九州FG、2027年3月期第1四半期決算は増収減益、地震影響は調査中

九州FGの2027年3月期第1四半期決算を分析すると、経常収益は前年同期比32.8%増と大きく伸びた一方、経常利益は4.7%減、純利益は6.7%減となりました。資金利益の増加などで収益が拡大しましたが、その他業務費用や与信費用の増加が利益を押し下げました。通期予想は据え置きましたが、7月に発生した熊本地震の影響は調査中です。

決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 852億円 | +32.8% | — | — |
| 営業利益 | 182億円 | -4.7% | 650億円 | 28% |
| 純利益 | 125億円 | -6.7% | 450億円 | 28% |
この決算のポイント
- 1資金利益の増加などで業務粗利益は前年同期比48億49百万円増加し、収益拡大を支えた
- 2鹿児島銀行のセグメント利益は前年同期比15.9%減、肥後銀行は8.7%増と明暗が分かれた
- 3通期の経常利益予想650億円、純利益予想450億円は2026年5月公表値から変更なし
- 4年間配当予想は38円で、前期実績29円から9円増。熊本地震による影響額は算定中
業績のポイント
九州FG(九州フィナンシャルグループ)は、2027年3月期第1四半期に増収減益となりました。経常収益は前年同期比32.8%増、経常利益は4.7%減、親会社株主に帰属する四半期純利益は6.7%減です。
増減要因を金額で見ると、経常収益の増加分を経常費用の増加分が上回り、経常利益は前年同期から9億7百万円減少しました。主な背景は、資金利益の拡大に加え、その他業務収益とその他業務費用がともに増えたことです。
金利上昇を背景に貸出金利息などの資金運用収益が伸び、業務粗利益は前年同期比48億49百万円増加しました。一方で預金利息などの資金調達費用も増え、与信費用や経費も利益を圧迫しています。収益の伸びが利益増に結びつかない決算となり、今後は収益の質と費用の動きが焦点です。
- 前年同期191億円
- 経常収益増+211億円
- 経常費用増-220億円
- 当期182億円
セグメント別動向
銀行業では、肥後銀行と鹿児島銀行で利益の方向が分かれました。セグメント利益の前年同期比はグラフの通りで、収益の伸びが各行の利益に同じようには反映されていません。
肥後銀行は経常収益が前年同期比35.0%増、セグメント利益が8.7%増でした。資金利益の増加に加え、その他業務収益が大きく伸び、増益を確保しました。
鹿児島銀行は経常収益が前年同期比40.3%増となった一方、セグメント利益は15.9%減でした。資金利益は増加しましたが、その他業務費用や与信費用の増加が利益を押し下げています。リース業は経常収益が10.9%増、利益が18.9%増となり、「その他」も増益でした。銀行各行で収益と費用の組み合わせが異なり、利益動向に差が出ています。
- 肥後銀行+8.7%
- 鹿児島銀行-15.9%
- リース業+18.9%
- その他+145.6%
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 肥後銀行 | 379億円 | 45% | 102億円 | 27.0% |
| 鹿児島銀行 | 347億円 | 41% | 87億円 | 25.2% |
| リース業 | 109億円 | 13% | 3億円 | 2.5% |
| その他 | 26億円 | 3% | 3億円 | 10.9% |
財務状況と資本政策
6月末の総資産は前期末比2,281億円増となり、貸出金や預金も増加しました。自己資本比率や配当の状況は以下の通りです。
| 項目 | 2026年6月末・2027年3月期予想 | 比較対象 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 総資産 | 13兆7,537億円 | 2026年3月末 | +2,281億円 |
| 会計上の自己資本比率 | 5.7% | 2026年3月末5.6% | +0.1ポイント |
| 連結自己資本比率 | 11.34% | 2025年6月末11.90% | -0.56ポイント |
| 年間配当予想 | 38円 | 前期実績29円 | +9円 |
貸出金は前期末比2,032億円増、預金等は1,709億円増で、資産規模の拡大を支えました。連結自己資本比率は銀行法上の基準に基づく指標で、短信に記載された会計上の自己資本比率とは計算方法が異なります。四半期キャッシュ・フロー計算書は作成されておらず、自社株買いの発表もありません。配当予想は前期実績を上回りますが、今回の短信で予想の修正はありません。
通期見通し
九州FGは2027年3月期の業績予想を据え置きました。通期の経常利益は650億円、親会社株主に帰属する当期純利益は450億円を見込み、いずれも2026年5月公表の予想から変更していません。
| 項目 | 前回予想 | 今回予想 | 前期実績 |
|---|---|---|---|
| 経常利益(通期) | 650億円 | 650億円 | 決算短信に記載なし |
| 親会社株主に帰属する純利益(通期) | 450億円 | 450億円 | 決算短信に記載なし |
第2四半期累計の予想は経常利益310億円、純利益215億円です。第1四半期は経常利益が前年同期を下回りましたが、会社は通期予想を維持しています。ただし、7月28日に発生した令和8年熊本地震で顧客や営業拠点に被害が出ており、第2四半期以降の業績や財務への影響は調査中です。重大な影響が見込まれる場合は、速やかに開示するとしています。
リスクと課題
収益は拡大したものの、費用増が利益を上回る課題が残りました。外部環境の変化や災害による影響を含め、次の点に注意が必要です。
- 熊本地震の影響: 2026年7月28日の地震で顧客や営業拠点に被害が発生しました。第2四半期以降の財政状態、経営成績、キャッシュ・フローへの影響額は調査中です。
- 調達コストの上昇: 預金利息を含む資金調達費用が前年同期より増加しました。金利環境の変化が続けば、貸出金利息の伸びとのバランスが利益を左右します。
- 与信費用と信用リスク: 与信費用は前年同期より増えました。金融再生法開示債権の総与信に占める割合は6月末に1.64%となり、前期末の1.61%から上昇しています。
- 有価証券の市場変動: 株式や外国証券の保有が増えています。金利や株価の変動は評価差額を通じて純資産に影響するため、保有資産の管理が引き続き重要です。
地震の影響額が未確定であることから、通期予想の達成度を判断するには、次回以降の開示で被害状況と費用負担を確認する必要があります。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/8/6)
1,533.5円
最新終値(2026/10/23)
1,460.5円-4.8%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#九州FG#決算#決算分析#四半期決算#銀行決算#増収減益#配当予想#熊本地震#与信費用
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コメント
資金利益が伸びている点は、金利環境の変化を収益機会に変えつつある表れです。ただし、調達費用や与信費用も増えており、トップラインの成長だけで収益力の改善を判断しにくい内容でした。
特に気になるのは、鹿児島銀行が増収でも減益となったことと、熊本地震の影響がまだ見通せないことです。次の決算では、地震関連費用の開示に加え、貸出金利息の伸びが預金コストや信用コストをどれだけ吸収できたかに注目したいです。
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