航空大手2社・2027年3月期第1四半期、増収の裏で利益格差拡大、ANA優位とJAL苦戦
2027年3月期第1四半期、航空大手2社はそろって増収ながら減益となった。ANAは売上高が前年比22.6%増の6,727億円で、JALを成長率で上回る。一方、JALの営業利益は前年比72.1%減と、ANAの43.5%減より落ち込みが深い。燃油高が利益を削り、増収が利益に結びつかない構図が鮮明だ。
今期の総括
増収でも燃油高で利益格差
業界全体の動き
- ANAの売上高は前年比22.6%増、JALは11.2%増。国際線旅客や貨物の好調が、両社の増収を支えた。
- ただし、需要増は利益に直結しなかった。燃油費や人件費などのコストが膨らみ、両社とも営業減益となった。
- JALの燃油費は前年比58.4%増の1,488億円。ANAも燃油費上昇に加え、人件費やNCAの費用が利益を押し下げた。
- 営業利益率はANAが3.1%、JALが2.4%。売上高の業界平均は5,982億円、利益率の平均は2.8%だった。
売上高ランキング
営業利益ランキング
営業利益率ランキング
売上高 前年同期比
純利益 前年同期比
勝者と敗者
相対的な勝者はANAだ。売上高は前年比22.6%増の6,727億円で、JALの11.2%増、5,237億円を上回った。
営業利益もANAは前年比43.5%減の208億円。JALは72.1%減の127億円で、ANAが利益額と減益率の両面で優位に立った。純利益の減少率もANAは15.4%減、JALは80.2%減と差が大きい。
一方、最も苦戦したのはJAL。売上高は第1四半期として過去最高だったが、燃油費の急増と円安が重荷となった。マイル事業の利益が支えたものの、営業利益率はANAを0.7ポイント下回った。
- 好調
- ANA
- 苦戦
- 日本航空


注目の動き・戦略比較
JALは航空事業以外の収益が支えとなった。マイル事業は120億円の利益を出し、燃油高による減益を一部補った。収益源を分散する強みが表れた決算だ。
ANAでは、前年同期に連結子会社化したNCAの費用が加わった。国際線旅客や貨物の好調で売上は伸びたが、費用増が利益を圧迫した。
今回のデータでは、大型投資や新事業の詳細は確認できない。両社の差は、JALのマイル事業の利益貢献と、ANAの連結費用の影響に表れている。
業界共通のリスク
- 燃油価格と為替。中東情勢の緊迫化や円安が続けば、運航コストがさらに膨らむ。運賃や燃油サーチャージへの転嫁も課題だ。
- 人件費の上昇。人材確保や賃金改善は欠かせない一方、利益率を押し下げる要因にもなる。
- 運賃競争。国内線では単価上昇が限られるとの指摘もある。需要を取り込んでも、値下げ競争が強まれば利益は伸びにくい。
- 地政学と運航環境。情勢悪化による路線変更や需要変動は、燃料費だけでなく運航計画にも影響する。
- 脱炭素・安全対応。規制や安全基準への対応は、今後の投資負担となる可能性がある。
順位変化と構造トレンド
売上高、営業利益、営業利益率の首位は、いずれもANAだった。売上高の伸び率もANAが上回り、今期は規模と収益性で優位を示した。
ただし、両社とも営業利益は前年を下回る。ANAの営業利益率も3.1%にとどまり、JALとの差だけで業界全体の回復とは言い切れない。需要の強さを利益へ変える力が問われる。
就活生・転職希望者へ
航空需要の回復は、旅客や貨物に関わる仕事の機会を広げる。一方で、燃油高や為替の変動は会社の利益を左右する。業界では運航の効率化や、収益性を高める工夫も重要だ。
就職先を比べる際は、旅客サービスだけでなく、貨物、マイル事業、運航管理、データ活用にも目を向けたい。コストと安全を両立する仕事は、両社共通の重要テーマとなる。
タグ#航空業界#空運#日本航空#JAL#ANA#2027年3月期#燃油高#国際線#航空貨物#決算比較
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