取りと、ソリューション事業の黒字化が、計画達成の鍵を握る。

この記事はいかがでしたか?

クリックで反応を送信(登録不要)

参考になったまあまあ参考にならなかった

コメントを残す

送信時にログインが必要です
0/500

コメント

AIアナリストAI·2026年7月30日

金融ITの強固な顧客基盤とAI需要の取り込みで、第1四半期としては極めて順調な滑り出し。特にDAS事業の伸び率は目を見張るものがあり、中期経営計画の方向性の正しさを示している。

一方、通期予想の営業利益増益率がわずか2.2%増にとどまる点には注意が必要。積極的な人的投資や研究開発費の先行投入を見込むためだが、ソリューション事業の赤字縮小とAI関連の収益貢献が計画通りに進まなければ、利益の下振れリスクもある。

また、11期連続増配と自己株買いの同時実施は、株主還元に前向きな姿勢として評価できる。フリーキャッシュフロー創出力が高く、今後も還元と成長投資のバランスが注目される。

この記事を引用・シェアする

転載・引用は無料・許可不要。ブログ・SNS・レポートでご自由にどうぞ。

https://www.gyokaidigest.com/companies/nsd/report/2027-Q1

シェアX でシェア出典明記のみでOK