丸三証券、2027年3月期第2四半期決算、営業利益89%増で投信収益拡大

丸三証券の2027年3月期第2四半期決算を分析すると、営業収益は前年同期比25.0%増の119億91百万円、営業利益は88.7%増の32億1百万円となり、増収増益でした。投資信託の募集手数料や信託報酬、株式委託手数料が伸び、株式市場の活況を収益に取り込みました。一方、中間純利益の伸びは24.1%にとどまり、通期予想は市場変動が大きいとして開示していません。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 |
|---|---|---|
| 売上高金融費用控除後 120億円+25.1% | 120億円 | +25.0% |
| 営業利益 | 32億円 | +88.7% |
| 純利益 | 29億円 | +24.1% |
| 営業利益率 | 26.7% |
この決算のポイント
- 1投資信託の募集手数料は28.8%増、信託報酬は24.9%増と、残高収入も拡大
- 2株式受入手数料は16.8%増、新規上場企業では主幹事1社、平幹事4社を引き受け
- 3中間配当は1株36円で前年同期から4円増、うち特別配当15円を継続
- 4自己資本比率は前期末の58.0%から48.4%に低下、自己資本規制比率は530.1%
業績のポイント
丸三証券(丸三証券株式会社)の2027年3月期中間期は、営業収益が前年同期比25.0%増の119億91百万円、営業利益が88.7%増の32億1百万円、中間純利益が24.1%増の28億55百万円でした。営業利益の増加幅は15億5百万円で、受入手数料の伸びが業績を押し上げました。
- 受入手数料: 116億76百万円と前年同期比23.8%増。株式や投資信託の手数料が伸びました。
- 販売費・一般管理費: 87億74百万円と11.4%増。人件費や不動産関係費などが増えました。
- 経常利益: 35億44百万円と77.6%増。営業利益と同様、手数料収入の拡大が寄与しました。
- 中間純利益: 28億55百万円と24.1%増。前年同期にあった特別利益が減り、税負担も増えたため、経常利益ほどの伸びにはなりませんでした。
背景には、日経平均株価が中間期中に大きく上昇した一方、原油高や長期金利上昇で相場が不安定になる局面もあった市場環境があります。丸三証券は成長が期待される半導体、データセンター関連などの情報提供に力を入れ、相場急変時の顧客フォローにも取り組みました。市場活況を手数料収入と残高収入の双方に結び付けた決算です。
セグメント別動向
決算短信では報告セグメント別の損益を開示していないため、ここでは手数料の商品別内訳と各事業の取り組みを整理します。株式と投資信託の手数料が伸び、債券も増収でした。
株式部門は、株式受入手数料が35億40百万円と前年同期比16.8%増でした。半導体関連やデータセンター向け光ケーブル・電子部品、工場自動化・ロボット関連銘柄などの選別と情報提供に注力し、株式市場の上昇を取引手数料につなげました。新規上場企業の引受業務では主幹事1社、平幹事4社を担当しました。
投資信託・ファンドラップ部門は、受益証券の受入手数料が80億5百万円と27.2%増でした。募集手数料は29億62百万円で28.8%増、信託報酬は48億98百万円で24.9%増となり、販売時の収入と保有残高に連動する収入の両方が拡大しました。株式投資信託残高は1兆3,398億円と14.5%増です。
債券部門は、債券受入手数料が64百万円と14.7%増でした。社債の引受額が増え、募集取扱高を押し上げました。ファンドラップはサービス開始から1年を経て契約残高が積み上がり始めており、売買手数料に偏らない収益源の育成が進んでいます。
財務状況と資本政策
中間期末の総資産は1,136億83百万円となり、前期末から252億7百万円増加しました。自己資本比率は低下した一方、自己資本の額は増えています。
| 指標 | 2026年9月末 | 前期末・前年同期 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 総資産(百万円) | 113,683 | 88,476 | +25,207 |
| 純資産(百万円) | 55,105 | 51,444 | +3,661 |
| 自己資本比率 | 48.4% | 58.0% | -9.6ポイント |
| 自己資本規制比率 | 530.1% | 576.9% | -46.8ポイント |
現金・預金は前期末から215億10百万円増加し、投資有価証券も46億31百万円増加しました。負債の増加には、顧客などからの預り金の増加が大きく影響しています。中間財務諸表にキャッシュフロー計算書の記載はなく、営業・投資・財務活動別の資金収支は確認できません。
中間配当は1株36円で、前年同期の32円から4円増えました。内訳は普通配当21円、特別配当15円で、期末の普通配当は未定、特別配当は15円を予定しています。通期配当額はまだ確定しておらず、自社株買いの実施も短信には記載がありません。自己資本比率の低下は、資産の増加に伴い預り金などの負債も増えたことが主な背景です。
リスクと課題
丸三証券は証券市場の変動を受けやすく、政治・経済情勢や金利、企業業績、為替などが収益を左右します。会社は予想と実績の大きな乖離を避けるため、通期業績予想を開示していません。
- 市場変動リスク: 株式相場の下落や取引の縮小は、株式委託手数料や投資信託の募集手数料に影響します。
- 金利・物価リスク: 原油高や長期金利の上昇が続けば、投資家心理や債券市場、保有資産の評価に影響する可能性があります。
- 収益構造の変化: ファンドラップなど残高連動型収入の拡大を進めていますが、契約残高の積み上げが想定どおり進まなければ、売買手数料への依存が残ります。
- 資本指標の変化: 自己資本比率と自己資本規制比率は前期末から低下しました。市場変動による資産評価やリスク相当額の変化を継続して確認する必要があります。
中間期の利益は大きく伸びたものの、証券会社の収益は相場環境に左右されます。特に、投資信託の残高拡大が、相場の上下に左右されにくい継続収入の積み上げにつながるかが今後の課題です。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/29)
1,151円
最新終値(2026/10/29)
1,151円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/29更新
丸三証券をライバルと比較
年収・業績・株価を並べて証券業界の今
掲載13社丸三証券は証券業界の掲載13社中、売上高で10位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +21.6%全業界 +16.0%
- 予想の上方修正
- 1社下方 0社
- 営業利益率(業界)
- 13.8%
- 丸三証券+23.9%
- 証券(業界平均)+21.6%
- 全業界+16.0%
- 予想修正今期予想を上方修正したのは1社、下方修正は0社。修正幅が最も大きいのは日本取引所(営業利益+34.3%)。
- 会社計画2027年度の会社計画(2社合計)は営業利益+29.6%。営業利益の伸びは全業界の計画(+11.7%)を上回る。




タグ#丸三証券#決算#決算分析#四半期決算#投資信託#証券会社#ファンドラップ#株式市場#中間配当
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今回の決算で注目したいのは、株式相場の活況だけでなく、投資信託の信託報酬が増え、保有残高に応じた収益も伸びている点です。ファンドラップの契約残高が育てば、相場の売買活発さに頼りすぎない収益構造に近づきます。
一方、営業利益の大幅増に比べ、中間純利益の伸びは抑えられました。前年同期の特別利益の反動などがあり、利益の質を見るうえでは、手数料収入の成長が続くか、特別損益を除いた収益力が維持できるかを追いたいところです。
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