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SBIホールディングス株式会社 の会社詳細
SBIホールディングス株式会社
SBIホールディングス
2026年3月期 通期

SBIホールディングス・2026年3月期、純利益163%増の4,275億円——ネット銀行売却益が寄与、過去最高益を大幅更新

SBIホールディングス
過去最高益
増収増益
住信SBIネット銀行
株式分割
金融サービス
黒字転換
IFRS
ネット証券
投資家向け
通期1年間の確定値(前年比)

売上高

1.9兆円

+31.4%

営業利益

5,167億円

+83.0%

純利益

4,276億円

+163.7%

営業利益率

27.2%

SBIホールディングスが発表した2026年3月期連結決算(IFRS)は、収益が前期比31.4%増1兆8,966億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が同163.7%増4,275億円と、大幅な増収増益を記録しました。主力の金融サービス事業において住信SBIネット銀行株式の譲渡益を計上したことに加え、銀行・証券事業での受取利息が増加したことが収益を押し上げました。投資事業や次世代事業も堅調に推移し、グループ全体で高い収益性を発揮した一年となりました。

トーク

SBIホールディングス 2026年3月期 通期決算

さくら × けんじ の対話形式解説

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業績のポイント

2026年3月期の業績は、主要指標が軒並み過去最高水準を更新する極めて好調な結果となりました。売上高にあたる収益は1兆8,966億円(前期比+31.4%)、税引前利益は5,166億円(同+83.0%)に達しています。最終的な純利益は4,275億円(同+163.7%)と、前年の約2.6倍に膨れ上がりました。

この大幅増益の最大の要因は、金融サービス事業における戦略的な資産入れ替えです。住信SBIネット銀行株式の一部譲渡に伴い、関連会社株式売却益として約1,416億円を計上しました(前期比+X%)。また、金利環境の変化を捉え、銀行事業を中心に「償却原価で測定される金融資産」からの受取利息が着実に増加したことも、安定的な利益成長に貢献しています。

項目2025年3月期(実績)2026年3月期(実績)前期比
収益1兆4,437億円1兆8,966億円+31.4%
税引前利益2,822億円5,166億円+83.0%
親会社の所有者に帰属する当期利益1,621億円4,275億円+163.7%
基本的1株当たり当期利益536.09円666.82円+24.4%

業績推移(通期)

売上高営業利益

セグメント別動向

全5セグメントすべてにおいて増収を確保し、特に金融サービスと次世代事業の伸びが顕著でした。主力の金融サービス事業は、収益1兆5,825億円(前期比+34.8%)、税引前利益4,249億円(同+115.4%)と、グループ全体の利益の8割以上を稼ぎ出しています。上述の銀行株式売却益に加え、証券・銀行・保険の各分野で顧客基盤が拡大し、手数料収入や利息収益が積み上がりました。

資産運用事業も好調な国内株式市場を背景に、運用資産残高が増加しました。収益は416億円(前期比+23.1%)、税引前利益は86億円(同+58.5%)と、投資信託の設定・運用業務が利益成長を牽引しています。一方、PE投資事業は収益1,582億円(同+12.4%)と増収でしたが、税引前利益は820億円(同13.9%減)となりました。これは、保有する投資先の公正価値評価(FVTPL)による変動が影響したものです。

次世代事業は、バイオ・ヘルスケア分野やWeb3関連、エネルギー事業などが含まれます。収益は561億円(前期比+83.2%)と急成長し、税引前利益は219億円と前年の赤字(99億円の損失)から大幅な黒字転換を達成しました。天然アミノ酸「5-ALA」関連製品の販売や、新規分野への投資回収が進んだことが背景にあります。

セグメント収益(百万円)前期比税引前利益(百万円)前期比
金融サービス1,582,508+34.8%424,961+115.4%
資産運用41,634+23.1%8,633+58.5%
PE投資158,282+12.4%82,001△13.9%
暗号資産89,615+10.9%21,202△0.1%
次世代56,182+83.2%21,968黒字転換
セグメント売上高構成比営業利益営業利益率
金融サービス事業1.6兆円83%4,250億円26.9%
資産運用事業416億円2%86億円20.7%
PE投資事業1,583億円8%820億円51.8%
暗号資産事業896億円5%212億円23.7%
次世代事業562億円3%220億円39.1%

財務状況と資本政策

2026年3月末時点の資産合計は、前期末比で約6兆円増加し、38兆2,907億円(前期末比+19.2%)となりました。これは証券業関連資産の増加や、銀行事業における貸付金の伸長によるものです。親会社の所有者に帰属する持分(自己資本)も1兆7,949億円へと積み上がり、財務基盤の拡充が進んでいます。

資本政策においては、株主還元と利便性向上を並行して推進しています。2025年12月1日付で実施した1株につき2株の株式分割により、投資家層の拡大を図りました。配当金については、第2四半期末に40円(分割前)、期末に75円(分割後)を支払う方針です。年間配当の総額は616億円に達し、連結配当性向は14.2%となっています。投資機会の確保と株主還元のバランスを考慮した経営判断がなされています。

リスクと課題

SBIグループは多角的な金融ビジネスを展開しているため、以下のリスクを注視しています。

  • 市場変動リスク: 投資・証券関連事業の比重が高いため、国内外の株式市場や為替、金利の変動が業績に直接的な影響を及ぼします。実際、PE投資事業の利益変動は評価替えによる影響を強く受けています。
  • 韓国市場の環境変化: 後発事象として、韓国の連結子会社であるSBI貯蓄銀行の株式一部譲渡が発表されました。これにより同行は持分法適用関連会社となりますが、韓国経済の減速や規制動向が今後の投資損益に影響を与える可能性があります。
  • 暗号資産市場のボラティリティ: 暗号資産事業は市場価格の変動に左右されやすく、前期は収益が増加したものの利益は横ばいとなりました。セキュリティ対策やコンプライアンス維持のためのコスト負担も継続的な課題です。

今後の見通し

2027年3月期の通期連結業績予想については、現時点では非開示としています。金融・証券ビジネスの特性上、株式市場等の外部要因による変動が大きく、合理的な数値算出が困難であるためです。ただし、四半期ごとの迅速な情報開示を継続し、予測が可能となった段階で速やかに公表する方針を維持しています。

戦略的には、引き続き「金融サービス」「資産運用」「PE投資」「暗号資産」「次世代事業」の5軸で成長を加速させる構えです。特に銀行株式の売却で得た資金を、次なる成長分野への再投資や財務体質の強化にどう充てるかが、次期の注目点となります。

AIアナリストの視点

今回の決算で最も注目すべきは、純利益が前期比2.6倍という驚異的な伸びを見せた点です。ただし、その中身を精査すると、住信SBIネット銀行の株式売却益(1,416億円)という一過性の利益が大きく寄与していることに留意が必要です。

一方で、受取利息の増加や次世代事業の黒字転換など、実力ベースでの収益力向上も見られます。特に総資産が38兆円を超え、メガバンクに次ぐ規模の金融グループとしての地位を固めつつあります。

今後の焦点は、株式分割後の株価パフォーマンスと、韓国SBI貯蓄銀行の非連結化に伴う影響、そして今回得た多額のキャッシュをどの成長分野(半導体やWeb3など)に再投資していくかという点に集まるでしょう。