メガバンク3社・2027年3月期Q1、金利追い風で明暗、MUFG首位とみずほ急伸
メガバンク3社はそろって増収増益となった。国内金利の上昇が資金利益を押し上げ、市場部門も追い風だ。純利益の伸びは三菱UFJが48.2%増で首位。一方、利益の伸び率ではみずほが存在感を示した。共通の追い風の中で、伸び方に差が出ている。
今期の総括
全社増益、利益の伸び方に差
業界全体の動き
3社に共通する追い風は、国内金利の上昇だ。貸出金利息などの資金利益が増え、各社の利益を押し上げた。
- 経常収益は三菱UFJが3兆9,075億円で、前年比20.1%増。三井住友は2兆8,504億円で16.6%増、みずほは2兆5,209億円で18.3%増だった。
- 純利益も3社すべて増加。三菱UFJは8,094億円で48.2%増、みずほは4,229億円で45.5%増、三井住友は5,014億円で33.0%増となった。
- 市場部門も業績に寄与した。金利や株式など市場環境の恩恵が広がる一方、利益の持続性には注意がいる。
売上高に相当する経常収益は、3社平均で約3兆929億円。銀行は一般企業と利益区分が異なるため、営業利益の単純比較には限界がある。以下では、開示された経常利益も合わせて見る。
売上高ランキング
営業利益ランキング
営業利益率ランキング
売上高 前年同期比
純利益 前年同期比
勝者と敗者
総合的な勢いでは、純利益の規模と伸びを両立した三菱UFJが先行した。純利益は8,094億円で、三井住友の5,014億円、みずほの4,229億円を上回る。前年比の伸びも48.2%と、三井住友の33.0%を15.2ポイント上回った。
ただし、利益の伸び率で最も強かったのはみずほだ。経常利益は5,989億円で62.5%増。三井住友の6,931億円、43.4%増を上回る伸び率となった。金額の大きさでは三井住友が上だが、増益の勢いはみずほが勝る。
相対的に伸びが緩やかだったのは三井住友だ。純利益の前年比33.0%増は3社で最も低い。ただし、5,014億円の利益を確保しており、業績不振を意味するものではない。海外事業の減益や持分法損益の変動が、今後の確認点となる。
なお、提示資料の営業利益欄では三菱UFJが不明とされる一方、本文には経常利益1兆1,179億円とある。銀行の利益区分も異なるため、営業利益ランキングだけで勝敗を決めるのは避けたい。
- 好調
- 三菱UFJ
- 苦戦
- 三井住友


注目の動き・戦略比較
三菱UFJは、国内貸出金利回りの上昇と市場部門の好調が目立つ。国内貸出金利回りは1.45%、預貸金利回差は1.14%まで拡大した。純利益は通期目標2兆7,000億円の約3割に達し、ROEも14.40%となった。
三井住友は、法人向けのM&A助言やデリバティブ、個人向けの資産運用・保険販売を伸ばす。資金運用収益は1兆9,356億円で、前年比13.0%増。金利収入だけでなく、顧客への提案力を収益につなげる戦略がうかがえる。
みずほは、純利益の通期予想を1兆3,000億円から1兆4,000億円へ引き上げた。年間配当予想も145円から150円に増額した。一方、ETF収益が業績を押し上げており、株式相場が崩れた場合の反動には注意が必要だ。
今回の資料からは、大型買収や新事業への投資計画は確認できない。投資家は、利益の伸びだけでなく、各社が金利収入と顧客向けサービスをどう育てるかを追いたい。
業界共通のリスク
- 金利変動のリスク。金利上昇は貸出収益を押し上げる一方、保有債券の評価損や調達コストの増加につながりうる。
- 市場収益の反動。株式や債券の相場が変われば、市場部門やETF関連の利益が減る可能性がある。
- 与信費用の増加。景気後退や企業業績の悪化が起きれば、貸倒引当金などの負担が膨らむ。
- 海外事業の不確実性。為替や金利、地域ごとの景気変動が収益を左右する。三井住友では海外事業の減益も示されている。
- 規制や競争の強まり。金融規制への対応や、他行・証券会社・フィンテックとの競争がコストを押し上げる可能性がある。
就活生・転職希望者へ
金利上昇で銀行の収益環境は改善している。ただし、伸びを支える仕事は預貸業務だけではない。三井住友のM&A助言や資産運用、各社の市場業務など、専門性を生かす領域も広がる。
就職先を比べる際は、利益の規模だけでなく、国内外の配属や顧客層、専門職の育成方針も見たい。好業績が続くかは金利や市場に左右されるため、変化に対応する力も重要になる。
タグ#メガバンク#銀行#2027年3月期#第1四半期決算#三菱UFJ#三井住友#みずほ#金利上昇#資金利益#ETF収益
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