ひろぎん、2027年3月期第1四半期決算、経常利益22%増で純利益も2割増

ひろぎんの2027年3月期第1四半期決算を分析すると、経常収益は前年同期比39.0%増、経常利益は22.5%増、親会社株主に帰属する四半期純利益は21.1%増となりました。貸出金や有価証券の利息収入が伸びた一方、債券売却損も膨らみました。広島銀行単体では預貸金利回り差が拡大し、通期純利益予想に対する進捗率は28%です。

決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 742億円 | +39.0% | — | — |
| 営業利益 | 204億円 | +22.5% | 745億円 | 27% |
| 純利益 | 141億円 | +21.1% | 510億円 | 28% |
| 営業利益率 | 27.5% | |||
この決算のポイント
- 1広島銀行の預貸金利回り差は1.11%と、前年同期から0.12ポイント拡大
- 2銀行業のセグメント利益は前年同期比20.3%増、リース業は13.2%増
- 3通期純利益予想510億円に対する第1四半期の進捗率は28%
- 4年間配当予想は前期の58円から70円へ、12円の増配を予定
- 5貸出金残高は前期末比2,372億円減少、預金等は669億円増加
業績のポイント
ひろぎん(ひろぎんホールディングス)の第1四半期は、経常収益が前年同期比39.0%増の741億89百万円、経常利益が22.5%増の203億82百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が21.1%増の141億28百万円でした。利息収入の増加が利益成長を支えた一方、債券売却損の拡大が利益を押し下げました。
決算説明資料に示された経常利益の増減要因は次の通りです。
貸出金利息や有価証券利息配当金の増加で資金運用収益が伸び、国債などの売却益も増えました。一方で、預金利息など資金調達費用が増加し、国債等債券売却損も拡大しています。収益環境は改善していますが、金利上昇の恩恵がそのまま利益になるわけではなく、調達コストと有価証券運用の管理が重要です。
- 前年同期166億円
- 粗利益増+45.1億円
- 営業経費-10.1億円
- 与信費用-8.2億円
- 株式損益+10.7億円
- その他調整+0億円
- 当期204億円
セグメント別動向
銀行業は経常収益が前年同期比44.6%増、セグメント利益が20.3%増となりました。リース業は経常収益が3.5%増、セグメント利益が13.2%増です。「その他」は経常収益が20.6%増、セグメント利益が160.8%増でした。
| セグメント | 経常収益の前年比 | セグメント利益の前年比 |
|---|---|---|
| 銀行業 | +44.6% | +20.3% |
| リース業 | +3.5% | +13.2% |
| その他 | +20.6% | +160.8% |
銀行業は、貸出金利息や有価証券利息配当金の増加が収益を押し上げました。広島銀行単体では預貸金利回り差が前年同期から広がっており、利息収入の伸びが本業の利益を支えています。
リース業は増収増益でしたが、伸び率は銀行業や「その他」を下回りました。「その他」には金融商品取引、債権管理回収、IT関連などが含まれ、セグメント利益には内部取引の影響もあります。連結上の調整額が大きいため、同セグメントの利益伸長をそのままグループ全体の利益成長とみなさず、内訳の推移を確認する必要があります。
- 銀行業+20.3%
- リース業+13.2%
- その他+160.8%
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 銀行業 | 650億円 | 88% | 191億円 | 29.5% |
| リース業 | 60億円 | 8% | 5億円 | 8.1% |
| その他 | 32億円 | 4% | 189億円 | - |
財務状況と資本政策
6月末の総資産は前期末比877億円減の12兆1,228億円、純資産は349億円増の6,037億円でした。自己資本比率は5.0%で、前期末の4.7%から上昇しています。
| 項目 | 2026年6月末など | 前期末・前期比 |
|---|---|---|
| 総資産 | 12兆1,228億円 | 877億円減 |
| 自己資本比率 | 5.0% | 4.7%から上昇 |
| 預金等残高 | 9兆6,942億円 | 669億円増 |
| 貸出金残高 | 7兆9,558億円 | 2,372億円減 |
| 有価証券残高 | 2兆1,825億円 | 1,355億円増 |
| 年間配当予想 | 70円 | 前期58円 |
2027年3月期の年間配当は、中間・期末ともに35円を予定し、前期から12円増配する計画です。第1四半期のキャッシュ・フロー計算書は作成されておらず、短信から四半期の現金収支は確認できません。自己資本比率は短信の注記上、銀行の規制上の自己資本比率とは異なる指標です。
貸出金は政府向け貸出の減少などで前期末を下回りましたが、預金等は増加し、有価証券残高も積み上がりました。配当予想を維持しながら、金利環境や保有債券の評価変動に対応する資本運営が問われます。自社株買いについて、この短信には実施の記載がありません。
通期見通し
ひろぎんは2027年3月期の通期業績予想を据え置きました。経常利益は745億円、親会社株主に帰属する当期純利益は510億円を見込み、前年実績比ではそれぞれ20.1%増、16.6%増の計画です。
| 項目 | 前回予想 | 今回予想 | 前期実績 |
|---|---|---|---|
| 経常利益 | 745億円 | 745億円 | 金額の記載なし |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 510億円 | 510億円 | 金額の記載なし |
第1四半期の純利益は141億28百万円で、通期予想に対する進捗率は28%です。会社は2026年5月13日に公表した予想から変更しておらず、増益見通しを維持しました。貸出金利息などの増加が続くかに加え、預金金利の上昇や債券売却損の動向が、予想達成を見極めるポイントです。
戦略トピック
当第1四半期から、ひろぎんリージョナルアドバイザーズ株式会社1社が連結範囲に加わりました。連結子会社数は前年6月末から1社増の13社となっています。
短信では新会社の事業内容や業績への具体的な寄与額は示されていません。グループの連結範囲が広がったことは確認できますが、今後は地域企業への支援や金融関連サービスとの連携が、収益や顧客基盤にどのようにつながるかが注目点です。
リスクと課題
利息収入の増加で増益となった一方、資金調達費用や債券売却損も増えています。金利環境の変化と貸出の動きが、今後の利益を左右します。
- 預金金利の上昇: 資金調達費用が増えると、貸出金利や有価証券利回りの上昇による収益改善が相殺される可能性があります。
- 債券運用の損益変動: 国債等債券の売却損が前年同期より拡大しました。市場金利や保有資産の入れ替えに伴い、今後も損益が振れるおそれがあります。
- 貸出金残高の減少: 貸出金は前期末から減少しました。事業性貸出の伸びを維持し、収益性の高い貸出を確保できるかが課題です。
- 業績予想の不確実性: 会社は予想が発表時点の情報に基づくとし、実際の業績はさまざまな要因で異なる可能性があると説明しています。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/8/3)
2,214.5円
最新終値(2026/10/23)
2,103.5円-5.0%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#ひろぎん#決算#決算分析#四半期決算#銀行業#増収増益#金利上昇#増配
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コメント
利上げ局面の追い風が、貸出金利息や有価証券利息配当金の伸びとして表れた決算です。広島銀行単体の預貸金利回り差が改善している点は、単なる債券売却益に頼らない収益力の強まりとして評価できます。
一方、債券売却損の拡大は、金利上昇の恩恵と運用損失が同時に起きていることを示します。今後は利益の伸びだけでなく、預金金利の上昇に対して貸出金利をどこまで転嫁できるか、債券運用の損益を安定させられるかに注目したいです。
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