株式会社オープンハウスグループ の会社詳細
株式会社オープンハウスグループ
オープンハウスグループ
2026年9月期 第1四半期

オープンハウスグループ・2026年9月期Q1、営業利益17%増の402億円——収益不動産が利益倍増、通期予想と配当を上方修正

オープンハウス
3288
増収増益
上方修正
配当増額
収益不動産
自己株買い
住宅業界
富裕層ビジネス
プレサンス
第1四半期累計期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)

売上高

3,299億円

+4.3%

通期予想

1.5兆円

進捗率22%

営業利益

403億円

+17.3%

通期予想

1,745億円

進捗率23%

純利益

274億円

+19.6%

通期予想

1,155億円

進捗率24%

営業利益率

12.2%

不動産大手のオープンハウスグループが2月10日に発表した2026年9月期第1四半期(2025年10〜12月)連結決算は、売上高が前年同期比 4.3%増3,298億円、営業利益が 17.3%増402億円 となった。法人や富裕層向けの 収益不動産事業 が利益倍増と大きく伸長したほか、主力の戸建事業でも売上総利益率が改善した。好調な進捗を受け、同社は 通期業績予想の上方修正と年間配当の22円増額 を同時に発表している。

業績のポイント

当第1四半期の業績は、売上高 329,850百万円(前年同期比 +4.3%)、営業利益 40,292百万円(同 +17.3%)、親会社株主に帰属する四半期純利益 27,407百万円(同 +19.6%)と、すべての指標で前年を上回る好決算となった。特に利益面での伸びが顕著であり、主力セグメントにおける採算性の向上と、需要が旺盛な投資用不動産市場の波を的確に捉えたことが増益の主な要因である。

経営陣は、2023年に策定した「3カ年経営方針」の最終年度に向けて着実な歩みを進めている。主力の戸建関連事業では、展開エリアにおける住宅需要が回復傾向にあり、引渡棟数は前年並みながらも 売上総利益率の改善 が利益を支えた。また、販売契約も好調に推移しており、第2四半期以降の業績に対する確度も高まっている。

特筆すべきは、通期業績予想の 上方修正 である。第1四半期の進捗が想定を上回ったことから、通期の連結営業利益予想を従来の1,650億円から 1,745億円(前期比 +19.6%)へと引き上げた。これに伴い、株主還元も強化し、年間配当予想を前期実績から22円増となる 200円(前回予想比 +22円)に修正したことは、投資家にとってポジティブなサプライズとなった。

業績推移(通期)

売上高営業利益|当期累計通期予想残

セグメント別動向

セグメント別では、収益不動産事業が全体の利益成長を牽引する原動力となった。事業法人や富裕層による賃貸マンション・オフィスビルへの投資需要は極めて高く、売上高は 50,690百万円(前年同期比 +64.5%)、営業利益は 7,133百万円(同 +100.5%)と 倍増 を記録した。低金利環境の継続や不動産価格の上昇期待を背景に、優良物件に対する引き合いが非常に強い状況が続いている。

主力の戸建関連事業は、売上高 198,723百万円(前年同期比 1.7%減)、営業利益 23,040百万円(同 0.7%減)と微減ながらも、着実な収益を確保した。売上高の減少は引渡し時期の分散によるものだが、仕入れコストの管理徹底により 利益率は向上 している。マンション事業については、引渡しが第4四半期に集中する季節性があるものの、販売契約自体は順調に進捗しており、営業利益は 572百万円(前年同期は965百万円の赤字)と黒字化を果たした。

子会社のプレサンスコーポレーションは、近畿・東海圏での投資用・ファミリーマンション販売が寄与し、営業利益 5,231百万円(前年同期比 +25.9%)と大幅な増益を達成した。一方で「その他」セグメントに含まれる米国不動産販売は、国内富裕層の分散投資需要は根強いものの、売上高・利益ともに前年比で数パーセントの減少となった。

セグメント名売上高 (百万円)前年同期比営業利益 (百万円)前年同期比
戸建関連事業198,723△1.7%23,040△0.7%
マンション事業8,256+129.8%572(黒字転換)
収益不動産事業50,690+64.5%7,133+100.5%
プレサンス37,644△12.3%5,231+25.9%
その他 (米国不動産等)34,532△5.5%3,842△4.1%
セグメント売上高構成比営業利益営業利益率
戸建関連事業1,987億円60%230億円11.6%
収益不動産事業507億円15%71億円14.1%
プレサンス376億円11%52億円13.9%

財務状況と資本政策

2025年12月末時点の総資産は 1兆4,355億円 となり、前期末から 235億円 増加した。中長期的な成長を見据え、将来の売上原資となる 仕掛販売用不動産 を589億円積み増したことが主因である。一方で、棚卸資産の取得等により現金及び預金は487億円減少したが、総資産に占める自己資本の比率は 38.7%(前期末比 +0.6ポイント)と、財務の健全性は維持されている。

資本政策においては、積極的な株主還元姿勢が鮮明となった。当四半期中に約 220億円規模の自己株式消却 を実施したほか、約 35億円の自己株式取得 も行っている。さらに、業績予想の上方修正に合わせ、中間・期末の配当予想をそれぞれ10円ずつ、計20円増額し、年間配当を 200円 とした。これは、持続的な成長と利益配分のバランスを重視する経営判断の表れといえる。

リスクと課題

今後の懸念材料として、以下の要因が挙げられる。

  • 金利動向の影響: 日本国内の金利上昇は、住宅ローン金利の先高観を通じて戸建住宅の需要を冷え込ませるリスクがある。また、収益不動産セグメントにおいても投資利回りの低下を招く可能性がある。
  • 建築コストの変動: 人手不足に伴う労務費の上昇や、資材価格の再騰が売上総利益率を圧迫するリスクについては、継続的な注視が必要である。
  • 物件引渡しの偏り: マンション事業等において、特定の四半期に売上が集中する構造がある。第4四半期に引渡しが集中する計画となっているため、年度末に向けた工期管理や在庫処分の進捗が通期目標達成のカギを握る。
  • 海外情勢: 「その他」に含まれる米国不動産事業は、米国の金利政策や為替相場の変動により、国内投資家の購買意欲が左右されるリスクを孕んでいる。

通期見通し

第1四半期の好調な滑り出しを受け、2026年9月期の通期連結業績予想を上方修正した。修正後の売上高は 1兆4,850億円(前期比 +11.1%)、営業利益は 1,745億円(同 +19.6%)を見込む。特に収益不動産事業の伸長が想定を上回っており、全社的な利益レベルを一段押し上げる計画だ。

項目前回予想 (A)今回修正 (B)増減額 (B-A)前期実績
売上高 (億円)14,85014,850013,365
営業利益 (億円)1,6501,745+951,459
経常利益 (億円)1,5501,650+1001,394
純利益 (億円)1,0701,155+851,006
AIアナリストの視点

オープンハウスグループの決算は、一言で言えば「極めて強気」な内容です。Q1の時点で営業利益を約100億円も上方修正し、同時に増配を発表するのは、足元の契約進捗に相当な自信がある証左でしょう。

特に注目すべきは 収益不動産事業の利益率 です。売上高営業利益率が14%を超えており、戸建関連の11%強を上回る収益源に育っています。法人のオフィス需要や個人の節税・運用需要をうまくパッケージ化して販売する「オープンハウス流」のビジネスモデルが、高金利懸念の中でも崩れていない点は高く評価できます。

就活生や投資家にとっては、同社が「単なる建売業者」から「投資用不動産も含めた総合ディベロッパー」へと完全に脱皮し、利益構造を多様化させている点に注目すべきです。一方で、バランスシート上の仕掛不動産が積み上がっているため、今後の金利上昇局面で在庫回転率を維持できるかが、中長期的な焦点となります。