大手ハウスメーカー・マンションデベ3社・2026年3月期——大和ハウスが営業利益6,000億円突破で独走、長谷工は利益59%増の猛追
今期の総括
全社最高売上も、事業ポートフォリオの差で利益に明暗
大和ハウス工業が営業利益6,000億円の大台を突破し、業界首位の座を盤石にしました。資材高騰の逆風下でも3社すべてが過去最高売上を更新。国内のストック型ビジネスや海外戦略の成否が、収益力の差となって鮮明に表れた決算期となりました。
業界全体の動き
この期間、業界を動かした主な要因は以下の3点です。
- 価格転嫁と高付加価値化の進展
建築資材高騰を住宅価格へ適切に反映。ZEH(省エネ住宅)などの高機能物件が富裕層に支持されました。
- 米国市場の影響度拡大
各社が注力する米国事業は、金利高止まりが重石に。一方で大和ハウスのように大型土地売却で利益を出す例も見られました。
- ストック型ビジネスへの転換
新築着工が減る中、リフォームや賃貸管理といった継続収益が各社の利益を支える大黒柱となりました。
売上高 前年同期比
長谷工が+8.1%で成長率トップ。マンション需要の根強さと価格上昇が、中堅規模ながら高い伸びを実現した背景にあります。
純利益 前年同期比
長谷工の+59.2%が突出。前期の特殊要因の反動に加え、施工管理の効率化による利益率改善がダイレクトに数字に現れました。
勝者と敗者:収益力で突き放す大和ハウス
最も好調だったのは大和ハウス工業です。営業利益は6,149億円(前年比+12.6%)と、2位の積水ハウス(3,414億円)に大差をつけました。差がついた理由は、住宅に依存しない多角化戦略です。物流施設や商業施設が稼ぎ、営業利益率は11%と圧倒的な高水準を記録しました。
一方で積水ハウスは、売上高4兆1,979億円(+3.4%)と堅調ですが、米国事業の苦戦が響き営業利益の伸びは3%に留まりました。成長スピードの差が数字に表れています。
勝者
大和ハウス工業
苦戦
積水ハウス(相対的な利益成長率において)
売上高ランキング
大和ハウスが5.5兆円を超え首位。住宅以外に物流・商業施設を抱える事業規模の大きさが、2位以下を大きく引き離す要因です。
営業利益ランキング
大和ハウスが6,000億円を突破し独走状態。2位積水ハウスに約2,700億円もの差をつけており、稼ぐ力の格差が拡大しています。
営業利益率ランキング
大和ハウスが11%と唯一の2桁台を記録。建設・住宅業界としては異例の高利益率で、効率的な経営が浮き彫りになりました。
注目の動き・戦略比較
- 大和ハウス工業:株主還元と成長の両立
1対2の株式分割と増配を決定。投資家層を広げつつ、物流などの非住宅分野へ巨額投資を継続しています。
- 積水ハウス:守りの強さを武器に
国内の賃貸管理などストック型利益が全体の4割を確保。景気に左右されない安定した収益構造を構築しました。
- 長谷工コーポレーション:効率化の極致
マンション建設に特化し、施工効率を徹底改善。純利益は548億円(+59.2%)と驚異的な伸びを見せました。
業界共通のリスク
- 国内外の金利動向:住宅ローンの金利上昇は、買い控えを招く最大の懸念事項です。
- 深刻な人手不足:職人の高齢化と労務費の上昇が、中長期的なコスト増要因となります。
- 国内人口の減少:新築市場の縮小は避けられず、海外や非住宅分野の成否が命運を握ります。
就活生・転職希望者へ
現在の住宅業界は「建てるだけ」の仕事から、街づくりや管理へと領域を広げています。
- 安定性重視なら:管理部門が強い積水ハウス
- 挑戦・規模感なら:多角経営で稼ぐ大和ハウス
- 専門性重視なら:マンション特化の長谷工
各社とも還元に積極的で、業績も絶好調です。給与水準も高く、非常に魅力的なキャリア選択肢と言えるでしょう。
