ベアリング・駆動部品3社、2027年3月期Q1比較、日本精工が急伸し利益格差が拡大
3社はそろって増収増益。日本精工は売上高が前年比30.6%増、営業利益が212.3%増と最も伸びた。ジェイテクトは営業利益228億円で規模首位。NTNは営業利益率3.9%で3社中最も低い。成長の勢いと稼ぐ力が分かれた。日本精工の伸びにはステアリング事業の連結化も含まれ、単純比較には注意がいる。
今期の総括
成長率と稼ぐ力に差
業界全体の動き
- 3社すべてが増収増益。ただし、売上高の伸びは日本精工の前年比30.6%増が突出し、NTNは6.7%増にとどまった。
- 円安は各社の売上や利益を支えた。NTNは為替換算に加え、原価低減と価格転嫁も利益を押し上げた。
- AI投資の広がりが、日本精工の産業機械向け軸受を後押しした。半導体製造装置や工作機械の需要増が背景にある。
- 自動車関連では、ジェイテクトの自動車事業が大幅増益。円安に原価改善や構造改革が重なった。
- 利益率には差が出た。日本精工は5.9%で首位、NTNは3.9%で最も低く、ジェイテクトは4.6%だった。
売上高ランキング
売上高 前年同期比
純利益 前年同期比
勝者と敗者
伸びと利益率で先行したのは日本精工だ。売上高は前年比30.6%増の2,556億円。ジェイテクトの8.2%増、NTNの6.7%増を大きく上回った。営業利益も前年比212.3%増の150億円で、ジェイテクトの68.6%増、NTNの19.2%増を超えた。営業利益率も5.9%と、ジェイテクトの4.6%、NTNの3.9%を上回る。
成長率首位には連結化の追い風もある。日本精工はステアリング事業を連結化し、産業機械向け需要も伸びた。一方、ジェイテクトは営業利益228億円で3社中首位。規模と利益額では優位だ。
最も苦戦したのはNTN。営業利益は前年比19.2%増の83億円で、3社中の伸びが最も小さい。米州のOEM需要減退や欧州事業の不振が重荷となった。売上高の伸びも前年比6.7%増と3社で最も低く、利益率も3.9%にとどまった。
- 好調
- 日本精工
- 苦戦
- NTN

営業利益ランキング
営業利益率ランキング
注目の動き・戦略比較
- 日本精工は2025年9月に連結子会社化したステアリング事業が寄与。AI投資を背景に産業機械向けも伸び、通期予想を上方修正した。営業利益は前年比212.3%増で、3社中最も高い伸びとなった。
- NTNは原価低減や価格転嫁、アフターマーケット向け販売の回復で増益。営業利益は前年比19.2%増の83億円だった。通期予想は据え置き、円安による下期の上振れを見込む。
- ジェイテクトは自動車事業の回復がけん引。営業利益は前年比68.6%増の228億円で、3社中の利益額首位となった。原価改善も寄与したが、通期予想は据え置き。営業利益の進捗率は30.4%だ。
業界共通のリスク
- 為替変動への依存。円安は3社の業績を支えたが、円高に転じれば利益の押し下げ要因になりうる。
- 自動車や産業機械の需要変動。NTNでは米州のOEM需要が弱く、日本精工の産業機械向けにはAI投資の継続が重要となる。
- 地域ごとの採算差。NTNは欧州で赤字が続き、ジェイテクトも産機・軸受や工作機械の減益が課題だ。
- 関税やコスト上昇。ジェイテクトでは関税コストなどが一部事業の重荷となり、原価改善の継続が欠かせない。
- 日本精工は連結化した事業との統合効果を見極めたい。前年比の大幅増益には事業範囲の変化も含まれる。
順位変化と構造トレンド
売上高と営業利益の額では、ジェイテクトが3社中の首位を保った。一方、営業利益率は日本精工が5.9%で首位となり、規模と収益性の順位は一致しない。日本精工の営業利益率はジェイテクトを1.3ポイント、NTNを2.0ポイント上回った。
今期は、日本精工の高成長とNTNの低い利益率が目立った。ただし、日本精工の成長には連結範囲の拡大が含まれる。ジェイテクトの自動車事業の回復が続くかも、今後の順位を左右する。
就活生・転職希望者へ
3社の決算からは、同じ機械業界でも事業領域で仕事の重点が異なると分かる。日本精工では軸受とステアリングの両面、NTNでは原価改善や地域別の収益回復、ジェイテクトでは自動車事業の改善が注目点だ。
AI関連の設備需要や自動車市場の変化は、技術開発や生産、営業の仕事にも影響する。志望先を選ぶ際は、会社全体の成長率だけでなく、希望職種が関わる事業の需要と採算も確認したい。
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