業界ダイジェスト
株式会社めぶきフィナンシャルグループ の会社詳細
株式会社めぶきフィナンシャルグループ
めぶきフィナンシャルグループ
2026年3月期 通期

めぶきFG・2026年3月期通期、純利益44%増の841億円で過去最高——金利上昇が追い風、年間配当は12円増額の40円へ

めぶきFG
過去最高益
地方銀行
増配
金利上昇
常陽銀行
足利銀行
自己株買い
配当性向40%
銀行業
通期1年間の確定値(前年比)

売上高

4,433億円

+23.0%

営業利益

1,157億円

+39.6%

通期予想

1,390億円

進捗率83%

純利益

842億円

+44.5%

通期予想

950億円

進捗率89%

営業利益率

26.0%

北関東を地盤とする地方銀行大手のめぶきフィナンシャルグループは13日、2026年3月期(2025年度)の連結純利益が前年比 44.5%増841億円 となり、過去最高益を更新したと発表しました。日本銀行の追加利上げに伴う「金利のある世界」への本格移行により、貸出金利息などの資金運用収益が大幅に拡大したことが主因です。好調な業績を背景に、年間配当は前期から 12円増額40円 とし、株主還元姿勢を一段と強めています。

業績のポイント

当連結会計年度の業績は、経常収益が前年同期比 23.0%増4,433億円、経常利益が同 39.6%増1,156億円 と、大幅な増収増益を達成しました。特筆すべきは親会社株主に帰属する当期純利益で、前年比 259億円増841億円 を計上し、グループ発足以来の最高益を塗り替えました。

増益の最大の要因は、日本銀行による追加利上げを背景とした資金利益の拡大です。預金利息などの資金調達コストが上昇した一方で、それを上回るペースで貸出金利息や有価証券利息配当金が増加しました。また、有価証券運用においても、市場動向に応じた柔軟なポートフォリオの入れ替えを推進し、金利上昇による追い風を的確に捉えました。

指標2025年3月期2026年3月期前年同期比
経常収益3,601億円4,433億円+23.0%
経常利益828億円1,156億円+39.6%
親会社株主に帰属する当期純利益582億円841億円+44.5%

業績推移(通期)

売上高営業利益

セグメント別動向

当社グループは銀行業務を中核としており、傘下の常陽銀行と足利銀行が業績を牽引しました。両行合算の業務粗利益は前年比 410億円増2,053億円 と極めて好調に推移しました。特に 「金利のある世界」への移行 を背景に、国内業務の資金利益が 416億円増 と大きく伸長しています。

常陽銀行(単体)は、経常収益が前年比 24.9%増2,401億円、当期純利益が同 44.7%増510億円 となりました。法人・個人向けともに貸出金残高が堅調に推移し、金利上昇に伴う利鞘(収益率)の改善が利益を押し上げました。足利銀行(単体)も同様の傾向にあり、経常収益は 27.5%増1,626億円、当期純利益は 63.2%増303億円 と、常陽銀行を上回る増益率を記録しました。

主要子会社(単体)経常収益前年比当期純利益前年比
常陽銀行2,401億円+24.9%510億円+44.7%
足利銀行1,626億円+27.5%303億円+63.2%
セグメント売上高構成比営業利益営業利益率
銀行業(グループ連結)4,433億円100%1,157億円26.0%

財務状況と資本政策

2026年3月末の総資産は、前年度末から 2,347億円減少21兆1,735億円 となりました。これは公共預金の減少などが影響したものですが、一方で個人・法人預金は 1,828億円増加 し、貸出金も地域の中核企業や住宅ローン需要を取り込んだことで 7,945億円増13兆9,976億円 と、本業のボリュームは着実に拡大 しています。

資本政策においては、株主還元の拡充が鮮明となっています。当期の年間配当は、期初予想を大幅に上回る 28円(前期比12円増)を決定しました。さらに次期(2027年3月期)の配当予想は、第4次中期経営計画で掲げた「配当性向40%以上」の目標達成に向け、さらに 12円増配年間40円 とすることを公表しました。積極的な自社株買い(当期に 300億円 実施)と合わせ、資本効率の向上と株主への利益還元を強力に推進しています。

リスクと課題

好調な業績の一方で、経営陣は複数の不透明要因を挙げています。第一に、米国の通商政策変更に伴う地政学リスクの再燃やサプライチェーンへの影響です。北関東の製造業を主要顧客に持つ同社にとって、輸出産業の動向は貸出需要や信用コストに直結する課題です。

第二に、国内の深刻な労働力不足への対応です。地域企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)支援を強化するため、2026年4月にはITシステム開発会社を子会社化するなどの対策を講じていますが、人的資本への投資負担増もリスク要因となります。また、金利上昇は収益に寄与する一方で、保有する有価証券(国債等)の含み損拡大リスクを内包しており、適切なポートフォリオ管理 が引き続き重要な焦点となります。

通期見通し

2027年3月期の通期連結業績予想は、経常利益が前年比 20.1%増1,390億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同 12.8%増950億円 と、さらなる最高益の更新を見込んでいます。国内金利の緩やかな上昇継続を前提に、貸出利鞘のさらなる改善を見込む強気の計画です。

項目前期実績2027年3月期予想増減率
経常利益1,156億円1,390億円+20.1%
当期純利益841億円950億円+12.8%
1株当たり純利益89.03円101.21円+13.7%
AIアナリストの視点

今回の決算は、日本の地方銀行が「金利のある世界」への移行によって享受できる収益拡大のポテンシャルを鮮明に示した格好です。特に、預金吸収力が強い地域大手ならではの低コスト調達を維持しつつ、貸出金利をリプライシング(再設定)できている点が利益急増に繋がっています。

注目すべきは配当政策の劇的な変化です。前期比で約1.7倍、次期予想も含めると2年で2.5倍に引き上げる増配ペースは、従来の地銀の枠を超えた株主還元姿勢と言えます。これはPBR(株価純資産倍率)1倍割れの是正に向けた強い意志の現れでもあり、就活生にとっては「攻めのDX戦略」や「非金融面でのコンサルティング強化」など、単なる金貸し業から脱却しようとするダイナミックな経営転換期にある企業として映るでしょう。

懸念点は、保有債券の評価損リスクですが、決算資料を見る限りデリバティブ等を用いたヘッジ(繰延ヘッジ損益等)を適切に活用しており、金利上昇シナリオに対する耐性は十分に構築されていると考えられます。