第一興商、2027年3月期第1四半期決算、営業利益17.6%増で純利益は減少

第一興商の2027年3月期第1四半期決算は、売上高が前年同期比1.5%増の411億57百万円、営業利益は49億91百万円と17.6%増えた一方、純利益は10.9%減の31億37百万円でした。DAMのストック収入や店舗事業などが利益を押し上げましたが、前年同期に計上した固定資産売却益がなくなり、純利益は減少。第1四半期売上高は過去最高となりました。

決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 412億円 | +1.5% | 1,690億円 | 24% |
| 営業利益 | 50億円 | +17.6% | 193億円 | 26% |
| 純利益 | 31億円 | -10.9% | 126億円 | 25% |
| 営業利益率 | 12.1% | |||
この決算のポイント
- 1業務用カラオケは新商品効果の一巡で減収も、ストック収入の増加などで営業利益は14.3%増。
- 2カラオケ・飲食店舗は既存店売上高がカラオケ2%、飲食3%増えた一方、営業利益は2.5%減。
- 3その他事業はパーキング収入などが伸び、売上高13.4%増、営業利益27.9%増。
- 4年間配当予想は68円で前期実績の67円から1円増。中間配当予想も28円から34円へ増額。
- 5通期予想は売上高1,690億円、営業利益193億円、純利益126億円。純利益は前期比20.7%減の計画。
業績のポイント
第一興商(株式会社第一興商)は、売上高が前年同期比1.5%増の411億57百万円、営業利益が17.6%増の49億91百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が10.9%減の31億37百万円でした。売上高は第1四半期として過去最高を更新し、営業利益も2桁増となりました。
- 売上高: 前年同期から6億4百万円増加。カラオケ・飲食店舗やその他事業の伸びが、業務用カラオケの減収を補いました。
- 営業利益: 前年同期から7億45百万円増加。業務用カラオケの機器賃貸料・情報提供料などの収入増と、販管費の減少が寄与しました。
- 純利益: 前年同期から3億83百万円減少。前年に計上した固定資産売却益8億66百万円がなくなった影響などが出ました。
主力のカラオケ市場ではナイト市場、カラオケボックス市場の需要が底堅く推移しました。一方、物価上昇や海外情勢、通商政策の変化など、先行きの不透明さは続いています。売上高の過去最高更新と営業増益が並ぶ一方、純利益は特別利益の反動で減少した決算です。
セグメント別動向
セグメントでは、業務用カラオケの減収を、店舗やパーキングなどの成長事業がカバーしました。売上高と営業利益の前年同期比は次の通りです。
| セグメント | 売上高前年比 | 営業利益前年比 |
|---|---|---|
| 業務用カラオケ | -7.4% | +14.3% |
| カラオケ・飲食店舗 | +6.8% | -2.5% |
| 音楽ソフト | +9.8% | +39.7% |
| その他 | +13.4% | +27.9% |
業務用カラオケは、前年同期にあった新商品の販売効果が一巡し、商品販売が減少しました。一方、DAMの稼働台数は前年同期比で微増し、機器の賃貸や情報提供によるストック収入が増えたほか、販促費なども減り、営業増益を確保しました。「LIVE DAM WAO!」の映像コンテンツ拡充や機種入れ替えを進めています。
カラオケ・飲食店舗は、既存店売上高がカラオケで2%、飲食で3%増え、出店やM&Aによる店舗数増も売上を押し上げました。ただし、新規出店費用や食材などのコスト上昇が利益を圧迫しました。ビッグエコーではコラボ企画やダーツバー「B-GARAGE」の併設などを進め、店舗の収益力向上を図っています。
音楽ソフトでは「モナキ」のデビューシングルなどが収益に貢献しました。その他事業では「ザ・パーク」の施設数が約4,500、車室数が約52,000に達し、パーキング収入が伸びています。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 業務用カラオケ | 164億円 | 40% | 37億円 | 22.7% |
| カラオケ・飲食店舗 | 176億円 | 43% | 13億円 | 7.2% |
| 音楽ソフト | 15億円 | 4% | 1億円 | 8.5% |
| その他 | 57億円 | 14% | 9億円 | 16.1% |
通期見通し
会社は2027年3月期の通期予想として、売上高1,690億円、営業利益193億円、親会社株主に帰属する当期純利益126億円を掲げています。短信には前回予想の数値が掲載されていないため、下表は会社公表の通期予想と前期比を整理しました。
| 指標 | 通期予想 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 1,690億円 | +3.7% |
| 営業利益 | 193億円 | +7.7% |
| 経常利益 | 197億円 | +7.9% |
| 純利益 | 126億円 | -20.7% |
第2四半期累計の予想は、売上高831億円、営業利益96億円、経常利益98億円、純利益62億円です。第1四半期は営業増益となりましたが、通期の純利益は前年にあった利益要因の反動などを背景に減益を見込んでいます。短信は、業績予想を同日公表の「業績予想の修正に関するお知らせ」に沿って示しており、予想の達成には今後の店舗運営やコスト動向も焦点となります。
財務状況と資本政策
2026年6月末の総資産は前期末から44億84百万円減の2,159億61百万円、自己資本比率は前期末の57.0%から56.1%となりました。第1四半期のキャッシュ・フロー計算書は作成されていないため、キャッシュ・フローの実績値は確認できません。
| 項目 | 2027年3月期1Q末・予想 | 比較 |
|---|---|---|
| 総資産 | 2,159億61百万円 | 前期末比44億84百万円減 |
| 自己資本比率 | 56.1% | 前期末比0.9ポイント低下 |
| 年間配当予想 | 68円 | 前期実績67円から1円増 |
| 中間配当予想 | 34円 | 前期実績28円から6円増 |
| 期末配当予想 | 34円 | 前期実績39円から5円減 |
現金及び預金は前期末から75億5百万円減少しました。純資産は四半期利益による利益剰余金の増加があったものの、配当による減少が上回り、5億24百万円減っています。配当は年間で増額する予想ですが、自己株式の取得について、この短信に実施の記載はありません。
リスクと課題
カラオケ需要は底堅いものの、主力市場では事業者間の競争が続いています。コスト上昇や外部環境の変化が、店舗利益や通期業績に影響する可能性があります。
- 市場競争: ナイト市場やカラオケボックス市場では、商圏の中心地を含め事業者間の競争が活発です。機器や店舗の魅力を維持できなければ、顧客獲得や収益に影響します。
- 物価上昇と運営コスト: 飲食店舗では食材などのランニングコスト上昇が利益を圧迫しました。出店を増やすほど、初期費用や店舗運営費の管理が重要になります。
- 経済・政策の不透明さ: 会社は物価上昇、海外情勢、通商政策の動向を懸念材料に挙げています。消費や企業活動に影響が及べば、カラオケや飲食の需要にも波及する可能性があります。
- 商品販売の変動: 業務用カラオケでは新商品の販売効果が一巡し、機器販売売上が前年同期を下回りました。賃貸・情報提供などの継続収入を伸ばしながら、機種更新需要を維持できるかが課題です。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/8/5)
1,731.5円
最新終値(2026/10/23)
1,770.5円+2.3%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#第一興商#決算#決算分析#四半期決算#カラオケ業界#DAM#ビッグエコー#配当
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コメント
注目したいのは、商品販売が一服した業務用カラオケで、賃貸や情報提供といった継続収入を伸ばして営業増益を確保した点です。機器の販売台数だけでなく、稼働後の収益を積み上げる事業モデルが利益を支えています。
一方で、店舗事業は既存店の売上が伸びても、出店費用や食材高で減益でした。パーキングや音楽ソフトの成長が全社業績を補う構図が続くか、次の四半期では店舗コストとDAMのストック収入の伸びを確認したいところです。
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