ヤマハ発動機・2025年12月期通期、営業利益30%減の1,263億円——米国関税やコスト増が重石、来期は大幅な回復を予想
売上高
2.5兆円
-1.6%
通期予想
2.7兆円
営業利益
1,264億円
-30.4%
通期予想
1,800億円
純利益
161億円
-85.1%
通期予想
1,000億円
営業利益率
5.0%
売上収益は 2兆5,342億円(前年比 1.6%減)、営業利益は 1,263億円(同 30.4%減)となりました。米国での関税影響や部材コスト上昇に加え、不振事業での 減損損失 が利益を大きく押し下げました。純利益は税金費用の調整もあり 161億円(同 85.1%減)と大幅に減りました。
業績のポイント
売上収益は 2兆5,342億円(前年比 1.6%減)と微減でした。
営業利益は 1,263億円(同 30.4%減)と大きく落ち込みました。
インドネシアやタイの二輪車販売は好調に推移しました。
一方、欧米でのマリン事業や四輪バギーの需要が鈍化しました。
米国の関税導入や調達コストの上昇が 利益を圧迫 しました。
また、不採算事業で将来の稼ぎを見直す「減損」が出たことも要因です。
業績推移(通期)
セグメント別動向
- ランドモビリティ:売上 1兆6,151億円(前年比 0.3%増)。新興国の二輪車が好調で増収増益でした。
- マリン:売上 5,276億円(前年比 1.9%減)。米国の景気減速で船外機の需要が弱く、利益も 39.0%減 と苦戦しました。
- アウトドアランドビークル:売上 1,485億円(前年比 17.2%減)。主力市場の米国で需要が落ち込み、398億円の赤字 となりました。
- ロボティクス:売上 1,115億円(前年比 1.6%減)。生成AI向けの半導体装置は好調でしたが、6億円の赤字 が残りました。
- 金融サービス:売上 1,140億円(前年比 1.7%増)。債権は増えましたが、金利変動の影響で 7.3%の減益 でした。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| ランドモビリティ | 1.6兆円 | 64% | 1,087億円 | 6.7% |
| マリン | 5,276億円 | 21% | 536億円 | 10.2% |
| アウトドアランドビークル | 1,485億円 | 6% | -39,757百万円 | — |
| ロボティクス | 1,115億円 | 4% | -565百万円 | — |
| 金融サービス | 1,140億円 | 5% | 211億円 | 18.5% |
財務状況と資本政策
総資産は 2兆9,025億円 となり、前年末より 1,191億円 増えました。
自己資本比率は 39.0%(前年末比 2.7ポイント低下)となりました。
年間の配当金は 35円 とし、前年の 50円 から減らしました。
これは純利益が一時的な要因で大きく減ったことを反映したものです。
次期(2026年12月期)は 50円 への復配を予定しています。
リスクと課題
- 米国の関税政策:トランプ政権等の動向によるコスト増のリスクがあります。
- 在庫の適正化:欧米市場での流通在庫の調整が続いています。
- 事業構造の改革:赤字が続く四輪バギーやSPV事業の立て直しが急務です。
- 為替の変動:円高が進んだ場合、海外収益が目減りする恐れがあります。
通期見通しと戦略トピック
2026年12月期は売上 2兆7,000億円(前年比 6.5%増)を見込みます。
営業利益は 1,800億円(同 42.4%増)と 大幅な回復 を計画しています。
新興国での二輪車販売の拡大と、マリン事業の復調を織り込みました。
戦略面では、ドイツの電動船外機会社や農業ロボット会社を M&A しました。
成長分野への投資を続け、ポートフォリオの入れ替えを急いでいます。
今回の決算は、表面上の数字(特に純利益の85%減)だけを見ると衝撃的ですが、中身は「膿を出し切った」側面が強いと感じます。
不振のアウトドアランドビークル事業で減損を出し、将来のリスクを早めに処理した判断は、投資家から見れば前向きに評価できる部分もあります。
懸念点は、かつての稼ぎ頭だったマリン事業の停滞です。米国の高金利がレジャー需要を冷やしており、ここがいつ底を打つかが今後の焦点となります。
一方で、2026年度の強気な回復予想は、二輪車を中心としたアジア市場の底堅さへの自信の表れでしょう。戦略的に進めている電動化やロボティクスへのM&Aが、いつ収益に貢献し始めるかが中長期的な鍵を握ります。
