山梨中銀、2027年3月期第1四半期決算、経常利益45%増で株式5分割

山梨中銀の2027年3月期第1四半期決算は、経常収益が前年同期比36.1%増、経常利益が45.4%増、純利益が48.4%増となりました。貸出金利息や有価証券利息配当金が増え、預金利息や債券売却損の増加を吸収しました。通期予想は据え置く一方、10月に株式を5分割する方針を決め、投資家層の拡大を目指します。

決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 245億円 | +36.1% | — | — |
| 営業利益 | 69億円 | +45.4% | 183億円 | 38% |
| 純利益 | 48億円 | +48.4% | 125億円 | 38% |
この決算のポイント
- 1貸出金利息と有価証券利息配当金の増加で、経常収益は前年同期比36.1%増
- 2経常利益は68億68百万円で前年同期比45.4%増、純利益も48.4%増
- 3総預金は2026年3月末比2,086億円増、貸出金は523億円増
- 410月1日付で普通株式を1株につき5株に分割、年間配当予想は分割前換算で163円
- 5通期の経常利益予想183億円、純利益予想125億円は変更なし
業績のポイント
山梨中銀(山梨中央銀行)の2027年3月期第1四半期は、経常収益が244億83百万円(前年同期比36.1%増)、経常利益が68億68百万円(同45.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益が47億53百万円(同48.4%増)でした。利息収入の伸びが費用増を上回り、増益を確保しました。
| 経常利益の増減要因(億円) | 金額 |
|---|---|
| 前年同期 | 47.23 |
| 経常収益の増加 | +64.96 |
| 経常費用の増加 | -43.51 |
| 当期 | 68.68 |
増収をけん引したのは貸出金利息と有価証券利息配当金で、前年同期からそれぞれ24億41百万円、23億54百万円増えました。一方、預金利息や国債等債券売却損の増加で経常費用も膨らみましたが、利息収入の増加が上回りました。国内景気は緩やかな回復基調にあるものの、山梨県内では物価高による節約志向や資材高を背景に、消費や設備投資に慎重さも残っています。
- 前年同期47.2億円
- 経常収益増+65億円
- 経常費用増-43.5億円
- 当期68.7億円
セグメント別動向
銀行業が唯一の報告セグメントですが、重要性が乏しいとしてセグメント別の売上高や利益は開示されていません。連結全体では、貸出金利息や有価証券利息配当金の増加が収益を押し上げ、貸出金残高も2026年3月末から増加しました。
- 貸出金利息: 前年同期比24億41百万円増。貸出金利息は102億27百万円となり、資金運用収益の拡大を支えました。
- 有価証券利息配当金: 前年同期比23億54百万円増。金利環境の変化を背景に、資金運用収益の増加に寄与しました。
- 役務取引等収益: 前年同期比3億36百万円増の31億33百万円。貸出や預かり資産に関わる手数料収入などが伸びました。
山梨県内では半導体製造装置やIT関連部品などの機械工業に持ち直しがみられる一方、個人消費は物価高の影響で力強さを欠き、設備投資も資材価格の上昇が重荷です。預金・貸出の積み上げと運用収益の拡大が続くかに加え、預金金利や債券売却損など費用側の動きが利益の伸びを左右します。
通期見通し
会社は2027年3月期の業績予想を据え置きました。通期の経常利益は183億円(前期比32.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は125億円(同25.1%増)を見込みます。
| 指標 | 今回予想 | 前期比 | 第1四半期実績の進捗率 |
|---|---|---|---|
| 経常利益 | 183億円 | +32.2% | 37.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 125億円 | +25.1% | 38.0% |
第1四半期の利益進捗は、経常利益・純利益ともに通期計画の4割弱です。予想修正がないため、会社が示す計画の達成には、今後も貸出金利息などの収益拡大を維持しながら、預金利息や債券関連損益の変動を抑えられるかが焦点になります。
財務状況と資本政策
2026年6月末の総資産は4兆6,796億87百万円で、2026年3月末から981億円増加しました。預金・貸出金がともに増え、純資産も増加しています。
| 項目 | 2026年6月末 | 比較・内容 |
|---|---|---|
| 総資産 | 4兆6,796億87百万円 | 3月末比+981億円 |
| 純資産 | 2,404億78百万円 | 3月末比+67億84百万円 |
| 自己資本比率(連結、短信記載) | 5.1% | 3月末の5.0%から上昇 |
| 自己資本比率(国内基準、連結) | 9.88% | 3月末比+0.04ポイント |
| 年間配当予想 | 分割前換算163円 | 前期実績131円 |
総預金は公金・法人預金の増加などで3月末比2,086億円増、貸出金は地方公共団体や法人向けを中心に523億円増となりました。四半期キャッシュ・フロー計算書は作成されていないため、期間中の営業・投資・財務キャッシュ・フローは開示されていません。10月1日には普通株式を5分割する予定で、投資単位を引き下げて流動性向上と投資家層の拡大を図ります。配当予想に変更はなく、自己株式取得の発表もありません。
リスクと課題
増益を確保した一方、銀行収益は金利環境や有価証券の価格変動、地域経済の動向に左右されます。会社が挙げた景気・費用面の懸念に加え、貸出先の信用力や預金調達コストの変化も注視が必要です。
- 預金金利の上昇: 預金利息などの資金調達費用が増えると、貸出金利息の伸びを上回り、利ざやや利益を圧迫する可能性があります。
- 債券価格の変動: 金利上昇などで保有債券の価格が下がれば、評価損や売却損が拡大し、期間損益や純資産に影響します。
- 地域経済の弱さ: 物価高による節約志向や資材価格の高止まりが消費・設備投資を抑えれば、貸出需要や取引先企業の返済力に響くおそれがあります。
- 信用リスク: 2026年6月末の開示債権比率は0.75%で、3月末の0.79%から低下しました。景気悪化や取引先の業況変化による不良債権の増加には引き続き注意が必要です。
- 海外情勢の不透明さ: 中東情勢の緊迫化などが原材料価格や市場金利に波及すれば、地域企業の負担増や有価証券運用への影響につながる可能性があります。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/7/31)
1,288円
最新終値(2026/10/23)
1,208円-6.2%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#山梨中銀#決算#決算分析#四半期決算#銀行業#増収増益#株式分割#配当予想#山梨県経済
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コメント
利息収入の伸びが費用増を上回り、利益が大きく伸びた点は前向きに評価できます。貸出金残高の増加もあり、地域金融機関としての本業の広がりがうかがえます。
一方、預金利息や債券売却損も増えており、金利上昇が収益に与える影響は一方向ではありません。株式5分割は投資しやすさを高める施策ですが、今後は利ざやの確保と有価証券運用の安定性が通期計画達成の鍵になりそうです。
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