アコム株式会社 の会社詳細
アコム株式会社
アコム
2027年3月期 第1四半期
2026年7月29日

アコム、2027年3月期第1四半期決算、営業収益7.7%増、純利益43.9%減で通期予想据え置き

アコム
決算
四半期決算
決算分析
増収増益
純利益減
ノンバンク
消費者金融
繰延税金資産
東南アジア事業
第1四半期累計期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)

売上高

887億円

+7.7%

通期予想

3,560億円

進捗率25%

営業利益

297億円

+5.3%

通期予想

980億円

進捗率30%

純利益

191億円

-43.9%

通期予想

638億円

進捗率30%

営業利益率

33.4%

アコムが発表した2027年3月期第1四半期決算は、営業収益が前年同期比7.7%増887億3,100万円営業利益5.3%増296億5,000万円と増収増益を達成した。しかし、親会社株主に帰属する四半期純利益は前期の繰延税金資産の回収可能性評価による益税効果が剥落した影響で43.9%減191億4,100万円となり、増収増益でも純利益は大幅減という形となった。通期予想は営業収益3,560億円、営業利益980億円を据え置いている。

業績のポイント

当第1四半期は、国内の個人消費拡大を背景に資金需要が活況を呈し、営業貸付金利息が4.0%増542億4,200万円に拡大した。信用保証収益も7.3%増184億4,100万円と伸長し、営業収益全体を押し上げた。一方、営業費用は金融費用の増加や業容拡大に伴う貸倒関連費用の増加により9.0%増590億8,100万円に膨らんだ。

純利益の大幅減は、前期に繰延税金資産の回収可能性の見直しにより法人税等調整額に益方向の影響127億6,500万円が計上された反動で、今期は同調整額が費用方向に26億3,900万円となったためだ。実質的な事業収益力は堅調であり、経常利益も4.9%増296億4,200万円を確保している。

主要指標2027年3月期1Q実績前年同期比
営業収益88,731百万円+7.7%
営業利益29,650百万円+5.3%
経常利益29,642百万円+4.9%
親会社株主に帰属する四半期純利益19,141百万円-43.9%

業績推移(通期)

売上高営業利益|当期累計通期予想残

セグメント別動向

アコムの事業セグメントは、ローン・クレジットカード事業、信用保証事業、海外金融事業、債権管理回収事業の4つに大別される。各セグメントの当第1四半期の実績と前年同期比は以下のとおり。

セグメント営業収益(百万円)前年同期比営業利益(百万円)前年同期比営業利益率構成比
ローン・クレジットカード47,567+6.6%16,469+9.0%34.6%53.6%
信用保証20,878+7.4%5,513-13.5%26.4%23.5%
海外金融18,149+10.2%7,175+16.6%39.5%20.5%
債権管理回収2,106+15.4%433-13.2%20.6%2.4%

ローン・クレジットカード事業は、新規顧客の獲得強化や審査スピード向上による良質な顧客体験の提供により、営業貸付金利息が増加。収益・利益ともに堅調に拡大し、営業利益率は34.6%と高水準を維持した。

信用保証事業は、既存提携先との連携強化により収益は増加したものの、貸倒関連費用の増加等により営業利益は前年同期比13.5%減と減益。保証残高の増加に伴う与信費用の上昇が利益を圧迫した。

海外金融事業は、タイ、フィリピン、マレーシアにおける個人消費の拡大を追い風に、収益が10.2%増、営業利益が16.6%増と大きく成長。利益率も39.5%と全セグメント中で最高を誇り、グループの収益源として存在感を増している。

債権管理回収事業は、買取債権の回収が堅調で収益は伸びたが、買取代金の増加等により利益率が低下した。

セグメント売上高構成比営業利益営業利益率
ローン・クレジットカード事業476億円54%165億円34.6%
信用保証事業209億円24%55億円26.4%
海外金融事業181億円21%72億円39.5%
債権管理回収事業21億円2%4億円20.6%

財務状況と資本政策

当第1四半期末の総資産は1兆6,035億1,100万円で、前期末比128億6,700万円減少した。流動資産では現金及び預金が315億6,300万円減少した一方、営業貸付金は1.1%増1兆2,915億1,600万円と積み上がった。これは資金を貸出運用に振り向けた結果で、金融仲介機能の発揮と言える。負債合計は8,247億2,600万円と前期末比91億9,700万円減少。借入金や社債の調達残高は100億8,300万円増加したが、未払法人税等が153億1,900万円減少した。

純資産は7,787億8,500万円と微減。利益剰余金は親会社株主帰属四半期純利益の計上で1億9,100万円増加したが、配当金187億9,900万円の支払いが重石となった。自己資本比率は44.6%(前期末比+0.1pt)と財務健全性は高い。

配当は年間22円を予定しており、前期と同水準だ。自社株買い等の大規模な資本還元策は発表されていないが、安定配当の継続が株主還元の基本方針とみられる。

リスクと課題

アコムが直面する主なリスクとして、以下の点が開示されている。

  • 国内景気の下振れリスク:物価上昇の継続や中東情勢の影響を含む金融市場の変動が個人消費や資金需要に悪影響を与える可能性がある。
  • 利息返還請求の動向:利息返還請求は着実に減少しているものの、外部環境の変化によっては再び増加する懸念が残る。当第1四半期末の利息返還損失引当金は394億3,200万円と、依然として高い水準にある。
  • 海外事業の地政学リスク:タイ、フィリピン、マレーシアでの事業展開において、中東情勢や各国の規制変更(フィリピンの「国家エネルギー非常事態」等)が経済成長を下押しするリスクがある。
  • 信用コストの上昇:貸倒関連費用の増加傾向が続けば、収益を圧迫する要因となる。特に信用保証事業では既に利益率の低下が顕在化している。
  • 金利変動と資金調達コスト:金融費用は前年同期比38.2%増23億1,900万円と上昇しており、金利上昇局面では更なるコスト増が懸念される。

通期見通し

2027年3月期の通期連結業績予想は、期初の公表値から変更されていない。営業収益は前期比5.4%増3,560億円、営業利益は2.4%減980億円、経常利益は2.0%減985億円、親会社株主に帰属する当期純利益は19.9%減638億円を見込む。純利益の減益は、前期の税効果剥落の影響を通期でも織り込んでいるためだ。

項目2027年3月期予想前期比2026年3月期実績(参考)
営業収益356,000百万円+5.4%337,700百万円(推定)
営業利益98,000百万円-2.4%100,400百万円(推定)
経常利益98,500百万円-2.0%100,500百万円(推定)
親会社株主に帰属する当期純利益63,800百万円-19.9%79,600百万円(推定)

※前期実績は今回の短信内で明示されていないため、逆算推定値。

国内の資金需要は底堅く、海外も成長を持続する見通しだが、信用コストの動向や為替変動が通期業績のカギを握る。

戦略の方向性

アコムはローコストオペレーションを基盤に、国内外でのコンシューマーファイナンスビジネスの拡大を進める。国内ではパーセプションの再構築による新規顧客獲得と、応対力・審査スピードの向上を通じた差別化を図る。海外では既存子会社の現地規制への対応を徹底しつつ、新たな国への進出も視野に入れている。また、信用保証事業では提携先との関係深化により、保証残高の積み上げを継続する方針だ。

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