2026年3月期 第3四半期
ZOZO・2026年3月期Q3、売上高6.7%増の1,718億円——海外サイト買収や国内販促が寄与、成長続く
増収増益
過去最高更新
海外展開
M&A
自社株買い
株式分割
構造改革
ECサイト
アパレル
第3四半期累計期初から9ヶ月間の累計値(前年同期比)
売上高
1,718億円
+6.7%
通期予想
2,315億円
進捗率74%
営業利益
549億円
+6.1%
通期予想
692億円
進捗率79%
純利益
370億円
+2.9%
通期予想
478億円
進捗率77%
営業利益率
32.0%
売上高・各利益ともに過去最高を更新しました。海外サイトの連結や集客強化により、商品取扱高は5,000億円を超えました。不採算事業の終了を決めるなど、経営の効率化も同時に進めています。
業績のポイント
全体の取引額を示す商品取扱高は 5,029億円(前年比 9.1%増)となりました。
- 売上高は 1,718億円(前年比 6.7%増)と順調に伸びました。
- 営業利益は 549億円(前年比 6.1%増)で、増収増益を達成しています。
- 秋口の気温高騰で冬物の出足が遅れましたが、積極的な広告でカバーしました。
- 海外のファッションサイト「Lyst」を子会社化したことが増収に貢献しました。
業績推移(通期)
売上高営業利益|当期累計通期予想残
セグメント別動向
- ZOZOTOWN事業: 取扱高は 3,870億円(前年比 4.1%増)です。新作の販売が好調でした。
- LINEヤフーコマース: 取扱高は 578億円(前年比 15.4%増)と大きく伸びました。販促イベント「ZOZO祭」が成功しました。
- Lyst(新規): 取扱高は 319億円 です。2025年4月に買収した海外事業が加わりました。
- 広告事業: 売上高は 89億円(前年比 4.8%増)です。サイト内の広告利用が広がっています。
- BtoB事業: 売上高は 9億円(前年比 39.6%減)と苦戦しました。提携先の戦略変更が響いています。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| ZOZOTOWN事業 | 1,188億円 | 69% | — | — |
| LINEヤフーコマース | 177億円 | 10% | — | — |
| LYST | 44億円 | 3% | — | — |
財務状況と資本政策
積極的な株主還元と、事業の選択と集中を進めています。
- 総資産は 1,876億円 となり、前期末からほぼ横ばいです。
- 自己資本比率は 50.9% で、健全な水準を維持しています。
- 約 100億円 の自社株買いを実施し、一株当たりの価値を高めました。
- 1株を3株にする株式分割を行いましたが、配当予想は実質維持しています。
研究開発・成長投資
独自のAI技術や海外展開に投資を集中させています。
- AIエージェントの開発を進め、「似合う」を軸にした提案力を強化しています。
- 英国Lyst社を軸に、世界市場での成長を目指す方針を鮮明にしました。
- 一方で、採算の合わない「マルチサイズ」等の事業は終了を決定しました。
- これに伴い、約 7億円 の特別損失を出しましたが、将来の利益率改善を優先しました。
リスクと課題
- 天候リスク: 気温が高いと単価の高い冬服が売れず、業績に影響します。
- 物流コスト: 配送会社との契約見直しは進んでいますが、人件費上昇が課題です。
- 消費心理: 物価上昇による買い控えが起きており、販促コストが増える懸念があります。
通期見通し
通期の業績予想は、2025年7月の発表から据え置いています。
- 売上高は 2,315億円(前期比 8.6%増)を見込みます。
- 営業利益は 692億円(前期比 6.9%増)となる計画です。
- 下期もLystの成長や、LINEヤフーとの連携強化で目標達成を目指します。
AIアナリストの視点
ZOZOは単なる「国内の服の通販サイト」から、世界へ羽ばたくプラットフォームへと脱皮を図っています。
特に注目すべきは、英国Lyst社の連結による海外売上の確保と、不採算事業(マルチサイズ等)からの迅速な撤退という「攻めと守り」のスピード感です。国内でもLINEヤフーとの連携が深化しており、集客の窓口が着実に広がっています。
懸念点は、Lyst事業が低単価・低利益率なモデルであるため、連結全体での利益率がわずかに低下傾向にあることです。今後は、海外でいかに「稼ぐ力」を高められるかが、投資家からの評価を分けるポイントになるでしょう。
