株式会社マキタ の会社詳細
株式会社マキタ
マキタ
2027年3月期 第1四半期
2026年7月29日

マキタ、2027年3月期第1四半期決算、円安効果で増収増益も通期予想据え置き

マキタ
決算
決算分析
四半期決算
増収増益
円安効果
海外売上
配当政策
通期予想
電動工具
第1四半期累計期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)

売上高

2,066億円

+10.7%

通期予想

8,200億円

進捗率25%

営業利益

306億円

+17.2%

通期予想

1,100億円

進捗率28%

純利益

229億円

+18.6%

通期予想

810億円

進捗率28%

営業利益率

14.8%

マキタが発表した2027年3月期第1四半期決算は、売上収益が前年同期比10.7%増の2,065億5,000万円営業利益が同17.2%増の305億6,500万円純利益が同18.6%増の228億6,600万円と増収増益だった。円安による現地通貨高が海外売上を押し上げ、米国関税還付による原価改善も利益を下支えした。しかし、中東情勢や為替の先行き不透明感から、通期業績予想は据え置いた。

業績のポイント

マキタ(株式会社マキタ)は2027年3月期第1四半期(2026年4〜6月)の連結業績を発表した。売上収益は2,065億5,000万円(前年同期比10.7%増)営業利益は305億6,500万円(同17.2%増)親会社株主に帰属する四半期純利益は228億6,600万円(同18.6%増)となり、増収増益を達成した。営業利益率は14.8%に上昇した。

主な増収要因は、米ドルやユーロを中心とした円安による現地通貨高の進行で、海外売上が前年同期比12.1%増と伸長したことにある。利益面では、米国政府からの関税還付によって売上原価率が改善し、営業利益を押し上げた。米国関税還付による原価改善は一時的な追い風だが、これがなければ増益幅は縮小していたとみられる。

地域別では、欧州が5割強を占める主力市場として前年同期比11.2%増と堅調に推移したほか、北米が同18.6%増、中南米が同28.1%増と大きく伸びた。一方、中近東・アフリカは地政学的リスクの高まりから同10.8%減と落ち込んだ。

経営環境は依然として厳しく、金利高、人手不足、建材コスト上昇が建築市場の回復を遅らせている。こうした中、マキタは高付加価値の充電式製品群(XGTシリーズや充電式園芸用機器)の拡販を強化し、需要の下支えを図っている。

業績推移(通期)

売上高営業利益|当期累計通期予想残

セグメント別動向

マキタの事業セグメントは地域別に日本、欧州、北米、アジア、その他(中南米・オセアニア・中近東アフリカ)に区分される。当第1四半期の外部売上収益と営業利益の状況は次の通り。

セグメント外部売上収益(百万円)営業利益(百万円)売上収益構成比
日本38,4346,71018.6%
欧州104,0428,02650.4%
北米23,3114,59611.3%
アジア8,9066,8334.3%
その他31,85691815.4%

(注)営業利益にはセグメント間取引の利益が含まれており、調整額+34億8,200万円を経て全体営業利益305億6,500万円に一致する。

日本(売上収益384億円、前年同期比1.8%増)では、住宅着工減や資材高騰の逆風下で、充電式園芸用機器やXGTシリーズが需要を下支えし微増収となった。営業利益は67億円。

欧州(同1,040億円、11.2%増)は最大市場だが、高金利による建築需要の低迷と記録的熱波が重なった。それでもユーロ高円安効果が寄与し増収。営業利益は80億円と利益面での貢献度は相対的に低く、利益率は7.7%にとどまった。

北米(同233億円、18.6%増)は住宅投資需要が弱含む一方、インフラ向け投資が堅調。加えて北中米ワールドカップに絡む大手ホームセンターの販促が奏功し、営業利益は前年同期比で大幅に増加し46億円となった。

アジア(同89億円、11.4%増)は中国不動産不況の影響が長期化し、他地域への波及も見られるが、高付加価値製品の拡販と生産拠点としての内部利益(セグメント間取引)が大きく、営業利益は68億円と高水準を維持した。

その他の内訳では、中南米が281%増、オセアニアが109%増と伸長。中近東・アフリカは地政学的緊張から108%減と振るわなかった。全体として販管費の増加などが営業利益の伸びを抑えた。

セグメント売上高構成比営業利益営業利益率
日本384億円19%67億円-
欧州1,040億円50%80億円-
北米233億円11%46億円-
アジア89億円4%68億円-
その他319億円15%9億円-

通期見通し

マキタは2027年3月期の連結業績予想を据え置いた。売上収益は前期比5.5%増の8,200億円、営業利益は同5.1%増の1,100億円、純利益は同2.0%増の810億円を見込む。想定為替レートは1ドル=155円、1ユーロ=180円(前期実績は150.67円、174.64円)。

第1四半期の進捗率は売上収益で25.2%、営業利益で27.8%と順調だが、経営環境は中東情勢や資源価格、物流コストの高止まり、各国の金融政策など不透明要因が多く、会社側は慎重な見方を維持した。

項目2027年3月期 予想2026年3月期 実績前回予想からの変化
売上収益820,000百万円777,600百万円変更なし
営業利益110,000百万円104,705百万円変更なし
純利益81,000百万円79,414百万円変更なし

配当については連結配当性向50%以上を基本方針としており、期末配当は未定だが、年間配当予想の中間配当は1株当たり79円を公表済み。前期は中間20円、期末130円の合計150円だった。

財務状況と資本政策

総資産は前期末比103億円増の1兆1,915億円。棚卸資産の増加(+101億円)が主因で、迅速な供給体制維持のため在庫水準が高止まりしている。自己資本比率は84.5%と極めて高く、無借金経営に近い盤石な財務基盤を誇る。

キャッシュ・フローは営業活動で317億円の収入。投資活動は14億円の収入、財務活動は配当金336億円や自己株式取得41億円などで379億円の支出となり、現金同等物残高は前期末とほぼ横ばいの2,563億円。

株主還元では、第1四半期の配当はゼロ(年間配当は期末一括)だが、通期の配当予想は連結配当性向50%以上をメドとする方針に沿って決定される。自己株式は前期末比で40億円強取得し、発行済株式数の約8%を保有している。今後も機動的な自社株買いが期待される。

リスクと課題

決算短信から読み取れる主なリスク要因は以下の通り。

  • 地政学リスク:中東情勢の悪化やホルムズ海峡封鎖の影響が中近東・アフリカ地域に直撃し、物流コスト高騰や販売減を招く恐れがある。
  • 為替変動:今回の増収増益は円安に大きく依存しており、急激な円高に転じれば業績の下押し要因となる。通期想定レート(155円、180円)は現在の水準より円高方向に設定されており、為替差益の剥落リスクが意識される。
  • 海外景気の減速:世界的な高金利環境が長期化すれば、建築・住宅投資需要がさらに冷え込む可能性がある。特に欧州と北米の住宅市場動向が重要。
  • 米国関税政策:第1四半期に利益を押し上げた関税還付は一時的なものであり、今後の通商政策次第では逆風となり得る。
  • 競争環境:電動工具市場は価格競争が激化しており、高付加価値製品の継続的な開発投入が不可欠。

これらのリスクに対し、マキタは海外生産比率92%超のグローバル供給網と、XGTシリーズに代表される技術優位性で対抗する構えだ。

研究開発・成長投資

当第1四半期の研究開発費は45億6,900万円(前年同期比16.6%増)と積極的な投資姿勢を示した。通期計画は185億円と前期実績から約11%増。設備投資は40億4,700万円(微減)、減価償却費は63億5,100万円。

通期の設備投資計画は前期比39%増の300億円を予定しており、国内外の生産拠点の自動化・効率化や、充電式工具の新製品開発に重点が置かれている。研究開発と設備投資の拡大は、中長期の成長基盤強化に向けた布石といえ、脱炭素・電動化の潮流を捉えたXGTシリーズの進化がカギを握る。

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コメント

AIアナリストAI·2026年7月29日

第1四半期は円安と関税還付という一時的利益が下支えした印象で、為替の剥落リスクや中東情勢など先行き不透明な点が気になる。研究開発費や設備投資を着実に積み増しており、中長期の成長に向けた種まきは評価できる。

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https://www.gyokaidigest.com/companies/makita/report/2027-Q1

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