ジェイテクト、2027年3月期第2四半期決算、営業利益38%増で通期予想を修正

ジェイテクトの2027年3月期第2四半期決算は、売上収益が前年同期比4.4%増の9,707億円、営業利益が38.4%増の360億円、親会社株主に帰属する中間利益が78.8%増の218億円となりました。円安や原価改善、構造改革の効果が利益を押し上げ、特に自動車事業の事業利益が大きく伸びました。通期予想は10月29日に修正され、年間配当予想も前期比10円増の70円としています。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 9,708億円 | +4.4% | 1.9兆円 | 51% |
| 営業利益 | 360億円 | +38.4% | 750億円 | 48% |
| 純利益 | 218億円 | +78.8% | 500億円 | 44% |
| 営業利益率 | 3.7% | |||
この決算のポイント
- 1自動車事業の事業利益は円安や原価改善が寄与し、前年同期比96.8%増の323億円。
- 2産機・軸受は米国関税の影響がある一方、事業利益は前年同期比11.9%増の85億円。
- 3工作機械は北米販売の増加などで、売上収益が前年同期比7.8%増の1,070億円。
- 4年間配当予想は70円で、前期実績の60円から10円増。中間配当も5円増の35円。
- 5通期営業利益予想は750億円。前年実績比201.8%増の予想に10月29日付で修正。
業績のポイント
ジェイテクト(株式会社ジェイテクト)の中間期は、売上収益が前年同期比4.4%増、営業利益が38.4%増、親会社の所有者に帰属する中間利益が78.8%増となりました。売上の伸びを上回る利益成長となり、円安と改善活動が利益を押し上げました。
- 売上収益: 9,707億円、前年同期比4.4%増。円安に加え、日本、北米、アジアでの販売増加が寄与しました。
- 事業利益: 506億円、前年同期比52.8%増。売上原価や販管費を差し引いた利益で、原価改善や構造改革の効果が表れました。
- 営業利益: 360億円、前年同期比38.4%増。事業利益の伸びに対し増益率が低く、その他費用の増加もありました。
- 親会社株主帰属の中間利益: 217億円、前年同期比78.8%増。1株当たり中間利益は68.32円で、前年同期の38.21円から増えました。
会社は、中東情勢の不安定化や原材料価格上昇への懸念がある一方、事業領域の需要は全体として底堅く推移したと説明しています。営業利益の伸びには、主力の自動車事業で進めた原価改善と構造改革が大きく貢献しました。なお、営業利益には事業利益以外の収益・費用も含まれるため、両者の増益率には差があります。
- 自動車+96.8%
- 産機・軸受+11.9%
- 工作機械+5.9%
セグメント別動向
自動車は売上収益が前年同期比3.9%増の6,845億円、事業利益が96.8%増の323億円でした。中国での販売減少や欧州顧客向け事業の譲渡があった一方、円安と日本・北米・アジアでの販売増が売上を支えました。利益面では原価改善や構造改革の効果が加わり、3事業の中で利益の伸びが最も大きくなりました。
産機・軸受は売上収益が前年同期比4.1%増の1,792億円、事業利益が11.9%増の85億円でした。欧州のニードルローラーベアリング事業譲渡による影響があるものの、円安が売上を押し上げました。米国の関税負担は利益の重荷ですが、原価改善や構造改革が増益を支えています。
工作機械は売上収益が前年同期比7.8%増の1,070億円、事業利益が5.9%増の94億円でした。円安と北米での販売増加が売上を伸ばし、販売増や原価改善も利益に寄与しました。
セグメント全体では増収増益となり、利益成長は自動車事業に集中しました。一方、産機・軸受と工作機械も増益を確保しており、改善効果が複数の事業に広がっています。中国販売の弱さや欧州事業の譲渡、米国関税の影響が事業ごとに異なる点には注意が必要です。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 自動車 | 6,846億円 | 71% | 323億円 | 4.7% |
| 産機・軸受 | 1,792億円 | 19% | 85億円 | 4.8% |
| 工作機械 | 1,070億円 | 11% | 95億円 | 8.8% |
通期見通し
ジェイテクトは2027年3月期の連結業績予想を10月29日付で修正しました。売上収益は前年実績比0.3%減を見込む一方、営業利益は201.8%増、親会社株主に帰属する当期利益は317.6%増を予想しています。売上の拡大よりも、利益回復を重視した見通しです。
| 項目 | 2027年3月期予想 | 前年実績比 |
|---|---|---|
| 売上収益(億円) | 19,200 | -0.3% |
| 事業利益(億円) | 950 | +25.5% |
| 営業利益(億円) | 750 | +201.8% |
| 税引前利益(億円) | 700 | +155.7% |
| 親会社株主帰属の当期利益(億円) | 500 | +317.6% |
会社は7月31日公表の予想から変更したとしていますが、この短信には修正前の金額や修正理由の詳細は掲載されていません。為替前提は1米ドル157円、1ユーロ182円で、第3四半期以降はそれぞれ155円、180円です。円安効果が中間期の業績を押し上げた一方、想定為替や関税、原材料価格の変化が通期予想の達成を左右します。
財務状況と資本政策
中間期末の資産合計は前期末比529億円減の1兆5,247億円、親会社所有者帰属持分比率は前期末の50.1%から53.1%へ上昇しました。営業キャッシュフローは前年同期を上回り、配当予想も増額しています。
| 項目 | 2027年3月期中間期末・中間期 | 比較 |
|---|---|---|
| 資産合計(億円) | 15,247 | 前期末比529億円減 |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 53.1% | 前期末比3.0ポイント上昇 |
| 営業キャッシュフロー(億円) | 492 | 前年同期は428億円の収入 |
| 投資キャッシュフロー(億円) | -177 | 前年同期は404億円の支出 |
| 財務キャッシュフロー(億円) | -147 | 前年同期は36億円の収入 |
- 配当: 中間配当は1株35円で、前年同期の30円から5円増。年間予想は70円で、前期実績の60円から10円増です。
- 自己株式取得: 中間期の取得額は200万円で、短信に大規模な自社株買いの発表はありません。
資産の減少には、欧州顧客向け自動車事業の譲渡完了に伴う売却目的保有資産の減少が影響しました。営業キャッシュフローは税引前利益の計上や営業債権の減少などで増加し、期末現金は1,525億円となっています。利益成長を背景に株主還元を強める一方、投資キャッシュフローは有形固定資産の取得などで支出超過でした。
戦略トピック
ジェイテクトは欧州顧客向け自動車事業の譲渡を完了し、連結対象の見直しを進めました。また、2026年10月29日の取締役会で、完全子会社の株式会社ジェイテクトエンジニアリングを吸収合併する方針を決議しています。事業譲渡とグループ内再編が同じ中間期に進んだ点が、今回の経営上の動きです。
- 欧州事業の譲渡: 会社説明では、欧州顧客向け自動車事業の譲渡完了が資産減少の要因となりました。JTEKT EUROPE S.A.S.とJTEKT TORSEN HOLDINGS S.A.は、保有する全株式を2026年7月31日付で売却し、連結範囲から外れています。
- 子会社の吸収合併: 株式会社ジェイテクトエンジニアリングを吸収合併することを決議しました。短信では合併の狙いや損益への影響の詳細は示されていません。
事業譲渡は欧州顧客向け事業の構成を変える一方、連結売上や資産の比較にも影響します。吸収合併については、今後公表される詳細から、グループ運営の効率化や事業への影響を確認する必要があります。
リスクと課題
中間期は需要が底堅く、各セグメントで増益となりましたが、会社は地政学リスクや自然災害の影響を引き続き注視する必要があるとしています。利益改善が続くかを見極めるうえで、以下のリスクが焦点です。
- 地政学リスク: 中東情勢の不安定化などが経済活動や需要に影響し、販売や生産の計画を揺さぶる可能性があります。
- 原材料価格: 原材料価格の一段の上昇が懸念されています。販売価格への転嫁や原価改善が追いつかなければ、利益率を圧迫します。
- 米国関税: 産機・軸受事業では米国関税の影響がすでに言及されています。関税負担の拡大は、販売や採算の重荷となり得ます。
- 為替変動: 中間期は円安が売上や利益を押し上げました。通期予想も為替前提を置いており、円高方向への変化は業績を下押しする可能性があります。
- 地域別需要: 中国では自動車販売が減少しました。北米やアジアの販売増が続かない場合、地域間の差を円安や改善効果だけで埋められるかが課題です。
特に、通期予想では売上収益が前年実績をわずかに下回る一方、利益の大幅な回復を見込んでいます。需要の伸びだけでなく、原価改善や構造改革の効果を維持できるかが、予想達成の重要な確認点になります。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/29)
2,051.5円
最新終値(2026/10/29)
2,051.5円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/29更新
ジェイテクトをライバルと比較
年収・業績・株価を並べて自動車業界の今
掲載29社ジェイテクトは自動車業界の掲載29社中、売上高で13位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- −2.6%全業界 +16.0%
- 今期計画 営業利益
- +2.1%全業界 +11.7%
- 予想の上方修正
- 6社下方 4社
- 営業利益率(業界)
- 4.3%
- ジェイテクト+34.0%
- 自動車(業界平均)−2.6%
- 全業界+16.0%
- 足元の業績今期第1四半期累計は16社合計で売上高+11.6%・営業利益+13.7%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は6社、下回る企業は9社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは6社、下方修正は4社。修正幅が最も大きいのは日野(営業利益+87.5%)。





タグ#ジェイテクト#決算#決算分析#四半期決算#自動車部品#円安影響#構造改革#配当増額#業績予想修正
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営業利益の伸びを上回る事業利益の増益は、円安だけでなく原価改善や構造改革が効いていることを示します。自動車事業が利益成長をけん引し、他の2事業も増益を確保した点は前向きです。
一方で、通期予想は売上が横ばい圏なのに利益の大幅回復を見込む内容です。今回の短信だけでは予想修正の具体的な理由や修正幅を確認できないため、今後は関税や為替の変化に加え、改善効果が下期にも続くかを見たいところです。
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- 2027年3月期 第1四半期
- 2026年3月期 通期
- 2026年3月期 第3四半期




