サイゼ、2026年8月期通期決算、売上17%増も純利益は微減

サイゼの2026年8月期決算は、売上高が前期比17.4%増の3,014億円、営業利益が5.9%増の164億円となり、増収増益でした。一方、親会社株主に帰属する純利益は1.1%減の110億円。国内のメニュー施策やDX、アジアの出店拡大が売上を押し上げましたが、食材・エネルギー価格の上昇が利益の伸びを抑えました。売上の伸びに利益成長が追いつかない決算です。

決算の数字通期
1年間の確定値(前年比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 今期予想 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 3,015億円 | +17.4% | 3,337億円 |
| 営業利益 | 164億円 | +5.9% | 212億円 |
| 純利益 | 110億円 | -1.1% | 134億円 |
| 営業利益率 | 5.4% | ||
この決算のポイント
- 1経常利益は前期比6.5%増の168億円、1株利益は1.2%減の224.81円
- 2日本セグメントは売上高が17.6%増、営業利益は19.4%増と国内が増益をけん引
- 3アジアは売上高が17.1%増も、出店拡大などの影響で営業利益は4.2%減
- 4年間配当は前期の30円から35円に増配、2027年8月期も35円を予想
- 52027年8月期は売上高10.7%増、営業利益29.1%増を見込む
業績のポイント
サイゼ(サイゼリヤ)は2026年8月期、売上高が前期比17.4%増の3,014億円、営業利益は5.9%増の164億円、純利益は1.1%減の110億円でした。売上高の増加に対し、営業利益の伸びは小幅にとどまり、純利益は減少しました。
- 売上の押し上げ: 国内のメニュー施策やDX活用、アジアでの新規出店を進め、来店機会と店舗数を拡大しました。
- コスト環境: 円安による食材価格の上昇やエネルギー価格の高止まりが続き、売上の伸びほど利益は増えませんでした。
- 純利益の動き: 減損損失は前期の6億64百万円から7億83百万円に増加し、純利益は前期を下回りました。
営業利益率は前期の6.0%から5.4%へ低下しました。売上成長を利益につなげるには、仕入れや物流を含む供給体制の改善と、店舗運営の効率化が欠かせません。サイゼは商品開発から調達、加工、保管、物流までをグローバルに見直す組織へ変更し、コスト上昇下でも価格を抑えながら収益力を高める方針です。
セグメント別動向
国内事業が増収増益となる一方、アジアは増収ながら減益でした。豪州はグループ向け食材製造などの売上と利益が伸び、セグメント間の売上を含む3地域の売上高は前期から拡大しました。
| セグメント | 売上高の前期比 | 営業利益の前期比 | 営業利益の増減額(億円) |
|---|---|---|---|
| 日本 | +17.6% | +19.4% | +9.76 |
| 豪州 | +26.6% | +130.3% | +4.24 |
| アジア | +17.1% | -4.2% | -4.20 |
日本は売上高が前期比17.6%増、営業利益が19.4%増でした。店内組織の整備に加え、メニュー施策やDXの効果が寄与しましたが、食材・エネルギー価格の上昇は引き続き重荷です。
アジアは売上高が前期比17.1%増の981億円、営業利益は4.2%減の97億円でした。新規出店で店舗数が増えた一方、売上の拡大が利益増には結びつきませんでした。豪州はグループ内向けの食材製造などを担い、セグメント間取引を含む売上高が前期比26.6%増の141億円、営業利益は130.3%増の7億円となりました。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 日本 | 2,033億円 | 64% | 60億円 | 3.0% |
| 豪州 | 141億円 | 5% | 7億円 | 5.3% |
| アジア | 981億円 | 31% | 97億円 | 9.9% |
通期見通し
2027年8月期は売上高3,337億円、営業利益212億円を計画し、前期比でそれぞれ10.7%増、29.1%増を見込みます。決算短信には前回予想の記載がないため、前回予想との修正幅は比較できません。
| 項目 | 2027年8月期予想 | 2026年8月期実績 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高(億円) | 3,337 | 3,014 | +10.7% |
| 営業利益(億円) | 212 | 164 | +29.1% |
| 経常利益(億円) | 208 | 168 | +23.6% |
| 純利益(億円) | 134 | 110 | +21.3% |
会社は、賃上げによる実質所得の改善や個人消費の持ち直しを見込む一方、食材・資源価格や人件費の上昇、天候・自然災害などをリスクとして挙げています。人材教育、サプライチェーン再構築、店舗のリエンジニアリング投資を進め、利益体質の強化を図る方針です。原材料やエネルギーなどのコスト上昇が続く場合は、品質を維持して安定供給するため、状況に応じてメニュー価格を改定するとしています。
財務状況と資本政策
総資産は前期末比17.1%増の2,101億円となり、自己資本比率は64.2%でした。営業活動で資金を稼ぎながら、店舗などの設備投資を拡大し、配当も増やしています。
| 項目 | 2026年8月期 | 前期実績・前期末 | 前期比・増減 |
|---|---|---|---|
| 総資産(億円) | 2,101 | 1,794 | +306億円 |
| 自己資本比率 | 64.2% | 65.0% | -0.8ポイント |
| 営業CF(億円) | 286 | 263 | +23億円 |
| 投資CF(億円) | -223 | -187 | 支出が36億円増 |
| 財務CF(億円) | -113 | -101 | 支出が12億円増 |
営業キャッシュ・フローは前期比で増えた一方、有形固定資産の取得による支出は213億円となり、投資キャッシュ・フローの赤字幅が広がりました。成長に向けた店舗・工場などへの投資を進めるなか、期末の現金及び現金同等物は677億円と前期末から5億円増えています。
年間配当は前期の30円から35円へ引き上げ、2027年8月期も35円を予定します。また、当期は自己株式取得に10億円を支出しました。会社は安定配当を基本としつつ、内部留保を店舗や自社工場などの設備投資に充てる方針です。
戦略トピック
サイゼは店舗の利便性向上と供給網の強化を並行して進めています。スマートフォンなどで注文するQRコード方式は2025年12月末までに全店舗への導入を終え、店舗作業の標準化やDX活用を利益体質の強化につなげる考えです。
- 注文方式のデジタル化: QRコード注文を全店舗に導入し、顧客の利便性向上と店舗運営の効率化を目指します。
- 来店機会の拡大: 季節のデザートに加え、朝食限定メニューの販売地域・店舗を順次広げています。
- 海外の出店: 中国・武漢で1号店を開き、ベトナムでは3号店、マレーシアでは1号店を出店しました。
- 供給網の再構築: 商品開発、調達、加工、保管、物流をグローバルな視点で見直す組織へ変更しました。
海外では2026年1月に中国・広州の新工場が完成し、現地での供給体制を整えています。今後は新規出店だけでなく、店舗の運営品質や供給能力を高める投資が、アジア事業の増収を持続的な利益成長に結びつけられるかが焦点です。
リスクと課題
会社は、外食業界で食材・資源価格の高騰や人手不足による人件費上昇が続くと見ています。国内消費や海外出店の伸びだけでなく、コストを吸収する力も今後の業績を左右します。
- 食材・エネルギー価格: 円安や中東情勢などを背景に仕入れ・エネルギーコストが上がれば、営業利益率を押し下げる可能性があります。
- 人手不足と人件費: 採用難や賃金上昇が続く場合、店舗運営コストが増え、出店や既存店の収益性に影響するおそれがあります。
- 海外の景気・政策: 中国の不動産市場の停滞や米国の通商政策、中東情勢などが、各地域の消費や事業環境を下押しする可能性があります。
- 天候・自然災害: 世界的なインフレや物流への影響を通じ、食材の調達価格や安定供給に影響するリスクがあります。
サイゼは価格維持に向けて調達やサプライチェーンの改善を続ける一方、品質と安定供給を守るため、必要に応じて価格改定を行う方針にしています。価格を抑える強みを保ちながら、コスト上昇をどこまで吸収できるかが課題です。
決算発表前後の株価推移
決算発表直前の終値(2026/10/9)
6,730円
最新終値(2026/10/23)
7,620円+13.2%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#サイゼ#決算#決算分析#通期決算#増収増益#外食産業#海外展開#配当#店舗DX
この記事はいかがでしたか?
クリックで反応を送信(登録不要)
コメント
売上高が2桁増となった一方で、営業利益の伸びは一桁にとどまり、利益率も低下しました。価格を抑えた集客力が成長を支える反面、食材やエネルギー、人件費の上昇を吸収し続けるのは簡単ではありません。
注目したいのは、店舗DXや供給網の見直しを単なる効率化にとどめず、海外の成長と国内の利益改善の両方につなげられるかです。2027年8月期は大幅な増益を見込むため、出店や設備投資の成果が利益率の回復として表れるかが焦点になります。
Googleで業界ダイジェストを優先表示
Google検索の「トップニュース」やAIによる概要で、当サイトの記事が見つけやすくなります。
この記事を引用・シェアする
転載・引用は無料・許可不要(出典明記のみでOK)
https://www.gyokaidigest.com/companies/saizeriya/report/2026-FY
関連記事
ファミレス・カジュアルレストランの最新記事
ファミレス・カジュアルレストラン
掲載企業

株式会社サイゼリヤ
東証 7581
これが最新の決算解説です









