株式会社三越伊勢丹ホールディングス の会社詳細
株式会社三越伊勢丹ホールディングス
三越伊勢丹ホールディングス
2026年3月期 第3四半期

三越伊勢丹HD・2026年3月期Q3、純利益10%増で過去最高——300億円の自社株買いと増配を発表

三越伊勢丹
純利益過去最高
自社株買い
増配
百貨店
上方修正
株主還元
インバウンド
外商好調
第3四半期累計期初から9ヶ月間の累計値(前年同期比)

売上高

4,063億円

-2.7%

通期予想

5,540億円

進捗率73%

営業利益

581億円

-3.1%

通期予想

780億円

進捗率74%

純利益

513億円

+10.3%

通期予想

650億円

進捗率79%

営業利益率

14.3%

売上高は前年の海外好調の反動で4,063億円(前年同期比2.7%減)となりました。一方で、株の売却益などにより、純利益は512億円(同10.3%増)と過去最高を更新。好調な業績を受け、300億円規模の追加の自社株買いと、配当予想の引き上げを発表しました。

業績のポイント

売上高は 406,341百万円(前年比 2.7%減)となりました。
営業利益は 58,065百万円(前年比 3.1%減)です。

  • 前年にあった海外店舗の特需が落ち着き、見かけ上は減収となりました。
  • しかし国内の百貨店事業は、富裕層向けの販売が伸びて堅調です。
  • コスト削減を徹底した結果、四半期ベースの営業利益は過去最高でした。
  • 株の売却による利益も加わり、純利益は 51,267百万円(前年比 10.3%増)です。

業績推移(通期)

売上高営業利益|当期累計通期予想残

セグメント別動向

  • 百貨店業: 売上高 336,083百万円(前年比 3.4%減)、利益 47,435百万円(同 4.9%減)。国内では外商などの得意客向け販売が好調です。海外は不採算店の閉鎖を進め、営業利益が前年比で7割増と大きく改善しました。
  • クレジット・金融・友の会業: 売上高 26,469百万円(前年比 3.1%増)、利益 5,192百万円(同 6.7%減)。新しいカード会員が約4割増え、手数料収入が伸びました。貸倒引当金の戻入が減った影響で、利益は少し下がりました。
  • 不動産業: 売上高 17,624百万円(前年比 14.4%減)、利益 2,873百万円(同 10.3%増)。新宿エリアの保有物件からの賃料が増え、利益を押し上げました。
  • その他: 売上高 74,807百万円(前年比 2.5%増)、利益 2,206百万円(同 30.3%増)。スーパーの客単価が上がり、旅行業も法人向け海外渡航が伸びて好調でした。
セグメント売上高構成比営業利益営業利益率
百貨店業3,361億円83%474億円14.1%
クレジット・金融・友の会業265億円7%52億円19.6%
不動産業176億円4%29億円16.3%

財務状況と資本政策

総資産は前期末から 370億円 増えて 1兆2,427億円 となりました。

  • 株主還元を大幅に強化します。すでに実施した300億円に続き、新たに 300億円 の自社株買いを決めました。
  • 配当予想も引き上げ、年間で1株当たり 70円(前期は54円)とする方針です。
  • 中期経営計画で掲げた「総還元性向70%以上」の達成に向けた動きです。

通期見通し

通期の純利益予想を 65,000百万円(前回予想比 3,000百万円増)に上方修正しました。

  • 関係会社の株式を売却し、特別利益が出たことが主な要因です。
  • 営業利益は据え置きましたが、経常利益は受取配当金の増加などで上方修正しました。
  • 売上高の予想は、海外の状況を見て少し引き下げています。

リスクと課題

  • 日中関係の緊張など、海外の情勢変化が観光客数に与える影響。
  • 国内の物価高が続き、消費マインドが冷え込む可能性。
  • 米国の関税政策など、世界経済の下押しリスクへの注視。
AIアナリストの視点

三越伊勢丹HDの今回の決算は、表面的な売上の微減に惑わされてはいけない内容です。

特筆すべきは、単なる「インバウンド頼み」からの脱却が進んでいる点です。国内の識別顧客(カード会員やアプリ会員)が前年比1割増えており、特に「外商」という強固な顧客基盤が利益を支える構造が鮮明になっています。

また、経営陣の株主還元に対する姿勢が極めて強力です。300億円の自社株買いと大幅な増配を同時に打ち出したことは、投資家にとって非常にポジティブなサプライズと言えます。不採算の中国店舗の整理など構造改革も進んでおり、百貨店という伝統的なビジネスモデルを「個客」重視の収益性の高い形へ進化させている点が評価できます。