太平電業、2027年3月期第1四半期決算、売上高24%増で利益倍増

太平電業の2027年3月期第1四半期決算を分析すると、売上高は前年同期比23.8%増、営業利益は116.9%増、純利益は108.8%増と大幅な増収増益でした。原子力発電設備工事などの売上増が利益を押し上げ、受注残高も前年同期末から拡大しています。通期予想は据え置き、年間配当予想は前期実績を上回る75円です。

決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 366億円 | +23.8% | 1,600億円 | 23% |
| 営業利益 | 34億円 | +116.9% | 174億円 | 20% |
| 純利益 | 23億円 | +108.8% | 120億円 | 19% |
| 営業利益率 | 9.3% | |||
この決算のポイント
- 1受注高は前年同期比9.5%増の363億円、受注残高は前年同期末比39.8%増の1,809億円
- 2補修工事部門は原子力発電設備工事などが伸び、売上高が前年同期比27.1%増
- 3通期営業利益予想は174億円で据え置き、第1四半期の進捗率は19.5%
- 4年間配当予想は75円で、前期実績の70円から5円増額する計画
業績のポイント
太平電業(太平電業株式会社)の2027年3月期第1四半期は、売上高が前年同期比23.8%増、営業利益が116.9%増、親会社株主に帰属する純利益が108.8%増となりました。増収を上回る利益の伸びが目立ちます。
- 売上高: 366億11百万円。前年同期の297億72百万円から70億39百万円増えました。
- 営業利益: 34億1百万円。前年同期から18億34百万円増加しました。
- 経常利益: 36億97百万円で、前年同期比123.4%増。前年同期に計上した為替差損がなくなったことも寄与しました。
- 受注高・受注残高: 受注高は前年同期比9.5%増の363億99百万円、受注残高は前年同期末比39.8%増の1,809億1百万円でした。
増収の背景には、建設工事部門で原子力発電設備工事や環境保全設備工事が増えたこと、補修工事部門で原子力発電設備工事の売上が伸びたことがあります。売上総利益が前年同期の44億30百万円から63億95百万円へ増えた一方、販売費及び一般管理費の増加は限定的で、営業利益の伸びが売上高の伸びを大きく上回りました。会社は景気に持ち直しの動きがある一方、物価上昇や中東情勢、金融市場の変動を不透明要因として挙げています。
セグメント別動向
補修工事部門は売上高、セグメント利益ともに伸び、業績をけん引しました。建設工事部門も増収増益でしたが、受注高は原子力発電設備工事の減少を受けて大きく落ち込んでいます。
| 部門 | 売上高の前年比 | セグメント利益の前年比 | 受注高の前年比 |
|---|---|---|---|
| 建設工事 | +16.5% | +119.4% | -45.7% |
| 補修工事 | +27.1% | +60.3% | +54.4% |
補修工事部門は、原子力発電設備工事の増加が売上高の伸びにつながりました。自家用火力発電設備工事などの受注も増え、受注高は前年同期を上回っています。発電所などの点検・保守・修繕を担う事業の受注拡大は、今後の売上を支える材料です。
建設工事部門は、原子力発電設備工事と環境保全設備工事の売上増で増収となりました。一方、原子力発電設備工事の受注減により部門全体の受注高は前年同期を下回りました。足元の売上が伸びる一方で、新規受注の動向は今後の工事量を判断するうえで確認したい点です。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 建設工事部門 | 106億円 | 29% | 7億円 | 6.4% |
| 補修工事部門 | 260億円 | 71% | 42億円 | 16.1% |
通期見通し
会社は2027年3月期の連結業績予想を据え置きました。第1四半期の営業利益進捗率は19.5%、純利益は19.4%で、現時点では通期予想に対する進捗を引き続き見極める段階です。
| 項目(百万円) | 前回予想 | 今回予想 | 前期実績 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 160,000 | 160,000 | 記載なし |
| 営業利益 | 17,400 | 17,400 | 記載なし |
| 経常利益 | 18,400 | 18,400 | 記載なし |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 12,000 | 12,000 | 記載なし |
今回予想は5月14日に公表した数値から変更がありません。売上高は前期比12.9%増、営業利益は17.3%増、経常利益は13.3%増、純利益は0.8%増を見込みます。第1四半期は大幅な増益となったものの、会社は予想の修正に踏み切っていません。工事の進捗や採算の変化を含め、今後の四半期で利益の勢いが続くかが焦点になります。
財務状況と資本政策
第1四半期末の総資産は1,738億10百万円、自己資本比率は72.0%でした。年間配当は75円を予想し、自社株買いの実施は短信に記載がありません。
| 項目 | 2027年3月期第1四半期末・予想 | 前期末・前期実績 | 比較 |
|---|---|---|---|
| 総資産 | 1,738億10百万円 | 1,753億65百万円 | 15億55百万円減 |
| 自己資本比率 | 72.0% | 72.1% | 0.1ポイント低下 |
| 年間配当 | 75円 | 70円 | 5円増 |
| キャッシュ・フロー計算書 | 作成なし | — | 第1四半期は非開示 |
現金預金は前期末から79億91百万円減少し、274億32百万円となりました。会社は四半期キャッシュ・フロー計算書を作成していないため、この現金の増減だけから営業活動や投資活動の資金収支を判断することはできません。自己資本比率は高水準を保っており、配当予想は前期実績を上回りますが、短信に配当方針の変更や自社株買いの発表はありません。
リスクと課題
会社は景気の緩やかな回復を見込む一方、外部環境には不透明感が残るとしています。受注残高の積み上がりは先々の売上を支える要素ですが、工事の受注や進捗、採算が計画どおりに推移するかを継続して確認する必要があります。
- 景気・物価の変化: 物価上昇が個人消費に及ぼす影響や景気の先行きが、企業の設備投資やプラント関連工事の需要に影響する可能性があります。
- 地政学・金融市場の変動: 中東情勢や金融資本市場の変動を会社が不透明要因として挙げています。市場環境の変化が事業活動や業績に与える影響には注意が必要です。
- 工事受注の変動: 建設工事部門では原子力発電設備工事の受注減が見られました。部門や工事分野によって受注に差が出るため、受注残高の増加だけでなく内訳の推移も重要です。
- 工事採算と進捗: 今回の短信は工事ごとの採算変動や遅延の具体的な状況を示していません。売上の拡大が利益につながる状態を維持できるかが、通期予想達成の確認点です。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/8/4)
2,429円
最新終値(2026/10/23)
2,449円+0.8%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#太平電業#決算#決算分析#四半期決算#増収増益#原子力発電設備工事#受注残高#配当
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コメント
利益が前年同期から倍増した点だけでなく、受注残高が大きく積み上がったことも今回の決算の注目材料です。補修工事の受注増は、発電設備の保守・修繕需要が売上を下支えしていることを示しています。
一方、建設工事部門では受注高が大きく減っており、受注残高全体の増加だけでは先々の事業構成を読み切れません。通期予想を据え置いた会社の判断を踏まえ、今後は利益の伸びが続くかに加え、建設工事部門の受注回復と工事採算を確認したいところです。
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