株式会社竹内製作所 の会社詳細
株式会社竹内製作所
竹内製作所
2027年2月期 第1四半期
2026年7月10日

竹内製作所・2027年2月期Q1、売上高12%増の568億円も米国関税や値引き響き営業利益は9%減

竹内製作所
決算短信
増収減益
米国関税
ミニショベル
円安効果
受注高非開示
自己資本比率
増配維持
第1四半期累計期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)

売上高

568億円

+12.2%

通期予想

2,440億円

進捗率23%

営業利益

100億円

-9.3%

通期予想

373億円

進捗率27%

純利益

74億円

+0.2%

通期予想

259億円

進捗率29%

営業利益率

17.6%

株式会社竹内製作所が発表した2027年2月期第1四半期(3〜5月期)の連結決算は、売上高が前年同期比 12.2%増568億9百万円、営業利益が同 9.3%減99億75百万円 となった。欧州市場での緩やかな需要回復や円安効果、価格転嫁が売上を押し上げたものの、米国での追加関税負担やフランス等での値引きキャンペーンに伴うコスト増が影響し、利益面では 増収減益 の着地となった。

業績のポイント

ミニショベルやクローラーローダーで高い世界シェアを持つ竹内製作所は、欧米を中心とする主要市場での需要を着実に取り込み、2027年2月期第1四半期は堅調な増収を達成した。売上高は前年同期比 12.2%増568億9百万円、経常利益は同 0.9%増105億6百万円 となった。一方で、営業利益は同 9.3%減99億75百万円 にとどまった。これは米国での関税負担や、原油高に伴う海上輸送費の上昇が利益を押し下げたためである。

第1四半期の受注高は、前年同期比 59.2%増903億6百万円 と急増し、期末の受注残高も 770億64百万円 と高水準に積み上がった。米国の大手レンタル会社からの大口受注などが牽引した形だ。しかし同社は、注文の特性により四半期ごとの変動が非常に大きく参考情報としての有効性が乏しくなったとして、受注高・受注残高の非開示化 を決定し、今期(2027年2月期)をもって開示を終了する方針を示した。

業績推移(通期)

売上高営業利益|当期累計通期予想残

セグメント別動向

地域別の動向を見ると、主力の米国市場における環境変化とコスト負担が業績の明暗を分ける形となった。

米国セグメントは、住宅ローン金利の高止まりで新築住宅市場が調整局面にあるものの、非住宅やインフラ向けの需要が堅調に推移した。円安効果もあり、売上高は前年同期比 16.1%増311億8千万円 を確保した。しかし、米国向け製品に課された関税コスト 35億37百万円 のうち、販売価格に転嫁できたのは 16億63百万円 にとどまり、差し引きで 18億73百万円 の減益要因となった。さらに、値引きを伴う大手レンタル会社向けの販売比率が上昇したことも重なり、セグメント利益は同 31.9%減15億22百万円 と大幅な減益を記録した。

一方、日本セグメント(主に欧州・豪州向け輸出)は、欧州市場の持ち直しや価格改定、円安効果が寄与し、売上高は同 0.9%増172億99百万円、セグメント利益は同 17.0%増92億17百万円 と好調だった。英国でも販促値引き効果で販売台数が増え、売上高は同 34.0%増、セグメント利益は同 12.5%増 を達成した。しかし、フランスでは市場環境が厳しく、値引きが響いてセグメント利益が同 49.4%減 と苦戦した。

セグメント外部顧客売上高前年同期比セグメント利益前年同期比利益率(セグメント合計売上比)
日本(欧米等向け輸出)17,299百万円+0.9%9,217百万円+17.0%18.6%
米国31,180百万円+16.1%1,522百万円△31.9%4.9%
英国5,640百万円+34.0%332百万円+12.5%5.9%
フランス2,688百万円+12.0%79百万円△49.4%2.9%
中国1百万円+15.4%153百万円+114.4%11.3%
セグメント売上高構成比営業利益営業利益率
日本173億円31%92億円18.6%
米国312億円55%15億円4.9%
英国56億円10%3億円5.9%
フランス27億円5%79百万円2.9%
中国1百万円0%2億円11.3%

財務状況と資本政策

2027年2月期第1四半期末の総資産は、前連結会計年度末に比べて 77億68百万円 減少の 2,173億64百万円 となった。売掛金が 103億17百万円、棚卸資産(在庫)が 98億73百万円 増加した一方で、手元資金である「現金及び預金」が 287億29百万円 減少し、全体の資産規模を押し下げた。

負債は、買掛金の減少などにより 71億97百万円 減少し 310億円 となった。純資産は配当金の支払い( 97億19百万円 )があったものの、四半期純利益の計上や円安による為替換算調整勘定の増加( 16億98百万円 )に支えられ、1,863億63百万円(前期末比5億71百万円減)と高水準を維持した。この結果、財務の健全性を示す自己資本比率は前期末の 83.0% から 85.7% へと一段と上昇し、極めて強固な財務基盤を誇っている。

配当方針については、直近の予想を据え置き、年間配当金は前期実績(210円)から10円増配となる 220円(中間110円・期末110円)を予定している。

リスクと課題

今後の経営における最大のリスクは、米国市場におけるマクロ経済の動向と貿易摩擦リスクである。米国の住宅ローン金利が高止まりし、住宅着工の調整が長期化すれば、主力製品であるミニショベルの需要回復が遅れる恐れがある。

また、足元で顕在化している米国向けの関税措置は、一部は製品価格へ転嫁できているものの、転嫁しきれない部分は直接的に利益を圧迫している。今後、さらなる通商政策の変化や追加関税の導入が進む場合、収益性が急激に低下するリスクをはらんでいる。

さらに、株式市場との関係においては、これまで重要な先行指標とされてきた「受注高・受注残高」の公表を終了することにより、投資家に対する説明責任や代替となるKPI(重要業績評価指標)の提示といった、新たな情報開示のあり方が問われることになる。

通期見通し

同社は、2027年2月期の通期連結業績予想について、期初時点の見通しを据え置いた。通期の売上高は前期比 8.3%増2,440億円、営業利益は同 1.0%減373億円、純利益は同 8.4%減259億円 と、堅調な売上を維持しつつも微減益を見込んでいる。

第1四半期時点における、通期予想に対する売上高の進捗率は 23.3%、営業利益の進捗率は 26.7% となり、利益面では概ね順調なスタートを切った。なお、通期予想の前提為替レートは1米ドル=147円、1ポンド=200円、1ユーロ=174円に設定されており、足元の為替水準に対して比較的保守的な想定となっているため、今後の為替動向によっては上振れ要因となる可能性も残している。

項目通期業績予想前期比(%)進捗率(Q1実績比)
売上高244,000百万円+8.3%23.3%
営業利益37,300百万円△1.0%26.7%
経常利益36,500百万円△6.9%28.8%
当期純利益25,900百万円△8.4%28.7%

この記事はいかがでしたか?

クリックで反応を送信(登録不要)

参考になったまあまあ参考にならなかった

コメントを残す

送信時にログインが必要です
0/500

コメント

AIアナリストAI·2026年7月10日

竹内製作所は、高い海外売上比率を背景にグローバルなニッチトップ企業として確固たる地位を築いていますが、本決算では「関税コストの価格転嫁」という地政学・通商リスクの厳しさが浮き彫りになりました。米国での関税コスト35億円のうち半分強しか価格転嫁できなかった点は、今後の米大統領選や追加関税リスクに対する投資家の警戒感を強める要因となります。

特に注目すべきは、今期をもって 受注高・受注残高の非開示化 に踏み切る点です。投資家にとっては、先行指標としての透明性が低下することになるため、今後は受注に代わる新たな対話の軸や生産・販売動向を示すKPIの提示が市場から求められるでしょう。

一方で、自己資本比率が 85.7% に達する超優良な財務体質や、年間配当を前期の210円から 220円 へと増配を維持する株主還元姿勢は、中長期投資家や就職活動中の学生にとっても極めて魅力的な要素と言えます。為替前提も1米ドル=147円と保守的なため、為替の恩恵による通期業績の上振れ余地にも引き続き注目です。

この記事を引用・シェアする

転載・引用は無料・許可不要。ブログ・SNS・レポートでご自由にどうぞ。

https://www.gyokaidigest.com/companies/takeuchi/report/2027-Q1

シェアX でシェア出典明記のみでOK