株式会社ふくおかフィナンシャルグループ の会社詳細
株式会社ふくおかフィナンシャルグループ
ふくおかフィナンシャルグループ
2026年3月期 第3四半期

ふくおかFG・2026年3月期Q3、純利益15.8%増の703億円——貸出金利息の増加で上方修正、年間配当は180円へ増配

ふくおかフィナンシャルグループ
地方銀行
増収増益
金利上昇
上方修正
増配
貸出金20兆円
福岡銀行
みんなの銀行
株主還元
第3四半期累計期初から9ヶ月間の累計値(前年同期比)

売上高

4,019億円

+18.5%

通期予想

1,240億円

進捗率324%

営業利益

1,000億円

+15.7%

通期予想

1,240億円

進捗率81%

純利益

703億円

+15.8%

通期予想

850億円

進捗率83%

営業利益率

24.9%

九州最大の地方銀行グループである株式会社ふくおかフィナンシャルグループは4日、2026年3月期第3四半期の連結純利益が前年同期比 15.8%増703億円 になったと発表しました。日銀による金利引き上げを背景に貸出金利息などの資金運用収益が大きく伸長したことが主因です。好調な業績を受け、同社は通期の業績予想を上方修正するとともに、期末配当予想を従来の70円から95円(年間180円)に引き上げる増配を決定しました。

業績のポイント

当第3四半期累計期間(2025年4月〜12月)の連結業績は、本業の収益力を示す経常収益が前年同期比 18.5%増4,019億円 、本業の利益を示す経常利益は 15.7%増999億円 と、大幅な増収増益を達成しました。最大の要因は、金利上昇局面において貸出金利息などの資金運用収益が大きく拡大したことです。具体的には、資金運用収益全体で 3,148億円 (前年同期比 +19.5% )を計上し、グループの収益を強力にけん引しました。

一方で、市場金利の上昇に伴い預金利息や借用金利息などの資金調達費用も 1,310億円 (同 +34.4% )と増加しましたが、運用収益の伸びがそれを上回り、利ざやの拡大に成功しています。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は 703億円 となり、前年同期の 607億円 から 15.8% の増加となりました。国内景気の緩やかな回復を背景に、資金需要が堅調に推移したことが好決算の背景にあります。

項目2025年3月期 Q32026年3月期 Q3前年同期比
経常収益3,391億円4,019億円+18.5%
経常利益863億円999億円+15.7%
親会社株主に帰属する四半期純利益607億円703億円+15.8%

業績推移(通期)

売上高営業利益|当期累計通期予想残

セグメント別動向

グループ全体の稼ぎ頭である福岡銀行をはじめとする各行が、法人部門を中心に貸出金を伸ばしました。銀行合算の業務粗利益は 1,975億円 (前年同期比 +8.8% )となり、特に国内部門の資金利益が 1,714億円 (同 +10.0% )と好調でした。これは、地元の活発な設備投資需要を取り込み、貸出金平残が前年同期比で6,313億円増加したことが大きく寄与しています。

傘下銀行別の状況では、福岡銀行の四半期純利益が 644億円 (前年同期比 +13.4% )、十八親和銀行が 142億円 (同 +1.5% )と堅調に推移しました。一方、デジタル専門銀行の「みんなの銀行」関連では、依然として赤字が続いているものの、損失幅は前年同期の 61億円 から 19億円 へと大幅に縮小しており、収益改善に向けた構造改革が進展している様子が伺えます。

また、役務取引等利益(手数料収入)については、銀行合算で 215億円 と前年同期比で 30億円減少 しました。これは資産運用商品販売の苦戦が影響したものの、株式等関係損益が 154億円 と前年比で 46億円増加 したことで補っています。地場企業の旺盛な資金需要と金利上昇の恩恵が、手数料収入の減益分を十分にカバーした形です。

銀行別純利益(単体)24/3Q実績25/3Q実績増減
福岡銀行568億円644億円+76億円
熊本銀行49億円47億円△1億円
十八親和銀行139億円142億円+2億円
福岡中央銀行5億円4億円△0億円
セグメント売上高構成比営業利益営業利益率
銀行業務(福岡銀行単体)1,306億円869億円66.6%
銀行業務(十八親和銀行単体)434億円192億円44.3%

財務状況と資本政策

2025年12月末時点の総資産は、前年度末比で 1兆7,438億円増加 し、34兆65億円 となりました。主要な資産である貸出金は、法人部門を中心とする積極的な融資姿勢により 20兆955億円 と、ついに 20兆円の大台を突破 しました。預金等も 22兆1,628億円 と前期末から 3,420億円増加 しており、盤石な顧客基盤を背景に安定した資金調達を継続しています。

資本政策においては、株主還元への積極的な姿勢を改めて示しました。好調な業績進捗を踏まえ、2026年3月期の年間配当予想を従来の150円から 180円 (中間85円・期末95円)へと 30円増額 しています。自己資本比率も 3.0% と前期末から 0.2ポイント上昇 し、財務の健全性を維持しながら、資本効率の向上と株主還元の両立を図る経営判断を下しました。総資産の拡大に伴うリスクアセットの増加を、内部留保の積み増しで着実にカバーしています。

通期見通しの修正とリスク

足元の好調な業績を受け、2026年3月期通期の連結業績予想を上方修正しました。経常利益は前回予想比で 70億円増1,240億円 、親会社株主に帰属する当期純利益は 50億円増850億円 を見込んでいます。金利上昇に伴う利ざや改善が当初想定を上回るペースで進んでいることが主な理由です。

一方で、今後の懸念事項として、資金調達コストの上昇速度が挙げられます。市場金利が上昇する中で預金金利の引き上げ圧力が強まっており、運用利回りの上昇が調達コストの上昇に追いつかないリスクに注視が必要です。また、倒産件数の増加等に伴う信用コスト(不良債権処理費用)の動向も注視すべき課題です。当第3四半期における連結信用コストは 68億円 と前年同期の 13億円 から増加しており、今後の貸出先企業の業況変化に対する慎重なモニタリングが求められます。

通期連結業績予想前回予想今回修正前期実績修正率
経常利益1,170億円1,240億円1,035億円+6.0%
当期純利益800億円850億円721億円+6.3%
AIアナリストの視点

地銀トップクラスの収益力を持つふくおかFGらしい、非常に力強い決算内容です。

  • 金利上昇を収益に変える力: 日銀の政策修正に伴う短期金利の上昇を、預金コストの抑制と貸出金利へのスプレッド拡大によって見事に利益に転換しています。特に法人貸出の平残が増加している点は、九州地域の活発な経済活動(半導体関連投資など)を確実に捕捉している証左と言えます。
  • みんなの銀行のターンアラウンド: デジタル戦略の象徴である「みんなの銀行」の赤字幅が急速に縮小している点は、投資家にとって安心材料となります。これまでの先行投資フェーズから、収益貢献フェーズへの移行が期待されます。
  • 還元姿勢の強化: 利益成長を伴った増配は、PBR(株価純資産倍率)1倍割れの是正に向けた強いメッセージとして市場に好感されるでしょう。ただし、信用コストが前年同期比で増加傾向にある点は、今後の景気後退リスクに対する「備え」が必要な段階に入ったことを示唆しています。