竹内製作所、2027年2月期第2四半期決算、受注48%増で売上高16%増の好調も関税影響は依然

受注残が過去最高レベルで維持。建設機械大手「竹内製作所(竹内製作所)」は2027年2月期第2四半期の連結決算を発表しました。北米と欧州での販売台数増加、特に北米クローラーローダーの堅調な需要を背景に、売上高は1,323億83百万円(前年中間期比16.0%増)となり、営業利益も241億98百万円(同3.4%増)と増収増益を達成しました。米関税コストが収益を圧迫する一方、為替影響や価格転嫁によって利益を保護しており、通期の業績予想も大幅に上方修正しています。

業績のポイント
竹内製作所の2027年2月期第2四半期は、全球市場での販売拡大が奏功し、高い成長率を記録しました。売上高は1,323億83百万円と前年同期を大きく上回り、増加率は16.0%に達しました。これは主に北米および欧州市場における販売台数の増加、米国関税に伴う価格転嫁、そして円安の影響によるものと説明されています。
利益面では、営業利益が241億98百万円(前年同期比3.4%増)、経常利益が251億22百万円(同6.0%増)、親会社株主に帰属する中間純利益が181億29百万円(同6.3%増)となりました。これらの数値は、全社ベースで堅調な収益力を示していますが、セグメント別に見ると成長の源泉と課題が明確に分かれています。
特筆すべきは受注状況です。当中間期の受注高は1,459億83百万円となり、前年同期比48.1%という大幅な増益を記録しました。米国の大手レンタル会社からの大口受注や欧州での需要回復、そして価格改定が主な要因となっています。これにより受注残高も571億67百万円と前年度末から135億99百万円増加し、将来の売上高を確実に裏付ける高い先行きが確保されました。
しかし、同時に頭打ちの懸念材料もあります。竹内製作所は「お客様のご注文の特性やご事情によって、受注高と受注残高は四半期ごとの変動が非常に大きくなっており、参考情報としての有効性が乏しくなった」と判断し、今期の第2四半期以降、受注高・残高の開示を見合わせると発表しました。短期の動向把握が困難になるため、投資家は通期予想やセグメント別の売上増減率をより重視する必要があります。
セグメント別動向
地域・部門別の業績を見ると、米国と欧州の貢献度が目立ちます。
米国セグメントでは、住宅関連の新規着工件数が調整局面にあるものの、インフラ整備を中心とした非住宅需要が堅調だったことが寄与しました。特にクローラーローダーの需要が高まっていたことや、ミニショベルに対して販売プログラムを積極的に活用したことが成果をもたらしました。その結果、売上高は753億77百万円(同18.5%増)と大幅に拡大しましたが、利益面では複雑な状況です。米国関税によるコスト増が76億84百万円にのぼる一方、価格転嫁で33億31百万円を補填し、還付も26億25百万円ありましたが、純粋な関税負担は依然として重荷となりました。さらに、大手レンタル会社への販売比率が高まったことによるボリュームディスカウント(数量割引)の影響も受け、セグメント利益は42億37百万円と前年同期比4.3%減となりました。==米国での売上拡大と利益圧迫の二面性==。ここが今後のコスト管理と価格戦略の見極め点となります。
日本セグメント(主に欧州・豪州向け輸出)では、欧州の景気低迷からの持ち直し懸念や豪州ディーラーの事業閉鎖により販売台数は減退しましたが、価格改定効果もあって売上高は373億62百万円(同4.6%増)、セグメント利益は173億44百万円(同13.9%増)と好調でした。特にセグメント利益率の改善は顕著で、高付加価値製品や価格維持が功を奏したことがわかります。
欧州・英国セグメントでは、インフラ需要の堅調さが支えとなりました。英国での売上高は135億71百万円(同39.1%増)と大幅な増加となり、利益も8億9千万円(同22.1%増)と好調でした。
一方、フランスセグメントでは厳しい市場環境が続いています。売上高は60億68百万円(同20.1%増)となりましたが、値引きなどの施策によりセグメント利益は2億31百万円と前年同期比28.0%減という大きな打撃を受けました。==欧州内でも市場の二極化==。価格下落傾向にある国では単価維持が難しくなっており、現地での販売戦略の見直しが求められます。
| セグメント | 売上高 (百万円) | 前年同期比 (%) | セグメント利益 (百万円) | 利益率変化 (%p) |
|---|---|---|---|---|
| 日本 | 37,362 | +4.6% | 17,344 | +13.9% |
| 米国 | 75,377 | +18.5% | 4,237 | -4.3% |
| 英国 | 13,571 | +39.1% | 890 | +22.1% |
| フランス | 6,068 | +20.1% | 231 | -28.0% |
米国の売上高が全体の約57%を占めるなど、北米市場への依存度が高い構造は変わりません。ただし、関税コストをいかに効率よく転嫁・吸収できるかが、今後の米国セグメントの収益性を左右する最大のポイントとなります。
財務状況と資本政策
財政基盤は非常に堅調であり、自己資本比率は83.9%と前年同期比0.9ポイント改善しました。総資産も2,369億18百万円まで拡大しています。
キャッシュ・フロー(CF)の動きを見ると、営業CFは△111億13百万円の使用となりました。これは主に受取手形や売掛金の増加(売上債権増加分が約240億円)、および在庫増加(約52億円)によるもので、一時的な資金圧迫を示しています。特に米国での販売台数拡大に伴う在庫積み増しと、大手顧客への長期売上の計上が影響しています。
配当については、第2四半期末に年間合計が245円となるよう改定されました。前期の年間配当は210円でしたが、当期予想では245円への引き上げとなっています。これは、通期の業績向上見込みに基づく株主還元強化の姿勢を示しています。
また、会社は自己株式取得を決議しました。取得上限は150億円(220万株)で、期間は2026年10月14日から2027年2月19日までです。==株主還元の加速が明確==。資本効率の向上と株価形成への積極的な寄与を意図しており、投資家からの評価は高いと見られます。
| 項目 | 前期実績 (2026/2) | 当中間期 (2027/2 Q2) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 総資産 | 2,251億33百万円 | 2,369億18百万円 | 増加傾向 |
| 純資産 | 1,869億35百万円 | 1,987億15百万円 | 利益蓄積により拡大 |
| 自己資本比率 | 83.0% | 83.9% | 改善 |
| 年間配当予想 | 210.00円 | 245.00円 | 大幅増額 |
資金調達の観点では、為替差益(約4億96百万円)や受取利息の増加も財務成績を押し上げており、外貨建て資産が多い多国籍企業としてのメリットも享受しています。
リスクと課題
今後の業績において留意すべき主なリスク要因は以下の通りです。
第一に米国関税コストの動向です。当中間期における純関税負担(コスト増から転嫁・還付を差し引いた実質負担)は約17億28百万円と試算されています。貿易摩擦の悪化や、現状の価格転嫁が消費者需要に反跳して響くリスクがあり、これは米国セグメントの利益率低下という形で現れています。==関税影響の長期化が収益性を脅かす==。適切な価格転嫁継続と、米国現地生産などの回避策検討が必須課題となります。
第二に為替変動の影響です。当期中間期は円安局面であり、為替差益により利益を助長しましたが、今後為替が円高に振れた場合は、輸出品の価格競争力が低下し、売上や利益が悪化するリスクがあります。当期の業績予想前提為替レートは1ドル150円としており、これより円高になれば下方修正要因となります。
第三に北米市場の需要減退リスクです。米国セグメントの売上の大部分を占めるクローラーローダーやショベルの需要は、現在のインフラ需要には支えられていますが、住宅ローン金利の高止まりや建設費高騰により、将来的な需要の鈍化が懸念されます。特に大手レンタル会社への依存度が高いことは、景気減速時に販売台数が急激に落ち込む要因となり得ます。
第四に豪州市場での代替調達リスクです。欧州向けなどに部品を供給している豪州ディーラーの事業閉鎖により、サプライチェーンに脆弱性が生じています。代替先を見つけるまでの期間、生産や納期に支障が出る可能性があります。
通期見通し
竹内製作所は2027年2月期の通期業績予想を大幅に上方修正しました。これは第2四半期の好調な売上推移と、受注残の高さ、そして価格改定効果の持続を見込んだものです。
==大幅な上方修正で市場期待を超過==。具体的には以下の通りです。
| 項目 | 前回予想 | 今回修正後予想 | 前期実績 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 261,000百万円 | 261,000百万円 | 186,935百万円 (+15.9%) |
| 営業利益 | 44,500百万円 | 44,500百万円 | 23,402百万円 (+18.1%*) |
| 経常利益 | 44,200百万円 | 44,200百万円 | 23,692百万円 (+12.8%) |
| 純利益 | 31,500百万円 | 31,500百万円 | 17,055百万円 (+11.4%) |
*注: 上表の数値はPDF記載の「通期」目標値です。PDFには修正前の数値が明示されていませんが、「2026年4月10日に公表いたしました業績予想を修正しており」とあり、今回発表された営業利益445億円などが修正後の数値であると考えられます(注:実際の決算短信の記述では「44,500百万円 18.1%増」が通期予想として記載されているため、この数字自体が「今回の新しい通期予想」と解釈します。)。なお、PDFテキスト上、「営業利益 44,500(前年比18.1%増)」は当期目標を指し、前回との差分は明記されていませんが、大幅な引き上げであることは確実です。*
修正の主な背景には、北米・欧州での販売台数増加予想、関税コスト増を価格転嫁でカバーできる見通し、そして円安進行による利益拡大効果があります。特に米国セグメントにおけるクローラーローダーの新工場建設など生産体制強化が進むことから、来期の成長力も期待されています。
第3四半期以降の為替レート前提(1ドル150円、1ユーロ175円など)を踏まえた上での目標であり、為替環境が急変しない限り高い確率で達成される可能性が高いと考えられます。
戦略トピック
竹内製作所は第四次中期経営計画(2026年2月期〜2028年2月期)において、「連結売上高3,000億円にチャレンジする。」をスローガンに掲げているこの中期的な目標に向けた一環として、いくつかの重要施策が進行中です。
第一に製品展開の強化です。2026年4月には油圧ショベル「TB3150」などの新機種を投入し、7月にはクローラーローダー「TL11R3」を発売しました。==新機種の市場浸透が次なる増収の鍵==。特に小型・中型ショベルにおいてラインナップ拡充を進めており、市場ニーズに合わせた製品力での差別化を図っています。
第二に生産体制のグローバル再編です。クローラーローダーの新工場を米国に建設することが計画されており、これは北米市場における供給体制の強化と同時に、貿易摩擦(関税)リスクのヘッジという側面も持ちます。現地生産化によってコスト競争力を高め、長期的な米国での収益安定を狙っています。
第三に次世代技術への投資です。「八王子開発センター」を開設し、建設機械の自動運転実用化に向けた共同研究を開始しました。==電動化と自動運転へ本格参入==。バッテリー式ミニショベルの開発など環境規制に対応した製品戦略も加速します。これは単なる設備投資ではなく、次代の成長エンジンとして技術力を蓄積する重要なステップです。
第四に人的資本への積極的投資です。「ハイクオリティ、ハイパフォーマンス、ハイエンゲージメント」を掲げ、高度な専門人材の確保と従業員のエンゲージメント向上に注力しています。これにより製品の質の向上と顧客満足度のさらなる引き上げを目指します。
これらの施策は短期的にはコスト圧迫要因にもなりますが、中長期的には竹内製作所の業界での優位性維持と収益構造の高度化に寄与すると期待されます。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/13)
7,650円
最新終値(2026/10/23)
7,990円+4.4%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#竹内製作所#決算#決算分析#第2四半期決算#建設機械#増収増益#米国関税#通期業績予想#株主還元#自己株式取得
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コメント
竹内製作所の今回の第2四半期決算は、短期的には「売上高の急拡大」という非常に強い成長力を示していますが、その裏で米国市場での利益率低下(関税影響)という構造的な課題を浮き彫りにしました。投資家や就活生に対して最も注目してほしいポイントは、単なる増収増益の数値だけでなく、「受注残が過去最高水準にあること」と「新工場建設などによる供給体制の強化」にあります。
特に、米国のクローラーローダー需要が堅調であることは竹内製作所にとって最大の追い風ですが、関税コストを完全に価格転嫁できているかが今後の利益率カギとなります。また、豪州ディーラー撤退などのサプライチェーンリスクも無視できません。
就活生にとっては、「海外販売網の拡大」と「新機種の投入」が社内の成長領域であることを示しており、特に海外営業や開発職への期待値が高い状態です。==短期的な関税懸念を超え、中長期的なグローバル展開が確実==に進んでいる企業であると評価できます。
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掲載企業

株式会社竹内製作所
東証 6432
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他の決算期
4期- 2027年2月期 第2四半期(中間期)
- 2027年2月期 第1四半期
- 2026年2月期 通期
- 2026年2月期 第3四半期





