アルプスアルパイン・2026年3月期Q3、純利益2.4倍の**239億円**——車載事業が黒字化、通期予想を上方修正
売上高
7,612億円
+2.8%
通期予想
1.0兆円
営業利益
333億円
+31.5%
通期予想
370億円
純利益
240億円
+141.7%
通期予想
210億円
営業利益率
4.4%
売上高は7,611億円(前年比2.8%増)、純利益は239億円(前年比141.7%増)の増収増益でした。車載向けのモビリティ事業が黒字化し、物流子会社の不動産売却による利益も大きく貢献しました。業績が想定を上回ったため、通期予想の上方修正と増配を発表しています。
業績のポイント
売上高は前年比2.8%増の7,611億円でした。
営業利益は31.5%増の332億円に伸びました。
主な要因は以下の3点です。
- スマートフォン向けの部品販売が堅調だったこと。
- 車載事業の採算改善が進み、黒字に転換したこと。
- 円安の影響で売上と利益が押し上げられたこと。
特に純利益は141.7%増と、前年から大幅に増えました。
持分法適用会社の不動産売却益72億円が出たことが要因です。
業績推移(通期)
セグメント別動向
- コンポーネント:売上2,827億円(5.1%増)。スマホやゲーム機向けが好調で、円高影響を跳ね返し増益でした。
- センサー・コミュニケーション:売上642億円(1.4%減)。製品の切り替え時期にあたり、26億円の赤字となりました。
- モビリティ:売上3,992億円(2.0%増)。不採算製品の整理が進み、前年の赤字から78億円の黒字に変わりました。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| コンポーネント事業 | 2,828億円 | 37% | 275億円 | 9.7% |
| センサー・コミュニケーション事業 | 642億円 | 8% | -2,638百万円 | -4.1% |
| モビリティ事業 | 3,993億円 | 53% | 78億円 | 2.0% |
財務状況と資本政策
総資産は前期末から363億円増えて7,770億円です。
自己資本比率は56.3%と、健全な水準を維持しています。
株主還元をさらに強化しています。
- 年間配当を従来の60円から62円に増やす予定です。
- 約200億円(1,117万株)の自社株買いを実施しました。
- 取得した自社株は、10月にすべて消却しています。
リスクと課題
会社側は以下のリスクに触れています。
- 米国の追加関税や、欧州・中国の景気減速の影響。
- サプライチェーンを巡る地政学リスクの継続。
- 為替レートの急激な変動による業績への押し下げ効果。
通期見通し
好調な実績を受け、通期の業績予想を上方修正しました。
- 売上高:1兆100億円(従来予想から変更なし)
- 営業利益:370億円(前回から20億円上乗せ)
- 純利益:210億円(前回から60億円上乗せ)
開発費の回収が想定より進んだことが、利益を押し上げる理由です。
今回の決算で最も注目すべきは、長らく課題だった車載(モビリティ)事業の黒字化が明確になった点です。不採算製品の縮小やコスト改善が着実に実を結んでおり、一過性の利益だけでなく、事業体質そのものが強化されている印象を受けます。
また、アルプス物流の株式売却に関連する不動産流動化で72億円の利益を得るなど、資産の効率化も進んでいます。このキャッシュを約200億円もの自社株買いに充てるなど、株主還元への姿勢が非常に強まっている点も、投資家にとってポジティブな材料です。
今後の焦点は、赤字が続くセンサー・コミュニケーション事業の立て直しです。デジタルキーへの移行に伴う「端境期」をどう乗り越えるか、次期以降のV字回復に期待がかかります。
