山口FG、2027年3月期第1四半期決算、経常利益48.7%増で純利益も大幅増
山口FGの2027年3月期第1四半期決算は、貸出金利息や株式等売却益の増加を受け、増収増益となりました。経常収益は前年同期比28.5%増の732億円、経常利益は48.7%増の200億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は46.4%増の141億円です。国債等債券の売却損も膨らみましたが、利益の伸びが費用増を上回りました。

決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 732億円 | +28.5% | — | — |
| 営業利益 | 200億円 | +48.7% | 675億円 | 30% |
| 純利益 | 141億円 | +46.4% | 450億円 | 31% |
この決算のポイント
- 1貸出金利息や株式等売却益が増え、経常収益は前年同期比28.5%増の732億円
- 2経常利益は前年同期比48.7%増の200億円、純利益は46.4%増の141億円
- 3連結コア業務純益は前年同期比139億円増の273億円、金利上昇の寄与が表れた
- 4年間配当予想は前期の64円から96円へ増配、自社株も第1四半期に取得
業績のポイント
山口FG(山口フィナンシャルグループ)の2027年3月期第1四半期は、経常収益が前年同期比28.5%増、経常利益が48.7%増、親会社株主に帰属する四半期純利益が46.4%増となりました。収益の伸びが債券売却損を吸収し、利益を押し上げました。
| 損益の増減要因(億円) | 金額 |
|---|---|
| 前年同期の経常利益 | 134.61 |
| 経常収益の増加 | +162.43 |
| 経常費用の増加 | -96.90 |
| 当期の経常利益 | 200.14 |
収益増の背景には、貸出金利息の増加に加え、株式等売却益の拡大があります。一方、国債等債券売却損の増加などで経常費用も膨らみました。基礎的な収益力を示す連結コア業務純益も前年同期比で139億円増えており、利益の伸びには金利環境の変化と有価証券運用の影響の両方が含まれます。
- 前年同期135億円
- 経常収益増+162億円
- 経常費用増-96.9億円
- 当期200億円
セグメント別動向
山口FGは銀行業の単一セグメントで、短信ではセグメント別の業績を開示していません。グループ内の銀行では、山口銀行、もみじ銀行、北九州銀行のいずれも経常利益が前年同期を上回りました。
山口銀行は経常利益が前年同期比44.2%増の147億円でした。貸出金利息の増加などで資金利益が伸び、株式等関係損益も増加しました。
もみじ銀行は経常利益が41.8%増の48億円でした。金利スワップ解約損益が発生した一方、国債等債券損益は損失が拡大しており、収益項目ごとの差が大きくなっています。
北九州銀行は経常利益が36.8%増の25億円でした。貸出金利息や役務取引等利益が増えたほか、前年同期に比べて貸倒引当金戻入益が計上されました。各行とも増益ですが、金利スワップや有価証券売却損益など一時的な要因も含まれるため、今後は本業の利ざや改善が続くかが焦点です。
- 山口銀行+44.2%
- もみじ銀行+41.8%
- 北九州銀行+36.8%
通期見通し
2027年3月期の業績予想は、5月8日に公表した内容から変更ありません。通期の経常利益は前期比49.9%増の675億円、親会社株主に帰属する当期純利益は36.3%増の450億円を見込みます。
| 指標 | 2027年3月期予想 | 前期比 |
|---|---|---|
| 経常利益 | 675億円 | +49.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 450億円 | +36.3% |
| 1株当たり当期純利益 | 222.05円 | 記載なし |
第1四半期の経常利益は通期予想の約29.7%、純利益は約31.4%に相当します。第1四半期時点では増益が先行していますが、銀行収益は金利や有価証券売却損益で変動します。会社は予想を据え置いており、今後は貸出金利息の伸びが債券売却損などをどこまで補えるかが見どころです。
財務状況と資本政策
6月末の総資産は前期末比1,161億円減の13兆643億円でした。自己資本比率は5.2%ですが、これは短信上の算定方法による比率で、規制上の自己資本比率とは異なります。
| 項目 | 2026年6月末・予想 | 比較 |
|---|---|---|
| 総資産 | 13兆643億円 | 前期末比 -1,161億円 |
| 自己資本比率(短信記載) | 5.2% | 前期末比 +0.1ポイント |
| 総自己資本比率(規制基準、連結) | 13.42% | 前期末比 +0.03ポイント |
| 預金・譲渡性預金 | 10兆8,810億円 | 前期末比 -3,371億円 |
| 貸出金 | 8兆9,868億円 | 前期末比 +459億円 |
| 年間配当予想 | 96円 | 前期の64円から32円増 |
第1四半期の連結キャッシュ・フロー計算書は作成されていないため、現金収支の比較はできません。取締役会決議に基づき、期中に自己株式370万6千株を取得し、自己株式の帳簿価額は103億円増加しました。増配予想と自社株取得は株主還元を強める動きですが、預金残高の減少と貸出の増加が続くか、資金調達コストとあわせて確認が必要です。
リスクと課題
増益の一方で、有価証券の売却損や市場金利の変動、預金の動きには注意が必要です。信用コストの変化も、今後の利益を左右する要素です。
- 金利・債券価格の変動: 国債等債券の売却損が前年同期から増加しました。金利変動が続けば、有価証券運用の損益や評価額に影響する可能性があります。
- 預金調達コスト: 預金利息は前年同期より増えています。貸出金利息の伸びが預金金利の上昇を上回れるかが、利ざやの確保に関わります。
- 預金残高の減少: 預金・譲渡性預金は前期末から減少しました。資金調達の安定性を保ちつつ、貸出需要に応える必要があります。
- 信用リスク: 連結の不良債権比率は1.68%で、前年同期比0.01ポイント上昇しました。不良債権の増加や貸倒引当金の変化が、与信関係費用を通じて利益を押し下げる可能性があります。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/8/6)
3,074円
最新終値(2026/10/23)
3,002円-2.3%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#山口FG#決算#決算分析#四半期決算#地方銀行#増収増益#金利上昇#増配#自社株買い
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コメント
貸出金利息の増加が増益の土台になっている一方、株式売却益や金利スワップ解約損益も利益を押し上げています。今回の数字だけで、利益の伸びがそのまま長く続くと判断するのは早そうです。
投資家が次に確認したいのは、債券売却損を抑えながら貸出金利息の伸びを維持できるかです。就活生にとっては、金利環境の変化が地域金融機関の収益を大きく動かす一方、預金確保や地域企業への融資も経営の重要課題であることが見える決算です。
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