業績予想大幅上方修正と増配へ、米国関税還付が寄与、自己株式取得も実施する理由
建設機械メーカーの竹内製作所は、10月13日に2027年2月期通期の連結業績予想を修正し、売上高と営業利益をそれぞれ前期比7.0%増、19.3%増と上方修正すると同時に、__配当水準の引き上げと自己株式の取得を決定しました。米国関税還付が寄与

業績予想の大幅上方修正と地域別動向
同社は2027年2月期(2026年3月1日〜2027年2月28日)の通期連結業績予想を、従前の予想から大幅に上方修正しました。売上高は前回予想の2,440億円から170億円の増収となる2,610億円と見通し、前年同期比で7.0%増となります。利益面では、営業利益が従前予想の373億円から72億円の増益となる445億円(前期比19.3%増)、経常利益も3,650億円から442億円(前期比21.1%増)へ、純利益は259億円から315億円(前期比21.6%増)へとそれぞれ引き上げられました。\n\n地域別の販売台数見通しでは、北米市場が上期5.0%増、下期1.2%増と堅調に推移し、通期で3.1%増を見込みます。特にレンタル会社向け販売の好調さが寄与しています。欧州市場も下期に回復基調が見え、通期で6.0%増となりました。一方でアジア・オセアニア地域は豪州販売子の事業閉鎖影響などで下期まで減速が続く見込みですが、これは期初から想定されていた範囲内とのことです。
主な増益要因として注目されるのが、米国における関税還付の恩恵です。この還付により、通期で68億円の営業利益増が見込まれています。また、円安進行による為替効果も利益押し上げに働いています。減益要因としては、原油高に伴う燃油サーチャージ上昇やパナマ運河通航制限による海上運賃の上昇、および米国での販売促進に伴うディスカウント拡大が織り込まれていますが、これらを大幅に上回る収益力を確保することとなりました。
配当方針の改定と株主還元の強化
収益力強化を受け、同社は株主還元政策を明確化するとともに、当期の配当予想も修正しました。年間配当合計は、従前の220円から245円へ引き上げられます。特に期末配当を110円から135円と設定し、年2回の中間・期末配当への変更を正式に実施します。これにより、連結配当性向は徐々に40%を目指す方針が打ち出されました。
同社はキャッシュフローを成長投資に優先的に配分しつつ、月商の2〜2.5ヶ月分を運転資金として確保した上で余剰資金を株主還元に充当するとしています。この基本方針の下、当期の利益水準と財政状態を勘案し、株主還元を強化する判断を下しました。
加えて、自己株式の取得を150億円規模で実行することも決定しました。取得株式数は上限220万株(発行済株式に対する割合4.8%)で、期間は2026年10月14日から当期終了日(2027年2月19日)までとされます。この取得は現行の株主還元方針に基づき、株価水準や資本効率を勘案した上でのものです。
さらに、従業員持株会を通じた譲渡制限付株式の付与も併せて決定しました。処分期日は2027年2月19日で、処分価額は市場動向を考慮して決定されます(最大で49,900株)。これは従業員の福利厚生充実と企業価値向上を図る目的であり、希薄化効果は最大でも発行済株式総数の0.10%程度に留まる見込みです。
為替環境とリスク要因の整理
本次業績予想における為替前提レートは、前期の実勢レートをベースに大きく円安方向へ設定されています。上期実勢レートを基にすると、米ドルは159.60円、英ポンドは213.14円、ユーロは184.84円となっています。下期の前提レートは、それぞれ米ドル150.00円、英ポンド204.00円、ユーロ175.00円、人民元22.30円と設定されています。前期通期前提レート(米ドル147円など)と比較すると、大幅な円安前提で収益性が改善したことが数値からもわかります。
今後のリスク要因として、原油価格の高止まりによる燃油サーチャージのさらなる上昇懸念や、パナマ運河の通航制限による物流コスト増が挙げられます。また、北米市場では住宅市場の低迷と金利の高止まりによりディーラー向け販売が低調な期間があったものの、データセンター建設やエネルギーインフラ工事への需要拡大などが事業を後押ししています。
アジア・オセアニア地域については、豪州ディストリビューターの事業閉鎖による影響が下期まで長引くことが予想されています。特に上期は豪州販売が大幅に下方修正されたものの、下期には前回予想並みの水準へ回復する見込みです。全体の連結販売台数は通期で4.0%増と、数量面でも前年を上回る成長を実現します。
開示前後の株価推移
開示当日の終値(2026/10/13)
7,650円
最新終値(2026/10/23)
7,990円+4.4%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#竹内製作所#建設機械#業績予想修正#増配#自己株式取得#株主還元#関税還付#円安効果
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コメント
同社の今回の対応は、一時的な収益要因(関税還付)を過大評価せず、構造的な株主還元の強化に注力している点が特徴的です。特に年2回配当への変更と連結配当性向40%目標は、中長期的な資本コスト低減や企業価値向上を意図したものと判断されます。投資家は、一時的な非経常利益(関税還付68億円)の割合が高いことにも留意しつつ、営業利益率の改善率が売上高増加率を上回っている点(レバレッジ効果)を評価材料とする必要があります。
また、米国での販売促進策によるディスカウント拡大が下期以降も続く可能性や、豪州市場のリカバリーペースには不確実性が残ります。一方で、自己株式取得の規模は発行済株式の約5%に達する大型なものであり、短期的な株価サポートにも寄与すると見られます。米国関連需要の持続性に注目しつつ、下期の実績が事前予想をどれだけ上回るかで市場の期待感変動が起きる可能性があります。
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