サイバーエージェント、2026年9月期第3四半期決算、営業利益38%増で大幅増益

サイバーエージェントが発表した2026年9月期第3四半期決算は、売上高709,272百万円(前年同期比12.2%増)、営業利益67,449百万円(同38.2%増)と大幅な増収増益だった。主力のゲーム事業が国内外で好調で、メディア&IP事業も黒字化が進み、広告事業の伸び悩みを補った。親会社株主に帰属する四半期純利益は36,035百万円(同49.5%増)と急伸し、通期業績予想と配当の上方修正を発表した。ゲーム事業とABEMAの成長で大幅増益を達成した決算といえる。
決算の数字第3四半期累計
期初から9ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 7,093億円 | +12.2% | 9,500億円 | 75% |
| 営業利益 | 674億円 | +38.2% | 770億円 | 88% |
| 純利益 | 360億円 | +49.5% | 410億円 | 88% |
| 営業利益率 | 9.5% | |||
業績のポイント
サイバーエージェント(株式会社サイバーエージェント)の2026年9月期第3四半期累計(2025年10月~2026年6月)の連結業績は、売上高709,272百万円(前年同期比12.2%増)、営業利益67,449百万円(同38.2%増)、経常利益69,182百万円(同42.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益36,035百万円(同49.5%増)と、大幅な増収増益となった。
主要3事業すべてが増収を達成し、特にゲーム事業の伸びが全体を牽引した。メディア&IP事業では「ABEMA」を中心とする収益構造が改善し、営業利益が前年同期比88.0%増と大きく飛躍した。インターネット広告事業は売上高363,687百万円(同4.9%増)と堅調に推移し、直前四半期以降の高い増収率を維持している。
主な利益増加要因として、ゲーム事業における主力タイトルの好調とカジュアルゲームのグローバルヒット、メディア&IP事業での㈱AbemaTVの黒字化、広告事業でのAI活用による効率化などが挙げられる。これらの結果、3事業すべてが増収増益となり、四半期純利益は前年同期比約5割増の大幅な伸びを示した。
| 主要指標 | 2026年9月期 第3四半期累計 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 709,272百万円 | +12.2% |
| 営業利益 | 67,449百万円 | +38.2% |
| 経常利益 | 69,182百万円 | +42.3% |
| 親会社株主に帰属する四半期純利益 | 36,035百万円 | +49.5% |
セグメント別動向
サイバーエージェントの事業は、メディア&IP、インターネット広告、ゲーム、投資育成の4セグメントで構成される。3つの主力セグメントが増収増益を達成し、全体を押し上げた。
メディア&IP事業
売上高は171,098百万円(前年同期比8.9%増)、営業利益は13,178百万円(同88.0%増)と大幅な増益を達成した。中核の「ABEMA」をはじめ、「WINTICKET」やアニメ・IP関連事業が重層的に収益を積み上げた。特に、㈱AbemaTVの黒字化が営業利益の急拡大に直結しており、放送事業の収益基盤が強化されつつある。IPビジネスの世界的な成長に伴い、同社は「ABEMA」と親和性の高いIP事業の強化に注力している。
インターネット広告事業
売上高は344,892百万円(前年同期比4.9%増)、営業利益は15,425百万円(同1.7%減)と、増収ながら小幅な減益となった。ただし、直前四半期以降の増収率は高水準を継続しており、AI技術を活用した広告効果の向上や新サービスの展開により、事業全体の下支えが期待される。インターネット広告市場は競争が激化しているものの、同社はデジタル広告の需要を取り込み、安定的な収益源として機能している。
ゲーム事業
売上高193,038百万円(前年同期比37.8%増)、営業利益50,923百万円(同44.8%増)と、両項目とも大幅な伸びを示した。主力タイトルの「ウマ娘 プリティーダービー」や「グランブルーファンタジー」などの既存ゲームが引き続き好調だったことに加え、カジュアルゲームがグローバルでヒットし、新たな収益の柱となった。開発効率の向上と継続的なユーザー獲得施策により、同社のゲームポートフォリオは一段と強化されている。
投資育成事業
売上高は243百万円(前年同期比83.0%減)、営業損失1,648百万円(前年同期は860百万円の損失)と、ファンド運営を中心とする投資収益の減少が影響した。全体に占める規模は小さいものの、スタートアップ投資環境の変動を受けやすいセグメントである。
| セグメント | 外部売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 前年同期比 売上増減率 | 前年同期比 利益増減率 |
|---|---|---|---|---|
| メディア&IP | 171,098 | 13,178 | +8.9% | +88.0% |
| インターネット広告 | 344,892 | 15,425 | +4.9% | -1.7% |
| ゲーム | 193,038 | 50,923 | +37.8% | +44.8% |
| 投資育成 | 243 | -1,648 | -83.0% | 赤字拡大 |
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| メディア&IP | 1,711億円 | 24% | 132億円 | 7.7% |
| インターネット広告 | 3,449億円 | 49% | 154億円 | 4.5% |
| ゲーム | 1,930億円 | 27% | 509億円 | 26.4% |
| 投資育成 | 2億円 | 0% | -1,648百万円 | - |
財務状況と資本政策
2026年6月末の総資産は551,172百万円と、前期末比5,989百万円減少した。現金及び預金が法人税や配当の支払いにより212,081百万円へ減少したことが主因である。負債は253,275百万円(同28,206百万円減)で、未払法人税等の減少によるもの。純資産は297,897百万円(同22,216百万円増)に拡大し、利益剰余金の積み上がりが寄与した。自己資本比率は37.2%と前期末の32.3%から改善し、財務の健全性が高まっている。
キャッシュ・フロー計算書は四半期では未作成だが、減価償却費は8,580百万円(前年同期6,209百万円)と投資負担は続いている。
配当については、2026年9月期の年間配当予想を17円00銭から20円00銭へ上方修正した。これは業績の大幅上振れを反映したもので、株主還元姿勢の強化と受け取れる。
リスクと課題
決算短信に明示された特筆すべきリスクとして、以下の点が挙げられる。
- ゲーム事業のヒット依存:主力タイトルの収益が全体に与える影響が大きく、ユーザー動向や規制変更による急激な減収リスクが存在する。
- ABEMA投資の継続:黒字化に至ったものの、競合する動画配信サービスとの競争激化や、コンテンツ調達コストの上昇が収益を圧迫する可能性がある。
- 広告市場の変動:景気後退や企業の広告予算削減が広告事業の収益に直接影響する。
- IP戦略の成否:世界的にIPビジネスが拡大する中、自社IPの創出・育成が計画通りに進まない場合、成長シナリオに狂いが生じる。
- 為替変動:海外売上比率が高まる中、急激な円高は収益の目減り要因となる。
通期見通しと配当修正
サイバーエージェントは同日、2026年9月期の連結業績予想を上方修正した。ゲーム事業の想定を上回る好調とメディア&IP事業の黒字化進展を受け、売上高・利益ともに従来予想を引き上げた。
| 項目 | 前回予想(百万円) | 今回修正(百万円) | 前期実績(百万円) |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 930,000 | 950,000 | 870,000(前年比8.7%増) |
| 営業利益 | 70,500 | 77,000 | 67,900(前年比13.4%増) |
| 経常利益 | 71,500 | 78,000 | 68,700(前年比13.5%増) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 39,000 | 41,000 | 31,700(前年比29.5%増) |
| 1株当たり当期純利益 | - | 80円85銭 | 62円44銭 |
配当予想も17円から20円へ引き上げられ、増収増益と株主還元の両面でポジティブな内容となった。第4四半期(7~9月)もゲームの大型アップデートや広告需要期を控え、通期計画達成への期待が高まる。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/8/7)
1,499円
最新終値(2026/10/23)
1,294円-13.7%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#サイバーエージェント#決算#決算分析#四半期決算#増収増益#ゲーム事業#ABEMA#上方修正#配当増額#インターネット広告
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コメント
今期の大幅増益は、ゲーム事業の圧倒的な伸びとABEMAの黒字化が両輪となった。特にゲーム事業の営業利益率は約26%に達し、高収益体質を証明した。広告事業の成長鈍化はやや懸念されるが、AI技術の活用による効率改善が今後のカギを握る。
メディア&IP事業は、ABEMAの収益化が本格化しつつあり、放送とIPのシナジーが経営の大きな柱に育つ可能性を感じさせる。一方、投資育成事業の赤字が続く点や、ゲームのヒット依存度が依然として高い点はリスクとして注視したい。
通期では一段の上方修正の可能性もあり、今後の四半期ごとの進捗と、ABEMAの視聴者数・収益の持続性を見極める必要がある。
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掲載企業

株式会社サイバーエージェント
東証 4751
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