マックス、2027年3月期第2四半期決算、海外工具伸長で通期予想を上方修正

マックスの2027年3月期第2四半期決算を分析すると、売上高は前年同期比13.5%増の552億円、営業利益は16.9%増の110億円となり、増収増益でした。欧米でインフラ関連の建設需要や人手不足を背景に鉄筋結束機などの販売が伸び、会社は通期業績予想を上方修正。年間配当予想も株式分割後で43円に改めました。海外機工品事業が成長をけん引する一方、国内住宅市場や中国向け車いすは課題です。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 553億円 | +13.5% | 1,100億円 | 50% |
| 営業利益 | 111億円 | +16.9% | 202億円 | 55% |
| 純利益 | 85億円 | +16.2% | 154億円 | 55% |
| 営業利益率 | 20.0% | |||
この決算のポイント
- 1海外機工品事業の売上高は前年同期比29.7%増、欧米の鉄筋結束機販売が伸長
- 2営業利益率は前年同期の19.4%から20.0%へ0.6ポイント上昇
- 3通期売上高予想は1,100億円、営業利益予想は202億円へ上方修正
- 4年間配当予想は株式分割後で43円、前期実績を分割調整した37円を上回る
- 5中間期に自己株式を取得、現金支出は63億円で営業キャッシュフローは92億円
業績のポイント
マックス(マックス)は2027年3月期中間期に増収増益となり、売上高は前年同期比13.5%増、営業利益は16.9%増、親会社株主に帰属する中間純利益は16.2%増でした。営業利益の伸びが売上高を上回り、営業利益率も前年同期から0.6ポイント上昇して20.0%です。
- 売上高: 552億8,000万円、前年同期比13.5%増。インダストリアル機器部門の海外販売が大きく伸びました。
- 営業利益: 110億6,800万円、同16.9%増。インダストリアル機器部門の増益が全社の利益を押し上げました。
- 経常利益: 111億7,200万円、同14.5%増。為替差損は前年同期より膨らみましたが、増収効果などで増益を確保しました。
- 親会社株主に帰属する中間純利益: 84億7,200万円、同16.2%増。1株当たり中間純利益は株式分割調整後で47円74銭でした。
海外機工品が成長をけん引。欧米ではインフラを中心とする非住宅市場が堅調で、建設現場の人手不足を受けて機械化需要も高まりました。一方、国内では建築費の高騰や金利上昇を背景に住宅着工が低調で、米国の住宅市場も住宅ローン金利の影響を受けています。成長分野の伸びが国内住宅関連の弱さを補い、利益率の改善にもつながった決算です。
セグメント別動向
部門ごとの伸びには差があり、インダストリアル機器部門が増収増益をけん引しました。以下の前年比は売上高の伸びを示し、連結売上高の構成や利益額は直後のセグメント表で確認できます。
インダストリアル機器部門は売上高が前年同期比16.4%増となり、セグメント利益も18.4%増でした。海外機工品事業が29.7%増と大きく伸び、欧米の非住宅建設やインフラ需要、人手不足に伴う機械化需要が追い風です。国内機工品は木造建築向け工具の販売が弱かったものの、鉄筋結束機の稼働台数増加を背景に消耗品が堅調でした。
オフィス機器部門は売上高が5.9%増えましたが、セグメント利益は0.6%減でした。国内外でチューブマーカー「レタツイン」など文字表示機器が伸び、東南アジアの文具関連製品も堅調でした。一方、オートステープラは機械販売が市況低迷の影響を受け、消耗品が下支えしたものの利益は小幅に減りました。
HCR機器部門は売上高が0.7%減り、セグメント損失が拡大しました。国内の車いすは新製品の拡販で底堅かった一方、中国のレンタル市場向け販売が引き続き減少しました。住環境機器事業では浴室暖房換気乾燥機「ドライファン」のOEM向けがやや減ったものの、既設機の置き換え需要は堅調です。全社では、海外の成長事業と国内外の成熟事業との濃淡が表れています。
- オフィス機器+5.9%
- インダストリアル+16.4%
- HCR機器-0.7%
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| オフィス機器 | 112億円 | 20% | 18億円 | 16.4% |
| インダストリアル機器 | 426億円 | 77% | 118億円 | 27.8% |
| HCR機器 | 15億円 | 3% | -50百万円 | -3.4% |
財務状況と資本政策
2026年9月末の総資産は前期末比0.8%減の1,368億6,800万円、自己資本比率は同2.9ポイント低下の80.7%でした。中間期には営業活動で資金を生み出す一方、配当と自己株式取得を実施しています。
| 項目 | 2027年3月期中間期・9月末 | 前年同期・前期末との比較 |
|---|---|---|
| 総資産 | 1,368億6,800万円 | 前期末比0.8%減 |
| 自己資本比率 | 80.7% | 前期末の83.6%から2.9ポイント低下 |
| 営業キャッシュフロー | 91億9,200万円 | 前年同期の76億1,000万円から増加 |
| 投資キャッシュフロー | マイナス19億900万円 | 前年同期のマイナス37億9,700万円から支出縮小 |
| 財務キャッシュフロー | マイナス131億1,200万円 | 前年同期のマイナス88億1,000万円から支出拡大 |
現金及び現金同等物の中間期末残高は300億6,000万円で、前年同期末の300億1,300万円をわずかに上回りました。財務キャッシュフローの支出には配当金の支払いと自己株式取得が含まれ、会社は中間期に自己株式の取得を実施しています。年間配当予想は株式分割後で43円に修正されました。前期の実績148円は分割前の金額で、分割後に換算すると37円相当です。
通期見通し
マックスは2027年3月期の連結業績予想を上方修正しました。会社は欧米でコンクリート構造物向け工具の販売が伸び、2026年7月30日に公表した予想を上回る見込みになったと説明しています。
| 項目 | 今回予想 | 前期比 | 前回予想との比較 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,100億円 | +10.4% | 上方修正、修正幅は短信に記載なし |
| 営業利益 | 202億円 | +15.0% | 上方修正、修正幅は短信に記載なし |
| 経常利益 | 203億円 | +10.4% | 上方修正、修正幅は短信に記載なし |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 154億円 | +10.9% | 上方修正、修正幅は短信に記載なし |
会社は前回予想の具体的な数値をこの短信に掲載していないため、修正額は確認できません。中間期の営業利益は通期予想の約54.8%に達しており、前半の進捗は順調ですが、国内住宅関連の弱さや米国の住宅市場など不確実要因も残ります。年間配当予想も43円へ修正されましたが、従来予想の金額は短信では確認できません。
戦略トピック
中間期は海外の販売基盤と事業領域を広げる買収が進み、連結対象会社が2社増えました。北欧の販売会社取得はインダストリアル機器部門の海外展開を補強する動きです。
- Bo Fastening ABの買収: 欧州販売子会社MAX EUROPE B.V.が全株式を取得し、社名をMAX Scandinavia ABに変更しました。取得に伴うのれんはインダストリアル機器部門で13億8,700万円です。
- 藤工業の完全子会社化: 2026年4月1日付で全株式を取得しました。取得に伴い、負ののれん発生益2億1,900万円を特別利益に計上しています。
- キャッシュへの影響: 投資活動によるキャッシュフローには、連結範囲の変更を伴う子会社株式取得の支出19億1,700万円が含まれます。
買収は欧州での販売網を補強し、海外機工品事業の成長を支える可能性があります。一方、買収後の統合やのれんを含む投資の回収が今後の確認点です。藤工業の事業上の狙いについては、短信に詳しい説明はありません。
リスクと課題
海外のインフラ需要が業績を押し上げる一方、地域ごとの住宅・建設市況や国際情勢は引き続き不透明です。会社も将来の業績はさまざまな要因で予想と異なる可能性があるとしています。
- 住宅・建設市場の低迷: 国内は建築費高騰や金利上昇で住宅着工が低調です。米国も住宅ローン金利の上昇が住宅着工の重荷となり、住宅関連機器や工具の需要に影響する可能性があります。
- 国際情勢と工期遅延: 中東情勢などを背景に工事の遅れが生じ、国内機工品の販売に影響しました。米国の政策動向も含め、海外事業の需要や計画の不確実性につながります。
- 中国向け車いす販売: 中国のレンタル市場向け販売が減少しており、HCR機器部門の減収と損失が続く懸念があります。
- 買収後の統合と為替: 欧州企業の買収後の運営や投資回収が課題です。中間期には為替差損も発生しており、為替変動は利益を押し下げる要因になり得ます。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/29)
1,872円
最新終値(2026/10/29)
1,872円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/29更新
マックスをライバルと比較
年収・業績・株価を並べて機械業界の今
掲載54社マックスは機械業界の掲載54社中、売上高で41位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +17.1%全業界 +16.0%
- 今期計画 営業利益
- +14.1%全業界 +11.7%
- 予想の上方修正
- 17社下方 3社
- 営業利益率(業界)
- 9.6%
- マックス+34.7%
- 機械(業界平均)+17.1%
- 全業界+16.0%
- 足元の業績今期第1四半期累計は31社合計で売上高+14.5%・営業利益+25.8%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は7社、下回る企業は19社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは17社、下方修正は3社。修正幅が最も大きいのはTHK(営業利益+84.6%)。






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海外インダストリアル機器の成長が、国内住宅市場の弱さを補って利益率まで押し上げた点は評価できます。特に欧米の人手不足を機械化需要につなげていることは、単なる市況回復に依存しない成長要因として注目です。
一方、HCR機器部門の中国向け販売は回復が見えず、全社の成長と部門間の差は広がっています。上方修正の勢いが下期も続くか、買収した欧州事業の販売拡大と投資回収が進むかが、次の決算で確認したい点です。
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