CCIグループ、2027年3月期第1四半期決算、純利益32%増も経常利益は減益
CCIグループの2027年3月期第1四半期決算を分析すると、経常収益は前年同期比8.0%増の278億84百万円、経常利益は同13.5%減の72億13百万円でした。貸出金利息などの増加が収益を押し上げた一方、前年の株式等売却益がなくなり利益を圧迫しました。法人税等調整額の減少で親会社株主に帰属する純利益は同31.7%増の75億21百万円となり、本業の利益と最終利益が逆方向に動く決算です。

決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 279億円 | +8.0% | — | — |
| 営業利益 | 72億円 | -13.5% | 265億円 | 27% |
| 純利益 | 75億円 | +31.7% | 170億円 | 44% |
| 営業利益率 | 25.9% | |||
この決算のポイント
- 1北國銀行の資金利益増加で経常収益は前年同期比8.0%増の278億84百万円
- 2前年の株式等関係損益の反動で経常利益は前年同期比13.5%減の72億13百万円
- 3法人税等調整額の減少を受け、親会社株主に帰属する純利益は31.7%増の75億21百万円
- 4貸出金は2026年6月末に前年同月末比2,830億円増加、事業性貸出が伸長
- 5年間配当予想は株式分割調整後の前期比7円増となる30円、業績予想は据え置き
業績のポイント
CCIグループ(CCIグループ)は、2027年3月期第1四半期に増収ながら経常減益となりました。経常収益は前年同期比8.0%増、経常利益は13.5%減、親会社株主に帰属する四半期純利益は31.7%増です。利益の増減を分けた主な要因は、次の通りです。
- 貸出金利息や有価証券利息配当金の増加を背景に、連結業務粗利益が拡大
- 前年同期に計上した株式等関係損益の大幅な減少が、経常利益を押し下げ
- 預金利息などの資金調達費用と営業経費が増加し、利益の伸びを抑制
- 法人税等調整額が費用から利益方向に転じ、最終利益を押し上げ
貸出金利息の増加は、金利上昇局面で銀行の資金利益が伸びていることを示します。一方、前年は株式等関係損益が大きかったため、当期は本業の収益力向上だけでは経常利益の前年水準に届きませんでした。純利益の増加には税金の影響が大きく、利益の実力を判断する際には経常利益との違いに注意が必要です。
- 前年同期83.4億円
- 業務粗利益+43億円
- 営業経費-13.6億円
- 貸倒関連費用-2.7億円
- 株式等損益-37.7億円
- その他-0.2億円
- 当期72.1億円
セグメント別動向
銀行業は、経常収益が前年同期比8.4%増えた一方、セグメント利益は12.4%減りました。貸出金利息や有価証券利息配当金が伸び、北國銀行単体の資金利益は前年同期比36億22百万円増加しましたが、株式等損益の減少や経費増加が利益を押し下げました。
リース業は、経常収益が前年同期比4.5%増、セグメント利益は14.5%増でした。銀行業の利益が減るなか、増収増益を確保しています。
その他にはスポーツ・エンタメ事業などが含まれ、当期はセグメント損失となりました。今期からスポーツ・エンタメ業を銀行業から切り離して表示しており、前年同期のセグメント情報も新しい区分に合わせて組み替えています。セグメント間の比較では、この区分変更を踏まえる必要があります。
- 銀行業-12.4%
- リース業+14.5%
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 銀行業 | 240億円 | 86% | 73億円 | 30.2% |
| リース業 | 38億円 | 14% | 71百万円 | 1.8% |
| その他 | 50百万円 | 0% | -107百万円 | -214.0% |
財務状況と資本政策
2026年6月末の総資産は前期末から減少しましたが、貸出金は増加しました。年間配当予想は株式分割を調整した前期実績を上回る水準で、会社は現時点で業績予想と配当予想を変更していません。
| 項目 | 2026年6月末・当期 | 比較対象 | 増減・補足 |
|---|---|---|---|
| 総資産(百万円) | 6,490,329 | 前期末 6,536,786 | 46,457百万円減 |
| 自己資本比率(連結) | 4.0% | 前期末 3.7% | 会計上の自己資本比率 |
| 自己資本比率(規制上) | 9.26% | 前期末 9.10% | 0.16ポイント上昇 |
| 現金及び預金(百万円) | キャッシュ・フロー計算書なし | - | 四半期のCF開示なし |
| 年間配当(円) | 30 | 前期実績 23 | 7円増、予想修正なし |
前期末比では貸出金が613億円増え、有価証券は1,992億円減りました。連結の自己資本比率は会計上の数値と規制上の数値で算定方法が異なるため、両者を混同しないことが大切です。四半期キャッシュ・フロー計算書は作成されておらず、短信に自社株買いの発表もありません。
配当の前期実績は、2025年10月の1株を10株とする株式分割を考慮すると年間23円です。2027年3月期の予想は中間15円、期末15円の合計30円で、分割調整後の前期実績から増配となります。
通期見通し
CCIグループは2027年3月期の業績予想を据え置きました。第1四半期の親会社株主に帰属する純利益は中間期予想に近い水準ですが、会社は今後の経済・金融情勢による変動を見込み、予想を変更していません。
| 指標 | 前回予想 | 今回予想 | 前年同期比・前期比 |
|---|---|---|---|
| 中間期 経常利益(百万円) | 14,000 | 14,000 | +13.4% |
| 中間期 純利益(百万円) | 9,000 | 9,000 | +11.0% |
| 通期 経常利益(百万円) | 26,500 | 26,500 | +34.1% |
| 通期 純利益(百万円) | 17,000 | 17,000 | +34.5% |
第1四半期の純利益は中間期予想の大部分に達していますが、法人税等調整額の減少による押し上げが含まれます。経常利益は中間期予想に対してまだ積み上げが必要であり、金利収入の増加が預金利息や経費の上昇をどこまで補えるかが、残る期間の焦点です。
リスクと課題
金利上昇は貸出金利息を増やす追い風となる一方、預金利息や資金調達費用を押し上げます。地域経済の回復が続くかに加え、市場変動や取引先の信用状況にも注意が必要です。
- 金利上昇と預金コスト: 貸出金利息が増える一方、預金利息も増加しています。調達コストの上昇が続けば、資金利益の伸びを抑える可能性があります。
- 株式等損益の変動: 前年同期の株式等関係損益が大きかった反動で、当期の経常利益は減少しました。市場環境によって売却益が変動し、利益の振れにつながります。
- 地域企業の事業環境: 中東情勢による原材料価格の上昇や、米国の通商政策を巡る不透明感が、北陸の輸出企業や自動車関連企業に影響する可能性があります。
- 信用コスト: 金融再生法上の開示債権残高は前年同期末より増えました。総与信に占める割合は低下したものの、貸出増加に伴う取引先の信用状況を引き続き確認する必要があります。
- 有価証券の評価変動: 金利や市場価格の変化は、保有債券などの評価損益や資本に影響します。会社はヘッジも活用していますが、市場環境の変化には注意が必要です。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/7/29)
1,111円
最新終値(2026/10/23)
1,084円-2.4%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#CCIグループ#決算#決算分析#四半期決算#銀行業#北國銀行#金利上昇#増配
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コメント
貸出金利息の増加で銀行の基礎的な収益力が伸びている一方、前年にあった株式等の売却益がなくなり、経常利益は減益となりました。純利益の大幅増だけを見るより、資金利益の拡大が預金コストや経費の増加を吸収できるかを追うべき決算です。
第1四半期の純利益は中間期予想に近づいていますが、税金面の押し上げが大きく、通期予想の上方修正をそのまま期待できる内容とは言い切れません。金利上昇の恩恵が続くか、株式等損益の変動を抑えられるかが次の注目点です。
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