M&Aキャピタル、2026年9月期第3四半期決算、増収増益で通期予想を上方修正
M&Aキャピタルの2026年9月期第3四半期決算は、成約件数の増加と大型案件による平均単価の上昇で増収増益となりました。売上高は前年同期比26.9%増の206億円、営業利益は39.9%増の81億円、純利益は43.7%増の62億円で、会社は十分な案件在庫を背景に通期予想を上方修正。大型案件が利益成長を押し上げた決算です。

決算の数字第3四半期累計
期初から9ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 206億円 | +26.9% | 283億円 | 73% |
| 営業利益 | 81億円 | +39.9% | 109億円 | 74% |
| 純利益 | 62億円 | +43.7% | 77億円 | 81% |
| 営業利益率 | 39.3% | |||
この決算のポイント
- 1連結成約件数は前年同期比20件増の201件となり、売上高の伸びを支えた
- 21件当たり手数料1億円以上の成約は45件で、前年同期から1件増加した
- 3通期営業利益予想は108億円、前期比52.8%増。前回予想を上回る見込みに修正
- 4年間配当予想は72.47円に引き上げ、前期実績52.10円から20.37円増配
業績のポイント
M&Aキャピタル(M&Aキャピタルパートナーズ)は、2026年9月期第3四半期累計で売上高が前年同期比26.9%増、営業利益が39.9%増、親会社の所有者に帰属する四半期利益が43.7%増となりました。営業利益の増加額は23億円で、売上高の伸びを上回る利益成長です。
- 売上高: 206億円で、前年同期から43億円増加。成約件数の増加と大型案件による平均案件単価の上昇が主因
- 営業利益: 81億円で、前年同期から23億円増加。売上原価や販管費も増えたものの、売上高の伸びが費用増を上回った
- 税引前利益: 82億円で、前年同期比42.1%増
- 1株当たり利益: 基本的EPSは195.45円で、前年同期の136.03円から上昇
連結成約件数は201件と前年同期から20件増え、手数料1億円以上の案件も45件に増加しました。売上原価は賞与や外注費の増加で前年同期比25.8%増、販管費も広告宣伝費などを中心に11.8%増えましたが、売上高の増加率を下回っています。営業利益率も約35.6%から約39.3%へ上がり、案件数と大型案件の単価上昇が収益性を押し上げたことが読み取れます。
セグメント別動向
M&A関連サービス事業が単一セグメントで、事業別の売上高や営業利益の内訳は開示されていません。会社全体の成長をけん引したのは、成約件数の増加と大型案件の成約です。
- M&A関連サービス事業: 全社売上高は前年同期比26.9%増、営業利益は39.9%増。成約件数の増加と平均案件単価の上昇が寄与
- 大型案件・FA業務: 1件当たり手数料1億円以上の成約は連結で45件。2024年10月に設けたIBカバレッジ部を中心に、高単価なファイナンシャルアドバイザリー業務の案件獲得を進めている
- レコフ: 成約件数は10件で、前年同期から2件減少
国内企業が関係するM&Aの公表件数は2026年1~6月に2,647件となり、前年同期比5.1%増で3年連続の最多更新でした。市場の案件需要を取り込みつつ、会計士・弁護士・税理士などの専門人材や教育を通じて助言の質を高める方針です。なお、報告セグメントは単一のため、セグメント別の数値比較はできません。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| M&A関連サービス事業 | 206億円 | 100% | 81億円 | 39.3% |
財務状況と資本政策
2026年6月末の総資産は584億円で、2025年9月末から約27億円増加しました。自己資本比率に相当する親会社所有者帰属持分比率は81.6%と、前期末の77.6%から上昇しています。
| 項目 | 2026年6月末・予想 | 比較・補足 |
|---|---|---|
| 総資産(百万円) | 58,428 | 前期末比+4.8% |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 81.6% | 前期末77.6% |
| 現金及び現金同等物(百万円) | 20,122 | 前期末比+3,879 |
| 年間配当(円) | 72.47 | 前期実績52.10円、+39.1% |
| 自社株買い | 開示なし | 今回の短信に記載なし |
利益剰余金の増加などを背景に資本は前期末比10.2%増え、財務基盤が厚くなりました。第3四半期累計のキャッシュ・フロー計算書は作成されていないため、営業・投資・財務キャッシュフローの数値は確認できません。配当予想は前期実績から20.37円増えており、利益成長を株主還元にも反映する判断です。
通期見通し
会社は2026年9月期の通期業績予想を上方修正し、売上高、営業利益、税引前利益、親会社の所有者に帰属する当期利益のすべてで前期実績を上回る見通しを示しました。今回の短信には修正前の予想額と前期の通期実績額が掲載されていないため、比較欄には記載がない旨を示しています。
| 項目 | 前回予想 | 今回予想 | 前期実績との比較 |
|---|---|---|---|
| 売上高(百万円) | 記載なし | 28,328 | 前期比+26.2% |
| 営業利益(百万円) | 記載なし | 10,891 | 前期比+52.8% |
| 税引前利益(百万円) | 記載なし | 11,089 | 前期比+54.0% |
| 親会社帰属当期利益(百万円) | 記載なし | 7,677 | 前期比+51.4% |
上方修正の理由について会社は、第3四半期累計の業績が前年同期を上回り、十分な案件在庫を保有していることを挙げました。第4四半期に成約が見込まれる案件を慎重に検討したうえで、売上高と各利益が前回予想を上回ると判断しています。修正幅そのものは短信に記載されていないため、詳細な旧予想との比較は別途公表資料で確認が必要です。
戦略トピック
M&Aキャピタルは、成約件数の拡大だけでなく、大型案件や専門性の高いファイナンシャルアドバイザリー業務の獲得を成長の柱に据えています。2024年10月に創設したIBカバレッジ部では高単価案件のパイプラインが増え、成約実績も出始めたと説明しています。
- 専門人材の活用: 会計士、弁護士、税理士などの資格を持つコンサルタントを中心に、難易度の高い案件への助言力と知見の共有を強化
- 案件管理の徹底: 成約までのKPIを定期的に確認し、新規提案と受託済み案件の推進を並行して管理
- 教育と品質管理: M&Aガイドラインや専門知識の教育を継続し、教育への取り組みを賞与制度にも結び付ける
国内M&A市場では新規参入する仲介会社が増え、不適切な助言への懸念も生じてきました。会社は、専門性と職業倫理を高めてサービス品質を守ることが、ブランド形成と大型案件の受託につながるとの考えを示しています。
リスクと課題
業績は成約件数や案件単価に左右されるため、足元の市場拡大が続くかだけでなく、案件を成約まで進める力や助言品質の維持も重要です。会社も将来予測には不確実性があり、実際の結果が予想と異なる可能性を示しています。
- 成約時期の変動: 案件の交渉や手続きが想定より長引けば、手数料の計上が後ろ倒しとなり、四半期や通期の業績に影響する
- 競争の激化: M&A仲介会社の新規参入が続くと、案件獲得競争や人材獲得競争が強まり、受託や採用にかかる費用が増える可能性がある
- 助言品質・信用リスク: 不適切な助言やガイドライン違反が発生すれば、顧客や市場からの信頼を損ない、ブランドや案件獲得に影響し得る
- 大型案件への依存度: 大型案件の成約は単価上昇に寄与する一方、案件数や成約状況の変化が売上高や利益の振れにつながる
成約件数の増加に加えて高単価案件が利益を押し上げているため、成長の持続性を見るうえでは、案件在庫の量だけでなく、実際の成約への転換と案件構成の推移が焦点になります。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/7/29)
3,775円
最新終値(2026/10/23)
4,225円+11.9%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#M&Aキャピタル#決算#決算分析#四半期決算#増収増益#通期予想上方修正#M&A仲介#ファイナンシャルアドバイザリー#増配
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コメント
成約件数の増加に加え、大型案件で平均単価が上がったことが利益の伸びを支えています。売上高以上に営業利益が伸び、利益率も改善した点は、単なる市場拡大の恩恵にとどまらず、案件構成の変化が収益に表れた決算といえます。
一方、M&A仲介は案件の成約時期によって業績が変動しやすく、今回の通期上方修正をそのまま長期成長の確実性とみなすのは早計です。高単価のFA案件を継続的に獲得できるか、成長と助言品質を両立できるかが今後の注目点です。
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