東京海上HD・2026年3月期Q2、純利益0.2%減の6,868億円——政策保有株売却を加速、年間配当は39円増額の211円へ

東京海上ホールディングスの2026年3月期中間決算は、経常収益が前年同期比0.6%増の4兆3,678億円、中間純利益が同0.2%減の6,868億円とほぼ横ばいでの着地となりました。自然災害の影響や資産運用環境の変化を、国内生命保険事業の成長や政策保有株式の売却益で補った形です。特筆すべきは株主還元の強化で、年間配当予想を従来の172円から211円へ大幅に引き上げ、資本効率の向上を鮮明に打ち出しています。
決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 4.4兆円 | +0.6% | — | — |
| 営業利益 | 8,803億円 | -6.1% | 1.2兆円 | 72% |
| 純利益 | 6,868億円 | -0.2% | 9,100億円 | 75% |
| 営業利益率 | 20.2% | |||
業績のポイント
当期の中間連結業績は、経常収益 4,367,813百万円(前年同期比 0.6%増)、経常利益 880,281百万円(同 6.1%減)、親会社株主に帰属する中間純利益 686,835百万円(同 0.2%減)となりました。前年同期に計上した高水準の運用益の反動があったものの、保険引受収益は堅調に推移しました。
- 保険引受収益は 3,081,712百万円(同 1.2%減)と微減でしたが、国内生命保険事業の寄与により利益水準を維持しています。
- 経常利益の減少( -6.1% )は、主に資産運用収益の減少( -1.0% )と保険引受費用の増加( +2.8% )によるものです。
- 一方、政策保有株式の売却などを通じた資本再配置を進めており、純利益ベースでは前年並みを確保しました。1株当たり中間純利益は 359.12円 となっています。
セグメント別動向
主力3セグメントにおいて、国内生命保険の伸長が際立つ一方、国内損保と海外事業は利益面で調整局面となりました。
- 国内損害保険事業: 経常収益 2,071,472百万円、セグメント利益 601,024百万円(前年同期比 21,045百万円減)。火災保険や自動車保険の正味収入保険料は底堅いものの、保険金の支払い増加が利益を押し下げました。
- 国内生命保険事業: 経常収益 278,842百万円、セグメント利益 49,782百万円(同 28,285百万円増)。新契約の獲得が順調に進み、グループ全体の利益を下支えする成長エンジンとしての存在感を見せました。
- 海外保険事業: 経常収益 2,090,770百万円、セグメント利益 224,436百万円(同 65,725百万円減)。米国を中心としたインフレ影響や自然災害による支払備金の積み増しが利益を圧迫しました。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 国内損害保険事業 | 2.1兆円 | 47% | 6,010億円 | 29.0% |
| 海外保険事業 | 2.1兆円 | 48% | 2,244億円 | 10.7% |
| 国内生命保険事業 | 2,788億円 | 6% | 498億円 | 17.9% |
財務状況と資本政策
財務健全性を維持しつつ、極めて積極的な株主還元策を打ち出しています。
- 総資産は前期末比 3,568億円減 の 30兆8,805億円 となりました。自己資本比率は 16.3% を維持しています。
- 配当の大幅増額: 2026年3月期の年間配当予想を 211.00円(前期実績172.00円から 39円増)に修正しました。中間配当は 105.50円 を実施します。
- 政策株式の売却: 通期で 6,600億円 の政策保有株式の売却を見込んでおり、得られたキャッシュを成長投資や株主還元に充当する「資本循環型経営」を加速させています。
- 自己株式の取得についても、中間期で 1,215億円 を実施済みであり、総還元性向への強い意識がうかがえます。
リスクと課題
今後の経営課題として、気候変動に伴う自然災害の激甚化と、グローバルな金融市場の不透明感への対応が挙げられます。
- 自然災害リスク: 通期の自然災害に係る正味発生保険金は、国内で 1,060億円、海外で 930億円 を見込んでいます。想定を上回る大型台風やハリケーンの発生は、業績の下振れ要因となります。
- 市場変動リスク: 運用資産の多くを有価証券が占めるため、金利上昇や株価下落は評価損(当中間期でも有価証券評価損 278百万円 を計上)を通じて純資産を毀損させる可能性があります。
- 海外事業の収益性改善: 海外子会社の引受規律の強化と、インフレ環境下での適切な保険料設定が、中期的な利益回復の鍵を握ります。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2025/11/18)
386.7円
最新終値(2026/10/23)
572.2円+48.0%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#東京海上HD#保険業界#増配#政策保有株式売却#株主還元#海外展開#自然災害影響#高配当株#資本効率#損保決算
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