
コムシスHD・2026年3月期Q3、純利益15.8%増の224億円——NTT向け工事やデータセンター案件が好調
売上高
4,247億円
+1.7%
通期予想
6,200億円
営業利益
322億円
+9.8%
通期予想
450億円
純利益
225億円
+15.8%
通期予想
310億円
営業利益率
7.6%
売上高は前年比 1.7%増、純利益は 15.8%増 と大きく伸びました。NTTの通信改善工事や、旺盛な データセンター需要 を捉えたことが主な要因です。株主還元も強化しており、年間配当は前期から 5円の増配 を予定しています。
業績のポイント
売上高は 4,247億円 (前年より 1.7%増 )となりました。
営業利益は 321億円 (前年より 9.8%増 )と順調です。
純利益は 224億円 (前年より 15.8%増 )と大幅に増えました。
利益が伸びた理由は、不採算案件の抑制と効率化が進んだためです。
また、将来の稼ぎとなる受注高も 5,036億円 (前年より 4.3%増 )と好調です。
特に通信、IT、社会システムの 全分野で受注が伸びた 点が際立っています。
業績推移(通期)
セグメント別動向
- 通信キャリア事業:売上高は前年並みを維持しました。
NTT向けのモバイル工事は、通信品質を上げる需要で好調です。
一方で、NCC(他キャリア)向けは 投資抑制の影響 で振るいませんでした。
- ITソリューション事業:売上高が順調に伸びました。
大手企業向けのシステム構築や、情報端末の保守案件が安定しています。
- 社会システム関連事業:売上高が大きく増加しました。
大規模データセンター や建物の電気設備工事が順調に進みました。
高速道路の5G整備など、新しいインフラ案件も受注しています。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 通信キャリア | 1,945億円 | 46% | — | — |
| ITソリューション | 837億円 | 20% | — | — |
| 社会システム | 1,465億円 | 35% | — | — |
財務状況と資本政策
総資産は 5,498億円 となり、前期末から 100億円 増えました。
自己資本比率は 69.2% と、業界内でも 極めて高い健全性 を保っています。
株主還元には非常に積極的な姿勢を見せています。
- 配当:年間 120円 を予定し、前期から 5円増配 します。
- 自社株買い:約 80億円 (222万株)の取得をすでに完了しました。
これらの取り組みにより、「日経平均株主還元株40指数」にも選ばれています。
リスクと課題
- 通信キャリアの投資動向:NCC各社の設備投資が減っており、影響が懸念されます。
- 人材の確保:工事を担う技術者の不足や、採用コストの上昇がリスクです。
- 資材価格:建設資材やエネルギー価格の高騰が、利益を圧迫する恐れがあります。
戦略トピック
海外展開を加速させるため、 インドネシア支店 を新たに設立しました。
成長著しい東南アジア市場で、現地のニーズに素早く応える体制を整えています。
また、脱炭素への取り組みも強化しています。
国際的な環境評価で最高ランクの「Aリスト」に選ばれるなど、 ESG経営 での評価も高まっています。
通期見通し
通期の売上高は 6,200億円 (前期比 0.9%増 )を見込んでいます。
営業利益は 450億円 (前期比 2.2%減 )となる予想です。
第3四半期までの進捗は順調ですが、予想の修正はありません。
期末にかけて 大型案件の完工 が集中するため、計画達成を注視しています。
コムシスHDは、国内の通信建設首位として極めて安定した経営基盤を持っています。
今回の決算で注目すべきは、NTT依存からの脱却が着実に進んでいる点です。通信キャリア向けが横ばいの中でも、データセンターやITソリューションといった成長分野で利益を稼ぎ出す構造ができつつあります。
自己資本比率が約70%と非常に高く、キャッシュが豊富なため、今後も積極的な増配や自社株買いが期待できる点も投資家には魅力的でしょう。就活生の視点では、インフラという安定性と、DXや環境対応という先進性の両面を併せ持つ企業として評価できそうです。
