株式会社メイテックグループホールディングス の会社詳細
株式会社メイテックグループホールディングス
メイテックグループホールディングス
2026年3月期 第3四半期

メイテックG・2026年3月期第3四半期、純利益13.5%増の111億円——技術者派遣が堅調、製造業のR&D需要捉える

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メイテック
増収増益
技術者派遣
製造業R&D
稼働率
エンジニア採用
増配
高還元
決算レポート
第3四半期累計期初から9ヶ月間の累計値(前年同期比)

売上高

1,035億円

+3.1%

通期予想

1,370億円

進捗率76%

営業利益

162億円

+6.3%

通期予想

202億円

進捗率80%

純利益

111億円

+13.5%

通期予想

139億円

進捗率80%

営業利益率

15.6%

株式会社メイテックグループホールディングスが発表した2026年3月期第3四半期決算は、売上高が前年同期比 3.1%増1,035億2,200万円 、純利益が 13.5%増111億2,400万円 と増収増益を確保した。大手製造業による次世代技術への投資意欲が衰えず、主軸の エンジニア派遣事業 において高い稼働率を維持したことが業績を牽引した。前年同期に計上した大型研修施設の減損損失がなくなったことも、最終利益の二桁増を後押しする要因となっている。

業績のポイント

当第3四半期累計期間における日本経済は、不安定な海外情勢や物価高の影響を受けつつも、製造業を中心とした研究開発投資は底堅く推移した。同社グループの連結売上高は前年同期比 3.1%増1,035億2,200万円 となり、営業利益は 6.3%増161億6,800万円 を記録した。特に、売上の9割超を占めるメイン事業において、主要顧客である大手製造業の技術開発ニーズを的確に捉えたことが収益向上に寄与している。

利益面では、労務費の増加といったコスト増要因があったものの、販売費及び一般管理費を前年同期比 4.9%減122億1,100万円 に抑えるなど効率的な経営が光った。親会社株主に帰属する四半期純利益については、前年同期に計上した減損損失 6億2,000万円 の剥落もあり、 13.5%増 と大幅な伸びを見せている。1株当たり純利益も前年の126.95円から 144.09円 へと着実に向上しており、株主還元への期待が高まる内容となった。

指標2025年3月期 Q32026年3月期 Q3前年同期比
売上高100,398百万円103,522百万円+3.1%
営業利益15,212百万円16,168百万円+6.3%
経常利益15,253百万円16,295百万円+6.8%
四半期純利益9,801百万円11,124百万円+13.5%

業績推移(通期)

売上高営業利益|当期累計通期予想残

セグメント別動向

主力である エンジニアリングソリューション事業 は、売上高が前年同期比 3.2%増1,025億6,000万円 、セグメント利益は 7.4%増160億5,800万円 と好調を維持した。エンジニアの採用環境は依然として厳しいものの、既存社員の配属促進に注力した結果、稼働率はメイテック(MT)で 98.2% 、メイテックフィルダーズ(MF)で 96.7% と、極めて高い水準をキープしている。時間外労働の減少により一人当たりの労働時間は微減したものの、受注の強さがそれを補った形だ。

一方、 エンジニア紹介事業 を手掛けるメイテックネクストは、売上高が前年同期比 3.8%減9億6,500万円 、セグメント利益は 3.2%減3億3,100万円 と苦戦した。企業側の求人意欲は高いものの、紹介決定件数の減少が響き、減収減益を余儀なくされている。技術者の獲得競争が激化する中で、マッチングの難易度が上昇していることが背景にある。

セグメント名売上高 (前年比)営業利益 (前年比)営業利益率
エンジニアリングソリューション102,560百万円 (+3.2%)16,058百万円 (+7.4%)15.6%
エンジニア紹介965百万円 (△3.8%)331百万円 (△3.2%)34.3%
その他(HD運営等)13,386百万円 (+74.3%)12,845百万円 (+80.7%)95.9%

※「その他」にはグループ間取引および不動産管理等が含まれる。

セグメント売上高構成比営業利益営業利益率
エンジニアリングソリューション事業1,026億円99%161億円15.6%
エンジニア紹介事業10億円1%3億円34.3%

財務状況と資本政策

2025年12月末時点の総資産は、前期末比 126億2,900万円減809億7,600万円 となった。この主な要因は、賞与の支給や法人税等の納付、配当金の支払いによって現金及び預金が 87億9,000万円減少 したことによるものだ。資産規模は縮小したものの、負債も賞与引当金の減少などで 82億4,200万円減少 しており、自己資本比率は前期末の52.1%から 54.8% へと上昇し、財務の健全性はさらに高まっている。

配当政策については、2026年3月期の年間配当予想を 181円 としている。前期の198円(創業50周年記念配当30円を含む)と比較すると見かけ上は減配だが、普通配当ベースでは前期の168円から 13円の増配 となる計算だ。高い利益成長を背景に、安定的な増配を継続する経営姿勢が鮮明になっている。なお、第2四半期末には既に90円の配当を実施済みで、期末には91円の支払いを予定している。

通期見通し

2026年3月期の通期業績予想については、前回発表の数値を据え置いた。売上高は前期比 3.0%増1,370億円 、営業利益は 7.3%増202億円 を見込む。第3四半期までの進捗率は売上高で 75.5% 、営業利益で 80.0% と順調に推移しており、目標達成に向けた確度は高い。期末にかけても主要顧客のR&D予算の執行は堅調に推移すると予測している。

項目前回予想当期実績(Q3累計)進捗率
売上高137,000百万円103,522百万円75.5%
営業利益20,200百万円16,168百万円80.0%
経常利益20,400百万円16,295百万円79.8%
当期純利益13,900百万円11,124百万円80.0%

リスクと課題

同社が直面する最大の経営課題は エンジニアの確保 である。2025年12月末時点のエンジニア社員数は12,283名と、前年同期から 82名減少 した。稼働率がMTで98%を超える高水準にあるということは、裏を返せば「派遣できる人員に余裕がない」状態を意味する。受注が堅調であっても、採用が計画通りに進まなければ、さらなる売上成長のボトルネックとなる懸念がある。

また、外部環境のリスクとして、不透明な世界情勢による製造業の投資抑制も挙げられている。現在はEV(電気自動車)やAI、半導体関連の技術開発が活発だが、主要顧客の業績悪化や戦略変更が起きた場合、派遣単価や稼働率に影響を及ぼす可能性がある。同社は引き続き、教育研修を通じたエンジニアの付加価値向上を図り、市況に左右されにくい体制構築を急いでいる。

AIアナリストの視点

メイテックの決算で特筆すべきは、人材不足という逆風下での「稼働率の極大化」です。MT(メイテック本体)の稼働率98.2%は、研修中や待機者がほぼ存在しないに等しい驚異的な数字であり、これが高い利益率(15%超)の源泉となっています。

投資家的な視点では、以下の3点がポイントです。

  • 採用が成長の天井: 需要は十分にあるが、社員数が微減している点は懸念材料。採用コストをかけてでも人数を増やせるか、あるいは単価アップをどこまで進められるかが焦点になります。
  • 実質増配の評価: 記念配当を除いたベースでの増配は、同社のキャッシュ創出力への自信の表れと言えます。
  • 純利益の伸び: 一過性の損失が消えたことで、見た目の利益成長率が高まっており、ROEなどの資本効率指標も改善傾向にあります。

就職活動中の学生にとっては、この「高稼働率」は配属のチャンスが多いことを示す一方、現場での即戦力としての期待が高いことも意味します。教育研修体制の充実度が、同社の競争力の維持に直結していることが読み取れる決算でした。