オンワード、2027年2月期第2四半期決算、増収増益で記念配当を実施
オンワードの2027年2月期第2四半期決算は、売上高が前年同期比4.3%増、営業利益が7.0%増、純利益が16.6%増となりました。戦略強化ブランドの販売が伸び、店舗運営や販促の効率化も利益を押し上げました。通期予想は据え置く一方、創業100周年の記念配当を加え、年間配当予想を36円に引き上げました。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,175億円 | +4.3% | 2,470億円 | 48% |
| 営業利益 | 61億円 | +7.0% | 128億円 | 48% |
| 純利益 | 56億円 | +16.6% | 112億円 | 50% |
| 営業利益率 | 5.2% | |||
この決算のポイント
- 1国内事業はブランド販促が奏功し、売上高は前年同期比4.0%増、営業利益は14.0%増。
- 2海外事業は売上高が9.1%増。J.PRESSの黒字転換をJOSEPHの赤字拡大が打ち消した。
- 3コスメ・デ・ボーテを連結子会社化し、取得に伴うのれん28億48百万円を計上。
- 4年間配当予想を前期の30円から36円に修正。期末に創業100周年記念配当3円を含む。
- 5営業キャッシュ・フローは37億74百万円の支出。前年同期の39億80百万円の収入から流出に転じた。
業績のポイント
オンワード(オンワードホールディングス)の中間期は、売上高1,175億25百万円(前年同期比4.3%増)、営業利益61億39百万円(同7.0%増)、親会社株主に帰属する中間純利益56億25百万円(同16.6%増)でした。増収と販管費効率化で増益となり、経常利益も59億36百万円(同7.5%増)に伸びています。
- 売上の押し上げ: 戦略強化ブランドを軸にプロモーションを強め、国内事業を中心に販売が拡大しました。
- 利益率への逆風: 原材料などのコスト上昇と、在庫水準を適正化するための販売施策で、売上総利益率は低下しました。
- 費用の抑制: 店舗運営や販促プロモーションの効率化を進め、販管費率を引き下げました。
- 純利益の伸び: 税引前中間純利益は前年同期の65億円から71億3百万円へ増加。法人税等の負担も前年同期より減りました。
売上総利益率の低下を、販管費率の改善で補った点が今回の利益成長の特徴です。純利益の伸びが営業利益を上回った背景には、税引前利益の増加に加え、法人税等合計が前年同期の16億77百万円から14億77百万円に減ったこともあります。会社が重視するEBITDAは89億61百万円(前年同期比6.6%増)でした。
セグメント別動向
国内事業は増収増益、海外事業は増収ながら営業赤字が拡大しました。売上高の伸びだけでなく、海外の採算改善が今後の焦点となります。
| セグメント | 売上高の前年比 | 営業損益の前年差 |
|---|---|---|
| 国内事業 | +4.0% | +8億66百万円 |
| 海外事業 | +9.1% | -3億67百万円 |
国内事業は、カシヤマ、アンフィーロ、チャコット・コスメティクスなどの戦略強化ブランドが好調でした。デジタルマーケティングやプロモーションの強化が販売につながり、オンワードパーソナルスタイルやチャコットも増収に寄与しました。
海外事業は、地域によって明暗が分かれました。J.PRESSは店舗とECの売上がともに伸びて黒字転換し、アジアではオーダースーツの生産受注増加を受けて大連工場の稼働率が上昇しました。一方、JOSEPHはECが伸びたものの小売・卸売が低調で、海外全体の赤字幅は前年同期より拡大しました。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 国内事業 | 1,088億円 | 93% | 71億円 | 6.5% |
| 海外事業 | 87億円 | 7% | -497百万円 | -5.7% |
財務状況と資本政策
中間期末の総資産は前期末から57億18百万円減の1,835億5百万円、自己資本比率は52.5%でした。営業キャッシュ・フローが前年同期の黒字から赤字に転じ、現金及び現金同等物は期首から94億14百万円減少しました。
| 項目 | 2027年2月期中間期末・中間期 | 前年同期または前期末との比較 |
|---|---|---|
| 総資産 | 1,835億5百万円 | 前期末比 -57億18百万円 |
| 自己資本比率 | 52.5% | 前期末の49.4%から上昇 |
| 営業キャッシュ・フロー | -37億74百万円 | 前年同期は+39億80百万円 |
| 投資キャッシュ・フロー | -39億59百万円 | 前年同期は-11億69百万円 |
| 年間配当予想 | 36円 | 前期実績30円から6円増 |
営業キャッシュ・フローの悪化には、仕入債務の減少や法人税等の支払いが影響しました。投資キャッシュ・フローには、設備投資に加え、子会社株式の取得支出24億85百万円が含まれます。年間配当予想は期末に創業100周年の記念配当3円を加えた内容で、期末配当20円のうち普通配当は17円です。短信に自社株買いの発表はありません。
通期見通し
2027年2月期の通期業績予想は、2026年4月公表分から変更ありません。中間期の増収増益を踏まえつつも、会社は通期計画を据え置き、下期の市場環境やコスト動向を見極める姿勢です。
| 指標 | 前回予想 | 今回予想 | 前期比予想 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 2,470億円 | 2,470億円 | +4.3% |
| 営業利益 | 128億円 | 128億円 | +10.3% |
| 経常利益 | 123億円 | 123億円 | +10.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 112億円 | 112億円 | +10.9% |
通期予想に対する中間期の進捗率は、売上高が約47.6%、営業利益が約48.0%、純利益が約50.2%です。いずれもおおむね計画の半分に達していますが、原材料コストや在庫調整を目的とした販売施策が利益率に与える影響には注意が必要です。
戦略トピック
オンワードは新規事業やM&Aを通じて事業基盤を広げる方針を掲げ、当中間期には化粧品事業を手がけるコスメ・デ・ボーテを連結子会社化しました。取得に伴い、のれん28億48百万円を計上しています。
- 連結範囲の変更: コスメ・デ・ボーテを新たに連結子会社とし、連結範囲に重要な変更がありました。
- 取得後の会計処理: のれんは取得原価の配分が完了していないため、短信では暫定額として開示されています。
- 成長の狙い: 既存ブランドの販促強化に加え、新規事業やM&Aを成長加速の手段として位置づけています。
M&Aは事業領域の拡大につながる一方、買収後の収益貢献やのれんに見合う利益を生み出せるかが重要です。既存のチャコット・コスメティクスなどとの相乗効果を含め、今後の業績説明で買収事業の進捗がどこまで示されるかが注目されます。
リスクと課題
会社は国内景気に緩やかな回復を見込む一方、外部環境の不透明さやコスト上昇を挙げています。国内の利益成長を保ちながら、海外事業の採算を改善できるかが課題です。
- 地政学・通商政策: 中東情勢や米国の通商政策の動向が不透明で、景気や消費の変化を通じて販売に影響する可能性があります。
- 自然災害: 各地で発生した自然災害が、店舗運営や物流、消費者の購買行動に影響するリスクがあります。
- 原材料コストと在庫: 原材料などのコスト上昇が利益率を圧迫しています。在庫適正化のための販売施策も、売上総利益率を下げる要因になりました。
- 海外事業の採算: JOSEPHの小売・卸売が低調で赤字幅が拡大しました。J.PRESSやアジア事業の改善を、海外全体の黒字化につなげられるかが焦点です。
- 買収後の収益化: コスメ・デ・ボーテの連結化で事業基盤が広がる一方、買収後の利益貢献やのれんの回収状況を見極める必要があります。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/7)
703円
最新終値(2026/10/23)
767円+9.1%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#オンワード#決算#決算分析#四半期決算#アパレル業界#増収増益#記念配当#海外事業#M&A
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コメント
売上総利益率が低下するなかで営業増益を確保した点は、販管費の管理が機能していることを示します。ただし、営業キャッシュ・フローが赤字に転じ、現金も減っており、利益の伸びだけでなく在庫や運転資金の改善を追う必要があります。
国内のブランド成長を海外の採算改善につなげられるかが次の焦点です。記念配当は株主還元の姿勢を示す一方、買収した化粧品事業の利益貢献と、JOSEPHを含む海外事業の立て直しが、中長期の成長力を測る材料になります。
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掲載企業
株式会社オンワードホールディングス
東証 8016
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