エクセディ、2027年3月期第2四半期決算、増収も営業減益で通期予想を据え置き

エクセディの2027年3月期第2四半期決算を分析すると、売上収益は前年同期比0.4%増の1,487億円と小幅な増収でしたが、営業利益は98億円と8.6%減、親会社の所有者に帰属する中間利益は48億円と23.2%減でした。円安や新製品の販売が売上を支えた一方、新事業の研究開発費や補修市場向け在庫の積み増しが利益を圧迫し、通期予想は据え置かれました。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,488億円 | +0.4% | 3,050億円 | 49% |
| 営業利益 | 99億円 | -8.6% | 245億円 | 40% |
| 純利益 | 48億円 | -23.2% | 140億円 | 34% |
| 営業利益率 | 6.6% | |||
この決算のポイント
- 1MT事業はアジア・オセアニアの売上増が寄与し、セグメント利益は前年同期比で増加
- 2AT事業は中国の受注減が売上の重荷となる一方、銅価格上昇分の販売価格への転嫁で利益は増加
- 3中間配当は1株175円と前年同期の150円から増額、年間配当予想も350円に引き上げ
- 4総資産は前期末比97億円増の3,298億円、親会社所有者帰属持分比率は56.7%に低下
- 5通期の営業利益予想は245億円で、前期比10.2%増の計画を維持
業績のポイント
エクセディ(株式会社エクセディ)の2027年3月期中間期は、売上収益が前年同期比0.4%増の1,487億7,000万円となる一方、営業利益は8.6%減の98億7,700万円、親会社の所有者に帰属する中間利益は23.2%減の48億2,100万円でした。増収でも研究開発費と在庫負担で減益となり、売上の伸びが利益に結び付きにくい状況です。
- 売上を支えた要因: 前年同期に比べ円安で推移したことによる為替換算の影響に加え、日本の新事業製品やアジアの二輪車製品の販売が増加しました。
- 営業利益の押し下げ要因: 新事業に関する研究開発費が増えたほか、海外販売拠点で補修市場向け製品を拡販するため在庫を積み増し、未実現利益の増加が響きました。
- 営業利益より純利益の減少が大きい背景: 投資運用益による金融収益は増えましたが、持分法による投資損失や為替差損に伴う金融費用の増加などが利益を押し下げました。
売上収益は前年同期から6億2,100万円増えましたが、営業利益は9億3,500万円減りました。会社は2026年4月に公表した通期予想を変更しておらず、下期に研究開発や在庫積み増しの負担を吸収し、利益計画を達成できるかが焦点です。
セグメント別動向
セグメントでは、MTがアジア・オセアニアの伸びで増益となった一方、ATは中国の受注減が売上を押し下げました。TSは売上減でも製品構成の変化で増益となり、その他事業は新事業の研究開発費がかさみ赤字が続きました。
- MT(手動変速装置関連)は、オセアニア・アジア地域の売上増などを背景に増収増益でした。一方、海外販売拠点で補修市場向け製品の在庫を積み増したことは、未実現利益の増加要因となりました。
- AT(自動変速装置関連)は、中国での受注減少を主因に減収でした。ただし、銅価格上昇分を販売価格に転嫁したことなどから、セグメント利益は前年同期を上回りました。
- TS(産業機械用駆動伝動装置)は減収でしたが、販売構成の変化などで増益となりました。売上規模だけでなく、製品構成が採算を左右した形です。
- その他はインドネシアなどで二輪車向け製品が伸びて増収となったものの、新事業の研究開発費増加によりセグメント損失が続きました。
事業ごとに明暗が分かれた点が今回の特徴です。ATは中国需要の回復が、その他事業は研究開発投資を将来の売上や利益に結び付けられるかが、今後の確認材料になります。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| MT(手動変速装置関連) | - | - | - | - |
| AT(自動変速装置関連) | - | - | - | - |
| TS(産業機械用駆動伝動装置) | - | - | - | - |
| その他 | - | - | - | - |
財務状況と資本政策
9月末の総資産は前期末比97億円増の3,298億300万円でした。親会社所有者帰属持分比率は56.7%と前期末の60.2%から低下し、会社は現金及び現金同等物の増加などを説明しています。
| 項目 | 2026年9月末・中間期 | 前期末・前年実績 | 増減・前年差 |
|---|---|---|---|
| 総資産 | 3,298億300万円 | 3,201億300万円 | +97億円 |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 56.7% | 60.2% | -3.5ポイント |
| 中間配当(1株) | 175円 | 150円 | +25円 |
| 年間配当予想(1株) | 350円 | 300円 | +50円 |
配当は中間・期末それぞれ175円の予想で、年間では前期実績から50円増える計画です。また、自己株式の取得も実施され、期末の自己株式数は前期末より891,694株増えました。資本合計が前期末から減少した背景には自己株式取得や配当があり、株主還元を進める一方で、持分比率や資金の使い道にも目配りが必要です。キャッシュフロー計算書は短信に掲載されていますが、本文から営業・投資・財務キャッシュフローの金額を確実に読み取れないため、ここでは数値を記載していません。
通期見通し
エクセディは2027年3月期の連結業績予想を据え置きました。売上収益は前期比0.4%増、営業利益は10.2%増を見込み、上期の営業減益から下期に利益を伸ばす計画です。
| 指標 | 前回予想 | 今回予想 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 3,050億円 | 3,050億円 | +0.4% |
| 営業利益 | 245億円 | 245億円 | +10.2% |
| 税引前利益 | 230億円 | 230億円 | -2.7% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 140億円 | 140億円 | +2.3% |
今回の予想修正はなく、売上収益の増加だけでなく、研究開発費や補修市場向け在庫の負担をこなしながら営業利益を伸ばせるかが問われます。税引前利益は前期比で減る計画で、営業増益がそのまま最終段階の利益成長につながるとは限りません。会社は、将来の業績が為替などさまざまな要因で予想と異なる可能性があるとしています。
リスクと課題
中間期は地域・事業ごとの需要差に加え、将来に向けた投資や在庫の負担が利益を圧迫しました。通期計画の達成には、外部環境の変化に対応しながら投資の成果を高めることが必要です。
- 中国の受注動向: AT事業では中国で受注が減少し、売上収益を押し下げました。需要の回復が遅れれば、売上の伸びや生産効率に影響する可能性があります。
- 研究開発費の回収: 新事業の研究開発費が増加しています。製品化や販売拡大が計画どおり進まない場合、利益負担が長引くおそれがあります。
- 在庫と補修市場の採算: 海外販売拠点で補修市場向け製品の在庫を積み増しており、販売が想定を下回れば在庫負担が残る可能性があります。
- 為替・金融費用: 円安は売上収益の押し上げに寄与しましたが、為替変動は換算や金融損益にも影響します。為替差損や持分法投資損失が続くかも確認点です。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/29)
5,440円
最新終値(2026/10/29)
5,440円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/29更新
エクセディをライバルと比較
年収・業績・株価を並べて自動車業界の今
掲載29社エクセディは自動車業界の掲載29社中、売上高で23位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- −2.6%全業界 +16.0%
- 今期計画 営業利益
- +2.1%全業界 +11.7%
- 予想の上方修正
- 6社下方 4社
- 営業利益率(業界)
- 4.3%
- エクセディ+6.0%
- 自動車(業界平均)−2.6%
- 全業界+16.0%
- 足元の業績今期第1四半期累計は16社合計で売上高+11.6%・営業利益+13.7%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は6社、下回る企業は9社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは6社、下方修正は4社。修正幅が最も大きいのは日野(営業利益+87.5%)。





タグ#エクセディ#決算#決算分析#四半期決算#自動車部品#増収減益#研究開発費#配当増額#中国市場
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売上がわずかに伸びた一方で営業利益が減った点は、需要の弱さだけでなく、新事業への投資と補修市場向けの在庫づくりが収益を押し下げていることを示しています。短期の利益だけで評価するより、研究開発費を投じた製品がどの時期に売上・利益へ寄与するのかを追う必要があります。
注目したいのは、AT事業が中国で減収となりながら、銅価格上昇分の価格転嫁などで利益を伸ばしたことです。価格対応力は支えになる一方、通期の営業増益計画には下期の挽回が必要で、需要回復と在庫負担の軽減が達成度を左右しそうです。
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