第四北越FG、2027年3月期第1四半期決算、経常利益44%増で通期予想を上方修正

第四北越FGの2027年3月期第1四半期決算は、経常収益が前年同期比20.6%増、経常利益が44.1%増、純利益が38.3%増となる増収増益でした。貸出金利息の増加などで本業の利益が伸び、会社は第2四半期累計と通期の利益予想を上方修正し、年間配当予想も80円に引き上げました。利ざや改善を背景に利益予想と配当を引き上げた点が焦点です。

決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 697億円 | +20.6% | — | — |
| 営業利益 | 252億円 | +44.1% | 780億円 | 32% |
| 純利益 | 177億円 | +38.3% | 530億円 | 33% |
この決算のポイント
- 1第四北越FG(第四北越フィナンシャルグループ)の経常利益は前年同期比44.1%増の252億円
- 2貸出金利息の増加などで経常収益は前年同期比20.6%増の696億円
- 3銀行業の経常利益は前年同期比67億円増え、234億円に拡大
- 4通期の経常利益予想を780億円、純利益予想を530億円に上方修正
- 5年間配当予想は株式分割後換算で前期63円から80円へ増配
業績のポイント
第四北越FG(第四北越フィナンシャルグループ)の第1四半期は、経常収益、経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益がそろって前年同期を上回りました。経常利益は252億円で44.1%増、純利益は176億円で38.3%増です。 貸出金利息の伸びが利益を押し上げました。
| 経常利益の増減要因 | 前年同期比 |
|---|---|
| 経常収益の増加 | +119億円 |
| 経常費用の増加 | -42億円 |
経常収益の増加には、貸出金利息の増加などが寄与しました。一方、預金利息などの経常費用も増えていますが、収益の伸びが費用の増加を上回りました。新潟県内の経済は、原材料高が続くなかでも企業収益や雇用・所得環境に改善がみられ、全体として持ち直しの動きと会社は説明しています。
- 前年同期175億円
- 経常収益増+119億円
- 経常費用増-42億円
- 当期252億円
セグメント別動向
銀行業は、経常収益が前年同期比112億円増の604億円、経常利益が67億円増の234億円でした。貸出金の増加と貸出金利回りの上昇を背景に資金利益が拡大し、投資信託や住宅ローンの手数料収入も伸びました。預金利息の増加はあったものの、貸出金利息の増加が上回っています。
リース業は、経常収益が前年同期比3億円増の59億円、経常利益が2億円増の3億円でした。証券業は、経常収益が5億円増の18億円、経常利益が5億円増の8億円となり、両セグメントとも増収増益です。
その他は、経常収益が前年同期比47億円増の143億円、セグメント利益が45億円増の116億円でした。信用保証やクレジットカードなどを含む区分で、セグメント間の内部収益も含まれます。したがって、利益額を連結全体への外部収益の貢献とそのまま見なさず、連結調整後の利益と区別する必要があります。
- 銀行業+40.2%
- リース業+142.9%
- 証券業+132.3%
- その他+63.3%
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 銀行業 | 605億円 | 73% | 235億円 | 38.8% |
| リース業 | 60億円 | 7% | 3億円 | 5.7% |
| 証券業 | 18億円 | 2% | 9億円 | 48.3% |
| その他 | 144億円 | 17% | 116億円 | 80.8% |
財務状況と資本政策
6月末の総資産は前期末比1,830億円減の10兆6,572億円、純資産は同289億円増の5,983億円でした。自己資本比率は前期末の5.2%から5.6%へ上昇しています。
| 項目 | 2026年6月末・予想 | 比較 |
|---|---|---|
| 預金 | 8兆6,391億円 | 前期末比+1,257億円 |
| 貸出金 | 5兆8,799億円 | 前期末比+78億円 |
| 有価証券 | 2兆3,955億円 | 前期末比-1,176億円 |
| 年間配当予想 | 80円 | 前期実績63円から+17円 |
年間配当は2025年10月の1株を3株とする株式分割後の換算で比較しています。第2四半期末と期末にそれぞれ40円を予定し、会社は配当予想を増額修正しました。四半期キャッシュ・フロー計算書は作成されていないため、営業・投資・財務キャッシュ・フローの数値は開示されていません。預金増加と貸出金の堅調な推移を保ちながら、有価証券残高を減らしたこともこの四半期の資産構成の変化です。
通期見通し
会社は2027年3月期の第2四半期累計と通期の業績予想を上方修正しました。通期の経常利益は780億円、親会社株主に帰属する当期純利益は530億円を見込み、いずれも前期実績を上回る計画です。
| 指標 | 第2四半期累計予想 | 通期予想 | 2026年3月期実績 |
|---|---|---|---|
| 経常利益 | 388億円(前年同期比+21.1%) | 780億円(前期比+27.6%) | 611億円 |
| 親会社株主に帰属する利益 | 264億円(前年同期比+15.7%) | 530億円(前期比+25.8%) | 421億円 |
今回の短信には修正前の予想額が掲載されていないため、表では今回予想と前期実績を比較しています。上方修正の詳細な理由は別途開示するとしており、この短信だけでは修正幅や会社が挙げた個別要因までは確認できません。第1四半期の純利益は通期計画に対して33.3%の進捗で、今後は貸出金利息の増加が続くか、預金金利上昇による調達費用の増加をどこまで吸収できるかが焦点です。
リスクと課題
利益は大きく伸びましたが、金利環境や市場変動、地域企業の業況によって収益や信用コストが変動する可能性があります。会社が挙げる中東情勢や物価上昇の影響にも注意が必要です。
- 預金金利の上昇: 預金利息は前年同期より増加しました。貸出金利息の伸びを上回るペースで調達費用が膨らめば、利ざやや利益を押し下げるおそれがあります。
- 有価証券の価格変動: 銀行単体では国債等債券損益が前年同期より悪化しました。金利や株価の変動は、有価証券の売却損益や評価損益を通じて業績・純資産に影響します。
- 地域経済と信用コスト: 新潟県内では原材料高の影響が続いています。企業の収益悪化や個人の返済負担増が貸倒れにつながれば、信用コストが増える可能性があります。
- 外部環境の不確実性: 会社は中東情勢や物価上昇を国内経済の懸念材料として挙げています。雇用・所得環境や企業収益の持ち直しが弱まれば、貸出需要や手数料収入にも影響し得ます。
地域金融の事業基盤
第四北越銀行の貸出金残高は、2026年6月末に前年同月末比3,117億円増の5兆9,236億円となりました。県外事業性貸出と消費性貸出の増加が全体を押し上げ、預金等残高も個人・法人ともに堅調に推移しました。
- 県外事業性貸出: 前年同月末比3,259億円増。ストラクチャードファイナンスが堅調で、中小企業向けも増加しました。
- 消費性貸出: 同837億円増。非対面チャネルの活用などを通じ、住宅ローンや無担保ローンが伸びました。
- 預かり資産: 投資信託・公共債・保険などの残高は同2,166億円増の1兆2,947億円でした。
県外貸出の拡大や預かり資産の増加は、地域銀行としての収益源を広げる動きです。一方、県内事業性貸出は前年同月末を下回っており、主要営業基盤である新潟県内での企業支援と貸出需要の確保も引き続き重要です。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/7/30)
2,249円
最新終値(2026/10/23)
2,247円-0.1%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#第四北越FG#決算#決算分析#四半期決算#銀行業#増収増益#上方修正#増配#貸出金利息
この記事はいかがでしたか?
クリックで反応を送信(登録不要)
コメント
利ざや改善を背景に銀行業の利益が伸び、通期予想の上方修正と増配まで打ち出した点は、今回の決算の強さを示しています。貸出金利回りの上昇に加え、県外事業性貸出の増加や手数料収入の伸びもあり、収益源の広がりが見えます。
一方で、預金金利の上昇が利益を削る展開や、有価証券損益の振れには注意が必要です。通期計画の達成度を判断するうえでは、金利上昇の恩恵が続くかだけでなく、調達費用と市場運用の影響を見極めたいところです。
Googleで業界ダイジェストを優先表示
Google検索の「トップニュース」やAIによる概要で、当サイトの記事が見つけやすくなります。
この記事を引用・シェアする
転載・引用は無料・許可不要(出典明記のみでOK)
https://www.gyokaidigest.com/companies/daishi-hokuetsu-fg/report/2027-Q1
関連記事
北陸・甲信越の地方銀行の最新記事
掲載企業

株式会社第四北越フィナンシャルグループ
東証 7327
これが最新の決算解説です







