リガク、2026年12月期第2四半期決算、営業利益55%減も半導体事業は伸長

リガクの2026年12月期第2四半期決算は、売上収益が前年同期比2.9%減の395億円、営業利益が54.9%減の25億円、親会社株主に帰属する中間利益が56.9%減の16億円となりました。多目的分析機器の減収や戦略投資の継続が利益を押し下げた一方、半導体関連需要を取り込んだ事業は伸長し、第3四半期以降の受注見通しも前年同期比で大幅に増加しています。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 396億円 | -2.9% | 1,010億円 | 39% |
| 営業利益 | 26億円 | -54.9% | 194億円 | 13% |
| 純利益 | 16億円 | -56.9% | 125億円 | 13% |
| 営業利益率 | 6.5% | |||
この決算のポイント
- 1半導体プロセス・コントロール機器事業は前年同期比18.2%増の売上高127億円
- 2多目的分析機器事業は米国政策やエネルギー価格の影響で売上高が17.1%減
- 3通期売上収益予想は1,010億円、営業利益予想は194億円で、いずれも据え置き
- 4年間配当予想は19円で、前期の18円80銭から20銭増配する計画
- 5営業キャッシュ・フローは29億円の黒字だが、前年同期の69億円から縮小
業績のポイント
リガク(リガク・ホールディングス)は2026年1〜6月期に減収減益となりました。売上収益は395億6,500万円(前年同期比2.9%減)、営業利益は25億7,900万円(同54.9%減)、親会社の所有者に帰属する中間利益は16億2,800万円(同56.9%減)です。売上減を大きく上回る利益の落ち込みが目立ちました。
- 売上総利益: 216億7,100万円と前年同期から10億5,400万円減少。売上収益の減少などが響きました。
- 販売費及び一般管理費: 189億5,600万円と前年同期から20億7,500万円増加。費用抑制に努める一方、研究開発を含む戦略投資を続けました。
- 営業利益: 31億3,800万円減少。売上総利益の縮小に加え、販管費の増加が利益を圧迫しました。
- 1株当たり中間利益: 7円20銭と、前年同期の16円71銭から低下しました。
半導体市場では生成AI向けのインフラやクラウドデータセンター投資を背景に、メモリー・ロジック関連の需要が堅調でした。一方、多目的分析機器では米国の政策影響や中東情勢に伴うエネルギー価格の変動が重荷となりました。会社は第3四半期以降に向けた案件の進捗と受注見通しに手応えを示しており、下期に需要を売上・利益へ結びつけられるかが焦点です。
セグメント別動向
会計上は「理科学機器の製造・販売」の単一セグメントですが、事業別では半導体関連が伸び、多目的分析機器が落ち込みました。売上高の規模だけでなく、事業ごとの方向の違いが中間期の特徴です。
多目的分析機器事業は売上高150億8,100万円(前年同期比17.1%減)でした。米国の政策影響が続き、中東情勢に起因するエネルギー価格の変動などで市場環境が弱含みました。一方、半導体・電子部品向け需要には高まりが見られ、第3四半期以降に向けて受注案件が増えています。
半導体プロセス・コントロール機器事業は売上高127億9,100万円(同18.2%増)でした。メモリーとロジックの需要を捉え、新製品案件も順調に進んだことが増収につながりました。3事業のうち唯一、前年同期を上回る売上となり、AI関連投資が事業を支えています。
部品・サービス事業は売上高116億9,200万円(同0.5%減)と、前年同期に近い水準でした。EUV用多層膜ミラーの低迷が続いた一方、サービスやその他分析機器・部品の販売が伸び、落ち込みを抑えました。次の成長局面では、半導体向けの拡大と、多目的分析機器の受注回復が重要になります。
- 多目的分析-17.1%
- 半導体プロセス+18.2%
- 部品・サービス-0.5%
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 多目的分析機器事業 | 151億円 | 38% | - | - |
| 半導体プロセス・コントロール機器事業 | 128億円 | 32% | - | - |
| 部品・サービス事業 | 117億円 | 30% | - | - |
通期見通し
リガクは2026年12月期の連結業績予想を据え置きました。売上収益は1,010億円(前期比7.2%増)、営業利益は194億円(同16.1%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は125億円(同9.6%増)を見込みます。
| 指標 | 通期予想 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 1,010億円 | +7.2% |
| 営業利益 | 194億円 | +16.1% |
| 税引前利益 | 184億円 | +15.2% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 125億円 | +9.6% |
中間期の営業利益は通期予想の13.3%にとどまります。会社は半導体プロセス・コントロール機器事業が想定を上回り、第3四半期以降に向けたパイプラインも順調で、受注見通しは前年同期比で大幅に増加していると説明しています。通期予想は修正していないため、下期に受注を納入・売上へつなげ、利益の回復を進められるかが注目されます。
財務状況と資本政策
6月末の総資産は1,876億4,600万円で、前期末から24億3,600万円増えました。親会社所有者帰属持分比率は47.5%と、前期末の47.7%から0.2ポイント低下しています。
| 項目 | 2026年中間期 | 比較対象 |
|---|---|---|
| 総資産 | 1,876億4,600万円 | 前期末比+24億3,600万円 |
| 現金及び現金同等物 | 272億5,100万円 | 前期末比+29億7,600万円 |
| 営業活動によるCF | +29億1,900万円 | 前年同期は+69億200万円 |
| 投資活動によるCF | -30億4,700万円 | 前年同期は-40億5,300万円 |
| 財務活動によるCF | +24億8,700万円 | 前年同期は-4億1,600万円 |
営業CFは税引前利益の減少や棚卸資産の増加などを受け、前年同期を下回りました。運転資金などに向けた借入もあり、財務CFは前年同期の支出超過から収入超過に転じています。配当は中間9円50銭、期末予想9円50銭で、年間19円(前期比20銭増)を計画し、配当予想は据え置きました。自己株式の消却も行いましたが、短信に自社株買いの発表はありません。
研究開発・成長投資
利益が大きく減る中でも、リガクは研究開発などの戦略投資を継続しました。設備投資を含む投資活動によるキャッシュ・フローは30億4,700万円の支出で、前年同期の40億5,300万円の支出から縮小しています。
- 研究開発: 販管費は増加しましたが、会社は研究開発をはじめとする戦略投資を継続したと説明しています。
- 設備投資: 有形固定資産の取得支出は27億1,300万円で、前年同期の37億7,800万円から減少しました。
- 事業の重点: メモリー・ロジック向け需要の獲得や新製品案件の進捗が、半導体関連事業の成長を支えました。
短期的には投資負担が利益を押し下げる一因となっていますが、需要が伸びる半導体分野で製品・技術を充実させる狙いがあります。投資が受注増だけでなく、継続的な売上や利益率の改善につながるかを見極める必要があります。
リスクと課題
下期の受注見通しには明るさがあるものの、外部環境の変化や費用負担が業績に影響する可能性があります。通期予想を据え置いた中で、受注の実現と利益回復の進み具合が焦点です。
- 地政学・エネルギー価格: 中東情勢やエネルギー価格の変動が市場環境を弱め、顧客の投資判断やコストに影響する可能性があります。
- 米国の通商・政策動向: 会社は米国の政策影響が多目的分析機器事業の市場環境を弱めたと説明しており、今後の政策変更も需要の不確実要因です。
- 半導体投資の変動: AIインフラやデータセンター向け投資が需要を支える一方、メモリー・ロジック各社の設備投資が変化すれば、関連機器の受注にも波及します。
- 利益回復と在庫負担: 棚卸資産は前期末から増加しました。受注を売上に結びつける一方、在庫の積み上がりや戦略投資による費用を管理できるかが課題です。
- EUV用多層膜ミラーの低迷: 部品・サービス事業では同製品の低迷が続いており、サービスや他製品の伸長で補えるかが引き続き注目されます。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/8/7)
2,171円
最新終値(2026/10/23)
1,381円-36.4%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#リガク#決算#決算分析#四半期決算#半導体製造装置#AIインフラ#減益#通期業績予想#配当
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コメント
中間期は利益の落ち込みが大きく、通期予想に対する進捗も営業利益で低水準です。下期の受注見通しが大幅に増えているという会社説明は前向きな材料ですが、受注がいつ売上・利益に反映されるかは別の論点で、次の四半期で確認したいところです。
半導体関連の伸びが多目的分析機器の弱さを補い切れていない構図も見えます。研究開発を続けながら利益率を戻せるか、また増加した在庫を適切に販売へつなげられるかが、通期達成の見極めどころです。
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