マックス、2027年3月期第1四半期決算、増収増益で通期予想を上方修正

マックスの2027年3月期第1四半期決算を分析すると、売上高は前年同期比16.9%増、営業利益は20.1%増、純利益は20.2%増となり、増収増益でした。欧米で鉄筋結束機などの販売が伸びたほか、第1四半期の好調を受けて通期業績予想を上方修正しました。海外機工品が成長をけん引し、営業利益率も改善しています。

決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 283億円 | +16.9% | 1,099億円 | 26% |
| 営業利益 | 59億円 | +20.1% | 199億円 | 30% |
| 純利益 | 43億円 | +20.2% | 151億円 | 29% |
| 営業利益率 | 20.7% | |||
この決算のポイント
- 1インダストリアル機器部門は売上高が前年同期比20.3%増、セグメント利益は21.5%増。
- 2海外機工品事業の売上高は36.4%増。欧米のインフラ投資と現場の機械化需要が追い風。
- 3通期売上高予想を1,099億円、営業利益予想を199億円に修正。会社は第1四半期の好調を理由に挙げた。
- 4年間配当予想は株式分割後で40円。前期配当を分割後換算した37円から増配となる見通し。
- 5MAX Scandinavia ABと藤工業を連結子会社化。買収に伴い、のれんや負ののれん発生益を計上。
業績のポイント
マックス(マックス株式会社)は2027年3月期第1四半期に、売上高283億3,400万円(前年同期比16.9%増)、営業利益58億7,900万円(同20.1%増)、親会社株主に帰属する純利益43億2,300万円(同20.2%増)を確保しました。営業利益率は20.7%と、前年同期から0.5ポイント上昇しました。
- 売上高の増加額: 前年同期から40億9,400万円増。インダストリアル機器部門、とりわけ海外機工品事業の伸びが大きく寄与しました。
- 営業利益の増加額: 前年同期から9億8,400万円増。主力部門の増収に加え、利益率も前年同期の20.2%から改善しました。
- 経常利益: 60億1,500万円で前年同期比21.1%増。営業利益を上回る伸びとなりました。
- 1株当たり利益: 24.14円。前年同期の19.57円と比べて増加しました。比較値は4月1日付の1株を4株とする株式分割を反映しています。
業績を押し上げたのは、欧米での鉄筋結束機と消耗品の販売です。インフラを中心とした非住宅建設が底堅く、建設現場の人手不足を背景に機械化需要も強まりました。国内では住宅着工や非住宅建築が停滞する一方、海外の需要がそれを補い、増収と利益率の改善につながりました。
セグメント別動向
インダストリアル機器部門が全社の成長をけん引し、オフィス機器部門も増収増益でした。一方、HCR機器部門は中国向け車いす販売の減少で小幅減収となり、営業損失に転じました。
| セグメント | 売上高の前年比 | 利益の前年比 | 主な動き |
|---|---|---|---|
| オフィス機器 | +8.1% | +4.6% | 海外の文字表示機器が好調 |
| インダストリアル機器 | +20.3% | +21.5% | 欧米の鉄筋結束機が伸長 |
| HCR機器 | -1.3% | 利益減少 | 中国レンタル向けが低調 |
オフィス機器部門は売上高57億8,300万円、セグメント利益10億3,400万円でした。海外ではチューブマーカー「レタツイン」の新製品を軸に営業を強化し、文字表示機器の販売が増加しました。国内の文具関連製品や、オートステープラの消耗品も堅調でしたが、利益率は前年同期から低下しました。
インダストリアル機器部門は売上高217億9,000万円、セグメント利益62億4,500万円と、両部門の中で最も大きく伸びました。海外機工品の売上高は133億9,500万円で、欧米のインフラ投資や人手不足を背景に、鉄筋結束機と消耗品が好調でした。国内では鉄筋結束機の稼働台数増加が消耗品を支えた一方、住宅着工の低迷や工期遅延で木造建築向け工具は弱含みました。
HCR機器部門は売上高7億6,000万円、セグメント損失600万円でした。国内の車いす販売は価格改定効果などで底堅かったものの、中国のレンタル市場向けが減少しました。住環境機器では浴室暖房換気乾燥機「ドライファン」のリプレイス需要が伸び、既設機の置き換えが下支えしました。
- オフィス機器+8.1%
- インダストリアル+20.3%
- HCR機器-1.3%
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| オフィス機器 | 58億円 | 20% | 10億円 | 17.9% |
| インダストリアル機器 | 218億円 | 77% | 62億円 | 28.7% |
| HCR機器 | 8億円 | 3% | -6百万円 | -0.8% |
財務状況と資本政策
6月末の総資産は1,370億1,000万円で、前期末から9億1,900万円減少しました。自己資本比率は82.3%と高水準を維持したものの、前期末の83.6%から1.3ポイント低下しています。
| 項目 | 2027年3月期第1四半期 | 比較対象 | 増減・内容 |
|---|---|---|---|
| 総資産 | 1,370億1,000万円 | 前期末 1,379億2,900万円 | 9億1,900万円減 |
| 自己資本比率 | 82.3% | 前期末 83.6% | 1.3ポイント低下 |
| 営業CF | 27億4,900万円の収入 | 前年同期 29億6,800万円の収入 | 収入額が減少 |
| 投資CF | 12億6,300万円の支出 | 前年同期 26億8,500万円の支出 | 支出額が縮小 |
| 財務CF | 61億6,400万円の支出 | 前年同期 49億3,300万円の支出 | 配当支払いが中心 |
現金及び現金同等物は期末に318億3,800万円となり、期首から44億3,200万円減少しました。営業活動では利益や減価償却費が資金を生んだ一方、法人税の支払いや棚卸資産の増加が資金流出要因となりました。投資活動には子会社株式の取得支出18億7,300万円が含まれています。
年間配当予想は株式分割後で40円です。前期の配当148円は分割前の実績で、分割後に換算すると37円に相当するため、今期は実質的に増配の計画です。会社は純資産配当率6.0%、配当性向50%を配当政策の目安としており、第1四半期には自己株式取得による支出4,000万円も計上しました。
通期見通し
マックスは2027年3月期の第2四半期累計と通期の連結業績予想を修正しました。会社は、第1四半期の業績が好調に推移し、4月30日に公表した予想を上回る見込みとなったことを修正理由に挙げています。
| 項目 | 前回予想 | 今回予想 | 前期実績 |
|---|---|---|---|
| 通期売上高 | 数値記載なし | 1,099億円(前年比 +10.3%) | 数値記載なし |
| 通期営業利益 | 数値記載なし | 199億円(前年比 +13.3%) | 数値記載なし |
| 通期経常利益 | 数値記載なし | 199億円(前年比 +8.3%) | 数値記載なし |
| 通期純利益 | 数値記載なし | 150億5,000万円(前年比 +8.3%) | 数値記載なし |
| 第2四半期累計売上高 | 数値記載なし | 551億円(前年比 +13.2%) | 数値記載なし |
短信には前回予想と前期実績の金額が掲載されていないため、比較欄は数値記載なしとしました。通期予想の修正幅そのものはこの短信から確認できませんが、会社は第1四半期の好調を理由に上方修正を公表しています。住宅市場の弱さや国際情勢、為替の変動も業績に影響し得るため、今後は海外機工品の勢いが続くか、期初に織り込んだ利益成長を維持できるかが焦点です。
戦略トピック
マックスは第1四半期に海外企業など2社を連結子会社に加え、インダストリアル機器の事業基盤を広げました。欧州販売子会社を通じた買収と国内企業の取得で、海外展開と製品・販売網の拡充を進める動きです。
- MAX Scandinavia AB: 欧州販売子会社MAX EUROPE B.V.がBo Fastening ABの全株式を取得し、社名を変更しました。インダストリアル機器セグメントで13億8,700万円ののれんを計上しました。
- 藤工業株式会社: 全株式を取得し、連結対象に加えました。取得に関連して、特別利益として2億1,900万円の負ののれん発生益を計上しています。
- 業績への影響: 買収に伴う子会社株式取得支出は投資キャッシュフローに含まれています。取得後の販売拡大や統合効果が、今後の売上・利益にどの程度表れるかが確認点です。
海外機工品事業では、すでに欧米で鉄筋結束機の需要が伸びています。今回の買収は、そうした既存の成長領域で販売網や事業基盤を強める狙いがうかがえますが、短信では買収先ごとの売上・利益貢献額は示されていません。
リスクと課題
海外需要の拡大が業績を押し上げた一方、建設市場や国際情勢の変化は部門ごとの販売に影響します。会社も米国の政策動向、中東情勢、為替などを業績に影響し得る要因として挙げています。
- 住宅・建設市場の停滞: 国内では新設住宅着工や非住宅建築が低迷し、木造建築向け工具の販売に影響しました。市場の回復が遅れれば、国内機工品の伸び悩みにつながる可能性があります。
- 海外の景気・政策動向: 米国では住宅価格やローン金利の高止まりで住宅着工が低調でした。インフラ投資は堅調ですが、政策や投資環境の変化で需要が弱まるリスクがあります。
- 地政学・為替の変動: 中東情勢などの不安定化は欧州の景気回復や工期に影響し、為替変動も業績を左右します。会社はこれらを業績への影響要因として明記しています。
- 中国向け車いす販売: HCR機器部門では中国のレンタル市場向け販売が減少しました。低調が続けば、同部門の収益改善を妨げるおそれがあります。
足元ではインダストリアル機器の利益成長が全社業績を支えています。特定市場への依存を抑えながら、買収先を含む海外事業の収益力を高められるかが中期的な課題です。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/7/29)
1,746円
最新終値(2026/10/23)
1,905円+9.1%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#マックス#決算#決算分析#四半期決算#増収増益#インダストリアル機器#通期予想上方修正#海外展開#配当
この記事はいかがでしたか?
クリックで反応を送信(登録不要)
コメント
今回の決算は、住宅市場が弱い中でも、欧米の非住宅建設と人手不足を背景にした機械化需要を取り込めた点が評価できます。インダストリアル機器部門の伸びが、全社の増収増益を明確に支えました。
一方で、好調の中心が海外機工品にあるため、欧米の建設投資や為替が変わると業績への影響が大きくなる可能性があります。上方修正後の計画を達成できるかに加え、買収した2社が販売拡大や利益成長に結びつくかを、次の四半期以降に見極めたいところです。
Googleで業界ダイジェストを優先表示
Google検索の「トップニュース」やAIによる概要で、当サイトの記事が見つけやすくなります。
この記事を引用・シェアする
転載・引用は無料・許可不要(出典明記のみでOK)
https://www.gyokaidigest.com/companies/max/report/2027-Q1
関連記事
電動工具・小型建機の最新記事
- 決算解説マキタ2027年3月期 第1四半期マキタ、2027年3月期第1四半期決算、円安効果で増収増益も通期予想据え置き

- 決算解説竹内製作所2027年2月期 第2四半期(中間期)竹内製作所、2027年2月期第2四半期決算、受注48%増で売上高16%増の好調も関税影響は依然

- 決算解説やまびこ2026年12月期 第2四半期(中間期)やまびこ、2026年12月期第2四半期決算、営業利益37%増で通期予想を上方修正

- 決算解説ダイキン2027年3月期 第1四半期ダイキン、2027年3月期第1四半期決算、売上高17%増も純利益減

- 重要な事項等の同時開示竹内製作所10月13日業績予想大幅上方修正と増配へ、米国関税還付が寄与、自己株式取得も実施する理由

- 自己株式取得終了ダイキン9月7日ダイキン工業、FCSR事後調整で9万6300株増額。平均株価2万3184円で新株予約権者より無償取得を実施

掲載企業

マックス株式会社
東証 6454
これが最新の決算解説です





