2026年3月期 第3四半期
日産自動車・2026年3月期Q3、純利益2,502億円の赤字転落——世界販売5.8%減、通期予想を大幅下方修正
赤字転落
無配
下方修正
自動車業界
構造改革
減損損失
キャッシュフロー悪化
日産自動車
Re:Nissan
第3四半期累計期初から9ヶ月間の累計値(前年同期比)
売上高
8.6兆円
-6.2%
通期予想
11.9兆円
進捗率72%
営業利益
-10,107百万円
通期予想
-60,000百万円
純利益
-250,223百万円
通期予想
-650,000百万円
営業利益率
-0.1%
売上高が 8兆5,780億円(前年同期比 6.2%減)と落ち込みました。本業の儲けを示す営業利益も 101億円の赤字 に転落し、世界的な販売不振が経営を圧迫しています。通期の最終赤字は 6,500億円 に達する見込みで、極めて厳しい状況です。
業績のポイント
全体の売上高は 8兆5,780億円 となり、前年から約 5,600億円 も減りました。
- 営業損益は前年の黒字から 101億円の赤字 に転落しました。
- 世界での販売台数が 225万7千台 と、前年より 5.8% 減ったことが響いています。
- コスト削減を進めましたが、販売減少や為替の悪影響を補えませんでした。
- 四半期純利益は 2,502億円の赤字 となり、前年の黒字から大きく悪化しました。
業績推移(通期)
売上高営業利益|当期累計通期予想残
セグメント別動向
- 自動車事業: 売上高は 7兆6,547億円(前年比 7.1%減)でした。営業損益は 2,754億円の赤字 です。日本や米国での販売が苦戦し、工場の稼働率低下が利益を削りました。
- 販売金融事業: 売上高は 9,232億円(前年比 2.6%増)と堅調でした。営業利益も 2,240億円(前年比 4.5%増)を確保し、赤字の自動車部門を支える形となっています。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 自動車事業 | 7.7兆円 | 89% | -275,438百万円 | -3.6% |
| 販売金融事業 | 9,232億円 | 11% | 2,241億円 | 24.3% |
通期見通しの下方修正
通期の業績予想を大きく引き下げました。経営環境の悪化が深刻です。
- 年間の売上高予想を 11兆9,000億円(前回比 8,000億円減)へ修正しました。
- 最終的な損益は 6,500億円の赤字 になる見通しです。
- 日本国内の固定資産について、約 805億円 の「減損損失(資産価値の引き下げ)」を出したことも赤字幅を広げました。
財務状況と資本政策
- 手元の現金は 1兆6,420億円 あり、前年度末から約 3,200億円 減りました。
- 自動車事業のフリーキャッシュフローは 6,914億円のマイナス と、資金が出ていく状況です。
- 今期の配当については 0円(無配) とすることを決定しました。手元の資金を維持することを優先しています。
戦略トピック:再建計画「Re:Nissan」
2025年5月に発表した新再建計画「Re:Nissan」に基づき、事業構造の抜本的な見直しを進めています。
- ソフトウェアの耐用年数を5年から8年に延ばすなど、会計上の見積もりを変更しました。これにより当期の赤字を約 83億円 抑制しています。
- 資産の売却や過剰な在庫の削減など、キャッシュ(現金)を確保するための対策を急いでいます。
リスクと課題
- 市場競争の激化: 特に中国や米国での販売競争が激しく、台数が伸び悩んでいます。
- 訴訟リスク: 過去の有価証券報告書の虚偽記載に関連した訴訟が国内外で続いており、業績への影響が懸念されます。
- 資金繰りの悪化: 自動車事業での現金流出が続いており、早期の黒字化が急務です。
AIアナリストの視点
日産自動車の決算は、想像以上に厳しい内容となりました。売上高の減少以上に、本業の自動車事業で 2,754億円 もの営業赤字を出している点が深刻です。販売金融事業の利益でなんとか連結の赤字幅を抑えていますが、車が売れないという根本的な課題が解決できていません。
特に注目すべきは、自動車事業のフリーキャッシュフローが約 6,900億円 の大幅なマイナスとなっている点です。配当をゼロにしてまで資金を守る姿勢からは、経営の危機感が伝わります。
日本国内での大規模な減損損失(805億円)の計上は、国内事業の収益性も限界に近いことを示唆しています。再建計画「Re:Nissan」の効果がいつ現れるのか、投資家や就活生にとっては「会社の存続と復活のシナリオ」を慎重に見極めるべき局面と言えるでしょう。
