2026年3月期 第3四半期
住友金属鉱山・2026年3月期Q3、純利益265%増の1,081億円——金・銅の価格上昇で大幅増益、配当も大幅増額
住友金属鉱山
大幅増益
上方修正
増配
非鉄金属
金相場
銅価格
電池材料
IFRS
資源開発
第3四半期累計期初から9ヶ月間の累計値(前年同期比)
売上高
1.3兆円
+4.9%
通期予想
1.7兆円
進捗率74%
営業利益
1,483億円
+208.0%
通期予想
2,090億円
進捗率71%
純利益
1,082億円
+265.3%
通期予想
1,400億円
進捗率77%
営業利益率
11.9%
第3四半期の純利益は前年の約3.6倍となる 1,081億円 を達成しました。金や銅の価格上昇に加え、製錬事業の損益が大きく改善したことが寄与しています。業績好調を受けて年間配当を183円へ大幅に引き上げ、通期予想も上方修正しました。
業績のポイント
- 売上高は前年比 4.9%増 の 1兆2,507億円 となりました。
- 税引前利益は前年比 208.0%増 の 1,482億円 です。
- 金や銅の相場が前年を大きく超えて推移しました。
- 円安が進んだことも利益を押し上げる要因となりました。
- 昨年に赤字だった製錬事業が 黒字に転換 しました。
業績推移(通期)
売上高営業利益|当期累計通期予想残
セグメント別動向
- 資源事業: 利益は 22.7%増 の 977億円 でした。銅・金価格の上昇が利益を大きく伸ばしました。
- 製錬事業: 利益は 378億円(前年は213億円の赤字)と 劇的に改善 しました。金価格の上昇やフィリピン子会社の損失減少が効いています。
- 材料事業: 利益は 366.3%増 の 111億円 です。EV向けの電池材料や通信向け部材が伸び、大幅増益となりました。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 資源 | 2,020億円 | 16% | 977億円 | 48.4% |
| 製錬 | 9,763億円 | 78% | 378億円 | 3.9% |
| 材料 | 2,044億円 | 16% | 111億円 | 5.5% |
財務状況と資本政策
- 総資産は 3兆2,556億円 となり、前期末から 1,870億円 増えました。
- 投資有価証券の評価額や棚卸資産が増加の主な理由です。
- 自己資本比率は 58.4% と、引き続き高い水準を維持しています。
- 年間配当は前年より 79円増 の 183円 に増額する予定です。
- 投資家への還元を強めるため、配当予想を上方修正 しました。
通期見通し
- 通期の純利益予想を 1,400億円 に上方修正しました。
- 前回予想の 740億円 から 約1.9倍 に引き上げています。
- 足元の金属価格や為替動向を反映させた結果です。
- 売上高も前回予想より 1,430億円 上積みの 1兆6,970億円 を見込みます。
成長投資
- オーストラリアの銅・金プロジェクトの権益を取得しました。
- 投資活動による支出は 1,229億円 と、積極的な投資を続けています。
- 優良な鉱山権益を確保し、長期的な成長を目指す方針です。
リスクと課題
- 金属価格(銅・ニッケル・金)の急激な下落リスクがあります。
- 為替相場の変動により、円高が進むと利益が減る恐れがあります。
- EV市場の伸び悩みによる電池材料への影響を注視しています。
- インドネシアでの増産によるニッケルの供給過多が懸念材料です。
AIアナリストの視点
今回の決算は、資源高と円安という追い風を完全に取り込んだ形となりました。特に製錬事業の黒字転換と、資源事業の圧倒的な利益率が際立っています。
注目すべきは株主還元の姿勢です。利益の伸びに合わせて配当を大幅に引き上げており、投資家にとって非常に魅力的な内容となっています。就活生にとっても、世界規模の鉱山開発から先端材料までを手掛ける同社の強固な収益基盤は、大きな安心材料になるでしょう。
一方で、ニッケル価格の低迷やEV需要の減速感など、材料事業を取り巻く環境には不透明感も漂います。市況に左右されやすいビジネスモデルだからこそ、「攻めの投資」と「守りの財務」のバランスをどう取っていくかが今後の焦点となります。
