グリコ、2026年12月期第2四半期決算、営業益43%増で通期予想を上方修正
グリコの2026年12月期第2四半期決算は、売上高が前年同期比9.7%増の1,803億円、営業利益は42.8%増の46億円、純利益は32.8%増の49億円となりました。海外事業の増収などが利益を押し上げ、会社は通期業績予想を上方修正しました。増収を利益成長につなげ、通期予想も引き上げた一方、国内の一部事業では採算が悪化しています。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,804億円 | +9.7% | 3,900億円 | 46% |
| 営業利益 | 47億円 | +42.8% | 120億円 | 39% |
| 純利益 | 50億円 | +32.8% | 90億円 | 55% |
| 営業利益率 | 2.6% | |||
この決算のポイント
- 1営業利益は前年同期比42.8%増の46億円、純利益は32.8%増の49億円
- 2海外事業は中国・米国などで販売が伸び、増収と営業増益を確保
- 32026年12月期の営業利益予想を120億円、前期比37.4%増に修正
- 4年間配当予想は95円で前期と同額、中間配当は45円を実施
- 5自己株式の取得で自己株式数が前期末から約235万株増加
業績のポイント
グリコ(江崎グリコ)の2026年1〜6月期は、売上高が前年同期比9.7%増の1,803億6,900万円、営業利益が42.8%増の46億5,400万円、親会社株主に帰属する中間純利益が32.8%増の49億7,300万円でした。売上高は158億7,400万円、営業利益は13億9,500万円それぞれ前年同期から増えました。
- 売上総利益: 海外事業の中国での増収などを受け、売上総利益は増加しました。一方、売上原価率は前年同期より上昇しています。
- 販売費・一般管理費: 販売促進費や給与・手当などの増加が利益を押し下げました。
- 経常利益: 72億2,000万円と前年同期比31.1%増。営業利益の増加に加え、為替差益も寄与しました。
売上高の伸びに加えて海外の増収が利益を支え、営業利益は前年同期の低い水準から持ち直しました。ただし、販促費や人件費の増加、原価率の上昇もあり、増収がそのまま利益率の改善につながったわけではありません。中間期の営業利益率は2.6%で、今後は価格・商品構成の改善とコスト管理を両立できるかが焦点です。
セグメント別動向
事業ごとに明暗が分かれました。海外事業が中国や米国での販売増を背景に増収増益となった一方、国内では乳業や栄養菓子などで利益が前年同期を下回りました。
海外事業は、中国、米国などで売上高が前年同期を上回り、増収に伴う売上総利益の増加で営業利益も伸びました。地域別では中国の販売が拡大し、米国でも売上高が増加しました。海外事業が全社の増収と利益成長を支える構図です。
乳業事業は増収でしたが、販売促進費や広告費の増加などから営業損失が拡大しました。「牧場しぼり」や「セブンティーンアイス」などが前年同期を上回った一方、「プッチンプリン」や「ぎっしり満足」などは前年同期を下回りました。売上の回復だけでなく、販促投資に見合う採算の確保が課題です。
栄養菓子事業は、「アーモンド効果」などの販売が伸びて増収となりましたが、売上原価率の上昇などで営業利益は減少しました。健康・食品事業は増収となり、広告費の減少などで営業損失が縮小しました。食品原料事業は減収ながら、原価率の低下などで営業利益が増加し、国内その他事業は増収でも営業利益が減少しました。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 健康・食品事業 | - | - | - | - |
| 乳業事業 | - | - | - | - |
| 栄養菓子事業 | - | - | - | - |
| 食品原料事業 | - | - | - | - |
| 国内その他事業 | - | - | - | - |
| 海外事業 | - | - | - | - |
通期見通し
グリコは2026年12月期の連結業績予想を修正し、売上高3,900億円、営業利益120億円、親会社株主に帰属する当期純利益90億円を見込みます。前期比では売上高7.9%増、営業利益37.4%増、純利益78.7%増の計画です。
| 項目 | 今回予想 | 前期比 | 前期実績の目安 |
|---|---|---|---|
| 売上高(億円) | 3,900 | +7.9% | 約3,614 |
| 営業利益(億円) | 120 | +37.4% | 約87 |
| 当期純利益(億円) | 90 | +78.7% | 約50 |
前期実績の目安は、会社が示した前期比から逆算した概算です。会社は中間期までの進捗や最近の経営環境を踏まえて予想を修正しましたが、短信の本文からは修正前予想と今回予想の差額を確認できません。中間期の営業利益は通期計画の約39%に当たり、下期に利益を積み上げる必要があります。原材料費や販促費の動向、海外事業の伸びが計画達成を左右します。
財務状況と資本政策
中間期末の総資産は3,866億円で、前期末から75億円減少しました。自己資本比率は69.9%と、前期末の70.5%から0.6ポイント低下しています。
| 項目 | 2026年6月末・中間期 | 前期末・前期実績 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 総資産(億円) | 3,866 | 3,941 | -75億円 |
| 自己資本比率 | 69.9% | 70.5% | -0.6ポイント |
| 中間配当(円) | 45 | 45 | 同額 |
| 年間配当予想(円) | 95 | 95 | 同額 |
| 自己株式数(株) | 7,159,857 | 4,807,117 | 約235万株増 |
年間配当予想は前期と同じ95円で、内訳は中間45円、期末予想50円です。また、取締役会決議に基づく自己株式取得を実施し、自己株式数は前期末から増えました。総資産の減少は主に受取手形・売掛金の減少による一方、自己資本比率の低下には自己株式の増加などが影響しています。中間期のキャッシュフロー数値は短信の抜粋に記載がないため、ここでは評価対象に含めていません。
戦略トピック
グリコは「すこやかな毎日、ゆたかな人生」の実現を掲げ、健康価値の提供と顧客起点の商品・サービスづくりを進めています。経営資源を健康領域や海外事業に振り向ける方針です。
- 重点研究領域: 発育・栄養の最適化、成長支援、運動能力の強化、脳機能の向上、エイジングケアの5領域に研究投資を集中します。
- 顧客起点の価値づくり: 健康価値の提供と、顧客のニーズを起点にした商品・サービスの構築を掲げています。
- 海外事業の拡大: 中間期に中国や米国で販売が伸びた海外事業を、成長の柱として拡大する方針です。
中間期は海外事業が増収増益となり、健康関連商品にも販売が伸びたブランドがありました。研究領域への投資が商品開発や顧客の継続購入につながるか、また海外で利益成長を続けられるかが、戦略の成果を見極めるポイントです。
リスクと課題
増収増益となった一方、原材料費や販促費の負担、国内事業の採算など、通期計画の達成に向けて注視すべき点があります。会社も業績予想は一定の前提に基づくもので、実際の業績はさまざまな要因で変動するとしています。
- 原材料価格の変動: 原材料価格の上昇は売上原価率を押し上げ、利益を圧迫する可能性があります。中間期も売上原価率は前年同期より上昇しました。
- 販促費・人件費の増加: 販売促進費や給与・手当などが増えています。乳業事業では販促費や広告費の増加が営業損失の拡大につながりました。
- 海外市場・為替の変動: 中国や米国の需要動向に加え、為替変動が売上や利益に影響します。会社は為替差益を経常利益の増加要因として挙げています。
- 不透明な外部環境: 会社は中東情勢や金融資本市場の変動に注意が必要としています。市況の変化が原材料調達や海外事業の採算に及ぼす影響には留意が必要です。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/7/23)
5,052円
最新終値(2026/10/23)
5,053円+0.0%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#グリコ#決算#決算分析#四半期決算#増収増益#海外展開#上方修正#株主還元
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コメント
営業利益の増加は前向きですが、中間期の営業利益率は2.6%にとどまり、原価率上昇や販促費・人件費増も残っています。増収の勢いだけでなく、売上を利益に変える力が改善しているかを下期に確かめたい決算です。
海外事業の成長と健康領域への投資は、グリコの中長期戦略と整合しています。中国・米国での伸びを継続的な利益に結びつけられるか、国内の乳業事業などで採算を立て直せるかが、通期予想の達成と今後の評価を分けるポイントです。
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