建設技研、2026年12月期第2四半期決算、増収増益で純利益17%増
建設技研の2026年12月期第2四半期決算は、売上高が前年同期比8.3%増、営業利益が10.7%増、親会社株主に帰属する中間純利益が17.1%増となりました。国内の公共事業予算が前年を上回るなか、海外事業も伸び、国内外の増収が利益成長を支えました。通期業績予想は据え置く一方、年間配当予想を110円に引き上げ、最大30億円の自己株式取得も決めました。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 550億円 | +8.3% | 1,050億円 | 52% |
| 営業利益 | 66億円 | +10.7% | 105億円 | 63% |
| 純利益 | 44億円 | +17.1% | 70億円 | 63% |
| 営業利益率 | 12.0% | |||
この決算のポイント
- 1国内事業の売上高は377億円、営業利益は62億円で、いずれも前年同期を上回った
- 2海外事業の営業利益は3億円。前年同期の0.4億円から増え、黒字幅が拡大した
- 3受注高は前年同期比0.2%増の610億円で、売上高の伸びより小幅にとどまった
- 4年間配当予想は従来の78円から110円へ増額し、前期実績の75円も上回る
- 5最大120万株、30億円の自己株式取得を決定。発行済み株式数の約4.4%が上限
業績のポイント
建設技研(建設技術研究所)の2026年1〜6月期は、売上高550億円(前年同期比8.3%増)、営業利益66億円(同10.7%増)、親会社株主に帰属する中間純利益44億円(同17.1%増)でした。営業利益率は12.0%で、前年同期の約11.8%から改善しました。
- 売上高: 550億円。前年同期の508億円から42億円増えた。
- 営業利益: 66億円。前年同期から6億円増加した。
- 経常利益: 66億円。前年同期比11.0%増で、通期予想に対する進捗率は63.8%。
- 受注高: 610億円。前年同期比0.2%増と、売上高の伸びに比べて小幅な増加にとどまった。
国内では、2026年度から5年間で20兆円強を投じる第1次国土強靱化実施中期計画や、前年を上回る公共事業関係費が追い風です。海外ではアジア・アフリカのインフラ需要が強まり、英国でも公共事業の執行が進み始めました。受注の伸びは限定的なため、今後は受注を継続的な売上・利益に結び付けられるかが焦点です。
セグメント別動向
国内建設コンサルティング事業は売上高377億円、セグメント利益63億円で、前年同期の358億円、59億円から増加しました。海外建設コンサルティング事業は売上高173億円、利益3億円となり、前年同期の売上高150億円、利益0.4億円から改善しました。
| セグメント | 売上高の増減額(億円) | 利益の増減額(億円) |
|---|---|---|
| 国内建設コンサルティング | +19 | +4 |
| 海外建設コンサルティング | +23 | +3 |
国内は防災・減災、河川・道路などの老朽化対策を背景に、国の公共投資が堅調です。海外では、アジア・アフリカで気候変動対策や交通・エネルギー関連の需要が高まり、英国でも公共事業費の執行が動き出しています。海外利益は前年から大きく改善したものの、国内に比べ利益規模は小さく、地域ごとの事業環境や受注の変動が収益に与える影響には注意が必要です。
- 国内+5.3%
- 海外+15.4%
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 国内建設コンサルティング事業 | 377億円 | 69% | 63億円 | 16.7% |
| 海外建設コンサルティング事業 | 173億円 | 31% | 3億円 | 1.9% |
通期見通し
2026年12月期の通期業績予想は、2026年2月に公表した内容から変更ありません。売上高1,050億円、営業利益105億円、親会社株主に帰属する当期純利益70億円を見込み、いずれも前期を上回る計画です。
| 項目(百万円) | 前回予想 | 今回予想 | 前期実績(前年比から概算) |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 105,000 | 105,000 | 約101,060 |
| 営業利益 | 10,500 | 10,500 | 約9,138 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 7,000 | 7,000 | 約5,952 |
中間期の売上高進捗率は52.4%、営業利益は63.0%、純利益は63.2%です。利益は通期計画に対して先行していますが、建設コンサルティングは案件の進捗や売上計上時期に左右されるため、上期の進捗だけで通期達成を判断するのは早計です。前期実績の金額は短信に記載された前年比からの概算であり、表示された増減率の丸めにより実績値とは差が出る場合があります。
財務状況と資本政策
6月末の総資産は995億円で、2025年12月末から31億円増加しました。自己資本比率は68.4%と、前期末の69.1%からやや低下したものの、引き続き高い水準です。
| 項目 | 2026年6月末・予想 | 前期末・前期実績 | 比較 |
|---|---|---|---|
| 総資産 | 995億円 | 963億円 | +31億円 |
| 自己資本比率 | 68.4% | 69.1% | -0.7ポイント |
| 年間配当 | 110円 | 75円 | +35円 |
| 自己株式取得の上限 | 30億円 | — | 2026年8月開始予定 |
現金及び預金は前期末から167億円増え、327億円となりましたが、短信には営業・投資・財務キャッシュフローの数値は記載されていません。年間配当予想は7月30日に78円から110円へ引き上げられ、同じ取締役会で最大120万株の自己株式取得も決定しました。会社は、資本効率の向上と成長投資の進捗を踏まえた株主還元の充実を理由に挙げており、取得した株式は消却する予定です。
戦略トピック
建設技研は、中期経営計画2027の2年目にあたり、事業ポートフォリオの変革や生産性向上を進める方針です。今回の自己株式取得は、成長投資と株主還元を両立させる資本政策として位置付けられています。
- 事業ポートフォリオ: 国内外の事業構成を見直し、グローバルインフラソリューショングループへの成長を目指す。
- 生産性向上: 品質・生産システム改革を進め、業務の効率と品質の向上を図る。
- 株主還元: 年間配当予想を引き上げ、自己株式の取得・消却を通じて資本効率を高める。
建設コンサルティングは専門人材の知見とプロジェクト遂行力が競争力を左右するため、案件需要を取り込むだけでなく、生産性や従業員エンゲージメントを高める取り組みも重要です。配当増額と自己株式取得は株主への還元を明確にする一方、今後は成長投資の成果と還元のバランスが問われます。
リスクと課題
国内の公共投資や海外インフラ需要は事業機会となる一方、景気や政策の変化、案件の進捗によって受注・売上が変動する可能性があります。会社が挙げる経済環境や地域別の不透明感に加え、受注高の伸びが売上高を下回った点も見ておきたいところです。
- 海外の景気・政策動向: 英国では首相交代や中東情勢が先行きの不確実要因。アジア・アフリカではJICA予算に下げ止まりの兆しがある一方、案件環境の変化が受注に影響し得る。
- 金融資本市場・中東情勢: 市場変動や地政学リスクが続けば、顧客の投資判断や事業環境に影響する可能性がある。
- 受注と業績のずれ: 受注高の増加が小幅にとどまるなか、案件獲得や進捗が想定を下回れば、売上高・利益の通期計画達成を圧迫する。
- 品質・生産性: 会社は品質・生産システム改革を重点テーマに掲げている。改革の遅れや業務品質の問題は、採算や顧客からの信頼に影響するおそれがある。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/8/13)
3,260円
最新終値(2026/10/23)
3,540円+8.6%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#建設技研#決算#決算分析#四半期決算#建設コンサルタント#国土強靱化#海外インフラ#増配#自社株買い
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コメント
国内の公共投資に加え、海外事業も利益改善に寄与しており、国内一本足ではない収益構造が見えた中間決算です。特に海外の利益回復は前向きですが、利益額はまだ国内事業に比べて小さく、英国やアジア・アフリカの事業環境に左右される点は残ります。
上期の利益進捗は通期計画を上回るペースですが、受注高の伸びは小幅です。利益の先行を受注の持続力につなげられるかが、下期以降の評価を左右しそうです。配当増額と自己株式取得は株主還元に積極的な姿勢を示す一方、成長投資や生産性改革の成果も合わせて確認したいところです。
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